宮本雄二元駐中国特命全権大使/公益財団法人日中友好会館会長

2026年5月13日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 14 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

この安全保障の問題について、私は、東アジアにおける議論が余りにも少ない。先ほどハブ・アンド・スポークスという形で、結局アメリカを中心に、基本をアメリカに考えて、それでほかの国が連携をしていくという、そういう形に慣れ親しんできたと。そういう中で、我々は、安全保障の問題を自国、自分の問題として、単に日本だけじゃなくて、韓国もそうですし、ASEAN諸国もそうだと思いますが、そういうふうに考えていなかったというのが非常に大きな問題として浮上しているというふうに思います。

これからは、同盟で、そういうグループごとじゃなくて、そういう利害関係が錯綜している中で、国としての集まりを、国の集まりが安全保障を考えていくという新しい時代に入ったというふうに思います。

そうしますと、大前提は、これに参加した国々の安全は平等に保障されるというものじゃないと、これ誰も参加しませんね。したがって、いかにして、参加した国の安全は、このメカニズムに入ることによって参加した国の安全が保障されるということをいかにして担保するかという極めて難しい問題に直面するわけです。

これは、もう本当に専門家集団が知恵にまた知恵を絞って考え出さないと、ヨーロッパでもそれは実現しておりません。NATOとワルシャワ条約軍というような間で冷戦状態が続きましたので、それを緩和するためにヘルシンキ・プロセスとかいろんなものがあって、ヨーロッパで安全保障をするための努力はなされましたけれども、それは参加した国の安全を保障するところまで至っていないんです。

ですから、衝突するのをいかにして止めるか、不測の事態をいかにして回避するか、その次元にとどまるわけですね。それを超えた国と国同士の安全保障ということになってくると非常に大変な、新たな、新しい知恵を要求されますので、私は、何はともあれ、いわゆるセカンドトラックで、専門家と言われている人たち、本当に知恵を出してということで、まず、もう今日からでもあしたからでもこういう人たちに考えさせ始めるということで、その次に政府としてどういうふうな手を打ったらいいかという次の段階が見えてくるのではないかというふうに思います。

非常に難しい作業になると思いますが、しかし、これをやらないとこの地域の本当の安定はできませんし、やっぱりブロックごとの力の関係という昔のものに戻ってしまうという、これは脆弱性を持っているのは皆さん御存じのとおりであります。

以上です。

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