村上進亮東京大学大学院工学系研究科教授

2026年5月26日・第221回国会 参議院 環境委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 14 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 108 発言)

どうもありがとうございます。

リサイクル法制度における前払、後払いの話というのは常に議論の対象になってきたものだというふうに理解をしています。

まず、それぞれのメリット、デメリットみたいな話でございますが、前払のメリットというのは、当然ながら、その排出される方が製品を購入されたり設置されたりするタイミングで既に費用を支払っていますので、廃棄時点で不法投棄であるとか不適正なルートに回す動機付けが下がるという構造かなと思ってございます。家電法の方で問題になっているのは、まさしくそういう話であったりもするというふうな認識です。

ただ、他方で、その前払にも二通りありまして、将来充当方式と言っているのは、前払したもの、例えば、私がパネルを買ったときに払います、そのお金は本当に私のパネルを廃棄するときに使いますというアイデアと、それだと難しいので、今期払ったお金は今期出たものに充てますという、年金みたいな組合せという説明をよくされていると思いますが、二パターンあると思ってございます。

将来に充てるという話になると、特に太陽光パネルですと、三十年先のリサイクル費用をちゃんと推定して取っておかなければいけないというほぼ無理難題を要求されるというのが、多分さっき御紹介いただいた役所の答弁だったのかなと思いますが、というところが一番大きな問題点です。

あと、その三十年とかなんとかの間、そのお金をどこかにためておいて、誰かが責任持って運用するなり抱えておくなりしないといけないという、その運用上のコストがかなり大きいというのが、自動車リサイクル法が抱えている問題でありますけれども、ということが出てまいります。

また、当期充当と申し上げた年金みたいなシステムですと、当然その年に出るものと入るもののバランスとか、将来だと本当はもっと安かったのに、何でこんなたくさん払わなきゃいけないんだろうみたいな話が今年出てきてしまうので、そういう不公平感が強めに出ますというところです。

後払いの方に変えてしまうと、今申し上げたようなデメリットはおおむねなくなるんですが、その代わり、残念ながら、やはり、捨てるときにお金を払いなさいと言われてしまうと、どうしても違うところに出したくなる人が出てきてしまうというのがある問題としてよく言われているところかなと思います。この辺がそれぞれのメリット、デメリットというところかなと思います。

ですので、原理原則論とか理論的に申し上げれば、不適正排出を避けるという意味では前払、将来充当方式というのが、少なくとも捨てる人の不適正なモチベーションを下げるという意味では正しいというのは間違っていないと思いますが、他方で、そのシステムの運用コストであったり将来のコストを把握するというのがほぼ不可能に近い話をしているので、現実的にかなり難しい話をしていると思います。

なので、少なくとも、その法制度として義務化して、行政がきちんと担保してお金を集めて回すという意味では、それは多分難しいかなというふうに思ってございますという意味においては、当期充当の前払なのか後払いなのかという話にならざるを得ないのかなと思っております。

以上です。

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