ありがとうございます。やはり、子供のというか、権利ですね、人権というものは明確に切り分けて考えられると有り難いと思っております。
さて、この再生医療の現場では、人の応用に至るまで、動物実験や基礎研究の長い積み重ねがあるということを今まで自分で見てまいりました。
ゲノム編集についても、人の能力や性質の改変に応用される知見、まず動物研究の中で蓄積されていく可能性があると思います。動物を対象とするゲノム編集研究は一律に禁止されておらず、既に牛、豚、羊、魚などにおいて生産性に関わる形質の改変、感染症への抵抗を持つ動物の作成、人の疾患を研究するための動物モデルの作成などが行われております。こうした研究には、食料生産、動物福祉、疾病の解明や治療法の開発に貢献する大きな意義がある一方で、将来、認知機能、寿命、行動特性など、より根源的な性質を人為的に改変する研究と発展する可能性も否定できないと思います。人への応用だけを議論するのだけではなく、その前段階となり得る動物研究についても、どこまでを許容するのか、科学的必要性だけでなく、動物福祉や生命倫理の観点から、今の段階からもう本当、省庁を横断して議論を進めていく必要があるのではないかと思っております。
もう一つ、老化についてお伺いします。
老化は、がん、認知症、心血管疾患など、様々な疾患の発症リスクを高める要因と考えられております。仮に、将来ヒト胚の段階で遺伝子を改変し、老化を遅らせる技術が登場した場合、それを疾病の予防や治療と位置付けるのか、それとも、人の能力や性質を高めるエンハンスメントと位置付けるのか、その境界は必ずしも明確ではありません。がんや認知症などの発症を防ぐことは予防とされる一方、その結果として寿命や身体機能が大きく伸びるのであれば、治療とエンハンスメントは連続的なものになっていくと思います。
政府は、両者を明確に区別できていると考えていられるのでしょうか。現時点での認識を大臣にお伺いします。
101佐佐々木昌弘厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官
お答えいたします。
刑罰を科す話でございますので、ちょっとここは丁寧に、特に丁寧にお答えしたいと思います。
まず、委員から御指摘いただいたように、まず第三条において禁止行為として、ヒトゲノム編集胚等を人又は動物の胎内へ移植することを禁止するということを規定しております。それに対して、十九条で罰則規定として、その処罰の対象は、ヒトゲノム編集胚等を人又は動物の胎内、体の中に、胎内に移植した者となっております。
御指摘いただいた、ちゃんとそこを分類して区別せよという点でございますけれども、移植を受けた者が移植した胚等がヒトゲノム編集胚と知らなかった、知ら…
この発言のページ
102
岩本麻奈(参政)
ありがとうございました。
二番の方をちょっと飛ばしまして、次にデザイナーベビーについてお伺いします。
ゲノム編集技術について最も大きな懸念の一つは、疾病の治療から能力や容姿の改変へと利用目的が広がることだと思います。いわゆるデザイナーベビーの問題です。ここでは、違法行為を防げなかった後に出生してしまった子供をどう保護するかという事後対応の点についてお伺いいします。
〔理事自見はなこ君退席、委員長着席〕
違法なゲノム編集が国外や閉鎖的な環境で行われた場合、これはもう行われないと考える方がちょっと難しいかもしれないと思っての質問です。規制だけで完全に…
この発言のページ
103佐佐々木昌弘厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官
まず、先ほど御質問、そして御答弁差し上げたとおり、元々禁止、罰則付きで禁止している行為でございますので、御指摘のようなケースが生じ得ることを想定するものではございません。で、多分、仮定の話はというふうになるんでしょうけど、ちょっと見方を変えて申し上げます。
もしかしたら将来これが臨床応用されることを社会的にもお認めいただいた場合、合同会議において、先ほど大臣から申し上げました、将来の臨床利用、この観点での是非に関して御議論いただいております。その際には、生まれてきた子の生涯にわたる安全性や新たに生じてくる課題を検証する際には、プライバシーを守りつつ、世…
この発言のページ
- (上の発言)
104
岩本麻奈(参政)
ありがとうございます。やはり、子供のというか、権利ですね、人権というものは明確に切り分けて考えられると有り難いと思っております。
さて、この再生医療の現場では、人の応用に至るまで、動物実験や基礎研究の長い積み重ねがあるということを今まで自分で見てまいりました。
ゲノム編集についても、人の能力や性質の改変に応用される知見、まず動物研究の中で蓄積されていく可能性があると思います。動物を対象とするゲノム編集研究は一律に禁止されておらず、既に牛、豚、羊、魚などにおいて生産性に関わる形質の改変、感染症への抵抗を持つ動物の作成、人の疾患を研究するための動物モデルの作成などが行われております。こうした研究には、食料生産、動物福祉、疾病の解明や治療法の開発に貢献する大きな意義がある一方で、将来、認知機能、寿命、行動特性など、より根源的な性質を人為的に改変する研究と発展する可能性も否定できないと思います。人への応用だけを議論するのだけではなく、その前段階となり得る動物研究についても、どこまでを許容するのか、科学的必要性だけでなく、動物福祉や生命倫理の観点から、今の段階からもう本当、省庁を横断して議論を進めていく必要があるのではないかと思っております。
もう一つ、老化についてお伺いします。
老化は、がん、認知症、心血管疾患など、様々な疾患の発症リスクを高める要因と考えられております。仮に、将来ヒト胚の段階で遺伝子を改変し、老化を遅らせる技術が登場した場合、それを疾病の予防や治療と位置付けるのか、それとも、人の能力や性質を高めるエンハンスメントと位置付けるのか、その境界は必ずしも明確ではありません。がんや認知症などの発症を防ぐことは予防とされる一方、その結果として寿命や身体機能が大きく伸びるのであれば、治療とエンハンスメントは連続的なものになっていくと思います。
政府は、両者を明確に区別できていると考えていられるのでしょうか。現時点での認識を大臣にお伺いします。
105
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
まず、本法案を議論いたしました合同会議による議論の整理におきましては、御指摘のエンハンスメントに関して、エンハンスメント目的に利用される可能性についても許容するのかについての国民的な議論がなされていないとの御指摘をいただいております。
このエンハンスメントは、一般的には運動能力や知的能力のような人の性質や能力を人為的に向上させたり増強したりすることを指すものと認識をしておりますが、委員から今御指摘のあったとおり、そもそも何がエンハンスメントに該当するのか、そういった点、線引きの問題もあろうかと思いますが、重要な観点であります。
今後、臨床利用の是非に…
この発言のページ
106
岩本麻奈(参政)
ありがとうございます。医学界でもまだはっきり答えは出ていないところでしたので、お答えありがとうございました。
次に、人工子宮など、今後の技術進歩についての対応について伺います。
本法における胎内とは、女性又は動物の雌の内生殖器と定義されています。したがって、将来受精胚を人工子宮などの体外環境で発育させる技術が実用化された場合、現在の胎内移植という禁止規定では対応できない可能性があると思います。
政府は、人工子宮技術が実用化された場合には、その時点で対応するという考えだとは承知しております。しかし、人間の生命に関わる問題について、技術が実現してから規…
この発言のページ
107佐佐々木昌弘厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官
お答えいたします。
まずは、御指摘のいわゆる人工子宮でございますけれども、今の時点で科学的にどういうふうに考えるかということを申し上げますと、胎児を体外、体の外で成長させられるような技術は、委員御指摘いただいたように、現時点では実現しておりません。これをちょっとどういうふうに分解するかというと、ヒト胚の段階があって、その一の個体まで完全に発育させるまでにはどのような環境を再現しなければならないのか、そこのところが細かく分解、整理できていないので、人工子宮が今科学的には実現できていないし、そもそも研究的にもかなりまだ発展途上の段階にあります。
一方で、…
この発言のページ