代読します。
確かに、改正案では、中核機関を法的な組織に格上げしていることや意思決定支援に配慮していることなどは評価できます。しかし、問題は、意思決定が適切に行われていることをどのように担保するかです。配慮では不十分なのです。そのためには新たな仕組みが必要になります。この点、二〇二五年三月にまとまった第二期成年後見制度利用促進基本計画に係る中間検証報告書で重要な指摘がありました。その一つが、意思決定支援の確保を目的とした相互牽制機能の確立です。
日弁連の意見書では、この相互牽制機能について次のように説明しています。相互牽制機能では、日常生活自立支援事業における日常的な金銭管理や福祉サービスの提供などを行う生活基盤サービス事業者とは別に、常に本人の側に立ち、本人の意思、意向、選好及び価値観に根差した意思決定を支持する意思決定支持者と、生活基盤サービス事業者を監視、監督しつつ、本人及び意思決定支持者を支援する第三者機関としての権利擁護支援委員会と、同委員会から要請を受けて独立した立場で活動する権利擁護支援専門員がそれぞれ独立した立場から確認、評価し合う仕組みを持ちます。関係各所が相互に活動をチェックすることで、本人の意思決定を支援する枠組みの透明性を確保し、本人の意思決定に対する関係性の濫用や不当な影響力の行使を抑制するのが相互牽制機能です。
簡単に言えば、この国会も含まれる三権分立の仕組みです。言い方を変えると、蛇とカエルとナメクジの三すくみの状態を制度としてつくることになります。
お手元の資料を御覧ください。これは、相互牽制機能のモデルケースになると思われる愛知県豊田市の事例です。
豊田市では、権利擁護支援を必要とする人たちの増加に対応するため、日本財団などの支援により、試験的に地域生活意思決定支援事業を実施していました。意思決定支援に配慮するとはいえ、それを担保する具体的な仕組みが見えない国の取組との最大の違いは、意思決定支援を制度として担保できる仕組みになっていることです。
豊田市では、実際に金銭管理などのサービスを提供する生活基盤サービス事業者と、とよた意思決定フォロワーと呼ばれる意思決定支持者、そして市民後見人や福祉の支援者、弁護士やピアサポートなどの権利擁護支援専門員による合議体の権利擁護支援委員会の三主体がお互いに活動をチェックしたり、必要に応じて他の主体のバックアップをしたりしながら意思決定を支援する仕組みを構築しました。
豊田市は、身寄りを頼ることのできない市民などの権利擁護支援に関する課題は増大、多様化しており、人材、財政など持続可能性の観点から、成年後見制度だけで対応していくことは困難としているほか、成年後見制度以外の新たな支援策の必要性を感じていることからこの事業を実施したそうです。
政府にお聞きします。
中間検証報告書で明示されている相互牽制機能は、今回の法改正には含まれていません。政府は、権利擁護のための相互牽制機能をなぜ法改正に含めなかったのですか。相互牽制機能は、当事者の権利を確実に守るための仕組みとして重要と考えますが、どのように見ていますか。見解をお願いいたします。
121
小川克巳(自民)
天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
この発言のページ
122
天畠大輔(れいわ)
勧告で求められているのは、成年後見制度そのものの廃止です。代読お願いします。
第二期の成年後見制度の利用促進計画は障害者権利条約の理念に沿ったものという御説明がありましたが、実際は勧告に沿ったものになっていないと思うのです。
重ねて大臣にお聞きします。今回の社会福祉法改正案の中で、国連の勧告に応じた改善策になり、障害者権利条約の履行に資するのはどの点でしょうか。大臣の御見解をお願いします。
この発言のページ
123
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
本法案においては、判断能力が不十分な方の権利擁護支援について、市町村が実施に努めなければならない事務を明確化しております。その事務を行う機関として、中核機関を地域権利擁護相談支援センターとして法律上にしっかりと位置付けております。地域における適切な支援体制の構築のために必要な対応を盛り込んでおり、これらは先ほど申し上げた条約の一般原則や、これらは条約の一般原則や適切な意思決定支援を求める国連勧告の趣旨にも沿ったものだと考えております。
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- (上の発言)
124
天畠大輔(れいわ)
代読します。
確かに、改正案では、中核機関を法的な組織に格上げしていることや意思決定支援に配慮していることなどは評価できます。しかし、問題は、意思決定が適切に行われていることをどのように担保するかです。配慮では不十分なのです。そのためには新たな仕組みが必要になります。この点、二〇二五年三月にまとまった第二期成年後見制度利用促進基本計画に係る中間検証報告書で重要な指摘がありました。その一つが、意思決定支援の確保を目的とした相互牽制機能の確立です。
日弁連の意見書では、この相互牽制機能について次のように説明しています。相互牽制機能では、日常生活自立支援事業における日常的な金銭管理や福祉サービスの提供などを行う生活基盤サービス事業者とは別に、常に本人の側に立ち、本人の意思、意向、選好及び価値観に根差した意思決定を支持する意思決定支持者と、生活基盤サービス事業者を監視、監督しつつ、本人及び意思決定支持者を支援する第三者機関としての権利擁護支援委員会と、同委員会から要請を受けて独立した立場で活動する権利擁護支援専門員がそれぞれ独立した立場から確認、評価し合う仕組みを持ちます。関係各所が相互に活動をチェックすることで、本人の意思決定を支援する枠組みの透明性を確保し、本人の意思決定に対する関係性の濫用や不当な影響力の行使を抑制するのが相互牽制機能です。
簡単に言えば、この国会も含まれる三権分立の仕組みです。言い方を変えると、蛇とカエルとナメクジの三すくみの状態を制度としてつくることになります。
お手元の資料を御覧ください。これは、相互牽制機能のモデルケースになると思われる愛知県豊田市の事例です。
豊田市では、権利擁護支援を必要とする人たちの増加に対応するため、日本財団などの支援により、試験的に地域生活意思決定支援事業を実施していました。意思決定支援に配慮するとはいえ、それを担保する具体的な仕組みが見えない国の取組との最大の違いは、意思決定支援を制度として担保できる仕組みになっていることです。
豊田市では、実際に金銭管理などのサービスを提供する生活基盤サービス事業者と、とよた意思決定フォロワーと呼ばれる意思決定支持者、そして市民後見人や福祉の支援者、弁護士やピアサポートなどの権利擁護支援専門員による合議体の権利擁護支援委員会の三主体がお互いに活動をチェックしたり、必要に応じて他の主体のバックアップをしたりしながら意思決定を支援する仕組みを構築しました。
豊田市は、身寄りを頼ることのできない市民などの権利擁護支援に関する課題は増大、多様化しており、人材、財政など持続可能性の観点から、成年後見制度だけで対応していくことは困難としているほか、成年後見制度以外の新たな支援策の必要性を感じていることからこの事業を実施したそうです。
政府にお聞きします。
中間検証報告書で明示されている相互牽制機能は、今回の法改正には含まれていません。政府は、権利擁護のための相互牽制機能をなぜ法改正に含めなかったのですか。相互牽制機能は、当事者の権利を確実に守るための仕組みとして重要と考えますが、どのように見ていますか。見解をお願いいたします。
125鹿鹿沼均厚生労働省社会・援護局長
御指摘の相互牽制機能についてですけれども、成年後見制度利用促進専門家会議の中間検証報告書において、意思決定支援の確保に関連して、本人を支援するチーム支援においては、協働しつつ、相互に牽制し合う相互牽制機能を確立することの必要性を指摘しているものと承知をしております。
厚生労働省においては、令和七年度まで実施した持続可能な権利擁護支援モデル事業において、相互牽制機能を確保するため、生活支援と意思決定支援を行う主体を分けて、日常的金銭管理と意思決定支援を行う取組を市町村において実施してきたところであり、先生から御提出のあった資料についてもその例の一つだとい…
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126
小川克巳(自民)
天畠君が発言の準備をしております。お待ちください。
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127
天畠大輔(れいわ)
困難を理由に先延ばしにすると、権利擁護を必要とする方たちに不利益が生じませんか。
改めて、相互牽制機能の早期の導入について大臣の見解をお伺いします。
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