宮出千慧 (参政党)

2026年6月9日・第221回国会 参議院 厚生労働委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 193 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 244 発言)

先ほどシンガポールのカジノ規制についてお伺いしましたけれども、シンガポール政府は、二〇〇五年の四月にIRの導入を発表しまして、その僅か四か月後の同年八月に国家賭博依存症評議会、NCPGというものを設置をして、国民のギャンブル依存症対策に本格的に乗り出したということでございます。シンガポールでこのカジノを含むIRが実際に開業したのは二〇一〇年のことですから、この対策機関の設置はカジノ開業の実に五年前ということになります。つまり、このカジノ規制をするだけではなくて、そういった依存症に対応するための機関をかなり早めにつくったというわけです。

この二〇〇五年にNCPGを設置をして、二〇〇八年の調査では、ギャンブル依存症の有病率が、二〇〇五年に比べて、この問題あるギャンブラーについては二・一%から一・二%へ、そして病的ギャンブラーについては二・〇%から一・七%へ減少したということでございます。

日本でやはりこのカジノの議論がされていたとき、一部の方、家族の会の方などは、やはりカジノができることはかなりこれ心配をされていたわけですけれども、シンガポールでこのカジノを開業するに当たって、こういう先進的な取組があって、その一環としてこうした対策機関を設置をしたことで依存症が減ったというその実績があったから、同じような取組をしてくれるのであればということで、その方々の中には、やはりカジノの入場規制などだけではなくて、こういった対策機関の設置というものがやはり頭の中にあったと思います。それが、やはり日本ではなかなか進んでいないということで、もどかしく感じておられたというふうに思います。

シンガポールは、ギャンブル産業全体の売上高の詳細は把握できませんけれども、およそ二兆円ぐらいというふうに言われております。日本はといいますと、公営ギャンブルとパチンコ、宝くじで総売上高が二十兆円を超えておりまして、これとは別に違法のオンラインカジノがあって、警察庁の推計では一兆二千億円ということですけれども、これよりもっと多いのではないかと言われております。

もし本気でこの依存症患者を減らすための対策をするならば、令和八年度の公表されている予算が、これアルコール依存症や薬物依存というものも含めてですけれども、約八・六億円というのは余りにも少ないのではないかと思います。

ここで、依存症対策の財源の考え方についてお伺いをいたします。

我が国では、たばこについては、たばこ税が健康被害対策の財源の一部として利用されており、お酒については、アルコール健康障害対策基本法の下で製造販売事業者にはアルコール関連の健康障害を防ぐための責務が明確に定められて、広告や販売促進活動についても一定の規制があります。つまり、この有害性のある商品、サービスを提供する事業者がその社会的コストを応分に負担するという考え方は既に確立されていると言えます。この考え方がIR整備法においても採用されて、カジノ事業者に納付金を課す仕組みは、まさにこの利益を得る者が社会的コストを負担するという原則を制度化したものというふうに理解をしております。

しかし、この同じ依存症リスクをはらんでいるギャンブル業界全体を見たときに、この原則が一貫して適用されているとは言い難い状況ではないかと思います。競馬、競輪、競艇、宝くじなどの公営ギャンブル主催者、パチンコ、パチスロ業界、さらにはコロナ禍以降急速に拡大したオンライン公営ギャンブルの受託事業者に至るまで、この依存症対策への費用拠出を義務付ける仕組みというのはやはり存在はしておりません。

先ほどのお話のとおり、国の令和八年度依存症対策予算は、これ、アルコール、薬物、ギャンブル全て合わせても約八・六億円ですから、一方で、公営ギャンブルやパチンコ含めた日本のギャンブル産業全体の売上高は年間二十兆超えておりますから、この非対称性といいますか、これ本当に看過できないものがあるのではないかというふうに考えます。

そこでお伺いしますが、この公営ギャンブルの主催者、受託事業者、パチンコ、パチスロ業界、オンラインを含む関連事業者に対して依存症対策費の拠出を法的に義務付ける制度設計を検討すべきではないかと考えます。利益を得る者が社会的コストを負担するという原則をこのギャンブル産業に対しても一貫して適用することが持続可能な対策体制を構築する上で不可欠と考えますが、政府の御見解をお聞かせください。

前後のやりとり

189の発言を見る

197の発言を見る