お答えいたします。
入口規制から出口規制といいますのは、医療関係の情報で私が主張しているところでございますけれども、一般的な問題といたしまして、今回のデータの利用について、デジタル行政推進法の方になりますけれども、少なくとも、AIにせよ、そのほかの目的にせよ、なるべくサンプルが、十分なサンプルで、バイアスのないような形でたくさんのサンプルが使えるようにする、それがデータの持っている価値を引き出す最大の要因ではないかと思っております。
それが、入口でもってデータを出す、出さないとやりますと、そもそもデータが集まりませんので、それはある意味で保護になるのかもしれませんけれども、我々の社会が持っている大きな資源というものの、ある意味でいいますと使い方としていかがなものかということになっております。
ただし、これはケース・バイ・ケースといいますか、いろいろな分野によって情報の在り方、管理の仕方というのが違っているものですから、そこをよく踏まえた上で制度化を進めていくというのが必要ではないかと思います。
今回のデジタル行政推進法も個人情報保護法もそうですけれども、あくまでも一般法です。個人情報保護法の統計の話にもなりますけれども、少なくとも同意なしでも使えるような可能性をベースとして置いたということで、やはりここはどうしても同意が必要だという分野があれば、それについては、そうした形での規制といいましょうか制限を、これは国民の権利義務に関わることですから、できればきちっとした法律の形で制定していくことが重要ではないかと思っておりますし、私の最初の図でお示ししましたように、ヨーロッパの場合には、ああいう基本的な横串法といいましょうか、分野横断的な法制度をきちっとつくった上で、個別分野について特徴あるそれぞれの法律を作っております。
一例を紹介いたしますと、医療情報といいますのはやはりかなり特殊なものだと思います。多くの情報もそうですけれども、医療の場合には、我々は、受診したときに感じることでお分かりになると思いますけれども、たくさん自分自身の体の状態についてのデータがあればあるほど、いい治療が受けられるということになります。
我が国の場合には、それが機微性の高い要配慮保護情報であるので、なるべく使わせないように、見せないように、そういうのが保護、それが権利というふうに考えられていますけれども、ヨーロッパのEHDSを読んだ場合には、むしろ、それよりも、よりよい治療を受けるために自分のデータを使わせる権利、あるいは自分でそのデータを確認する権利、そういうある意味で真逆の方向の位置づけになっているかと思っております。
といいますのは、医療の場合には、自分の治療に使う一次利用と、研究とか開発とか創薬に使います二次利用とございますけれども、一次利用というのは完全に顕名のデータになります。匿名とか仮名化したのでは困るので。私の健康状態、医療、病歴については、過去のものも含めてですけれども、全部私につながってこないと駄目で、ほかの方のデータが入っても困りますし、欠落してもいい治療を受けられないわけです。そういう意味では、顕名の、ある意味ですと非常に危ないデータを扱うのが医療の世界ということになります。
しかし、それをすることによっていい診療を受けることができますし、あるお薬が効いているかとか、この病気にはどういう治療法がいいのか、その知識自体はそういう患者さんの情報を大量に集めて分析することによってその情報が得られるということになります。
そこでは誰かということは必要ではないんですけれども、ある人についての健康情報が全部きちっと集められないとその成果は得られないということになります。そういう意味でいいますと、医療分野に関して言いますと、ちょっと長くなりましたけれども、違う原則というものを当てはめていかないと、多分、GDPRあるいは個人情報保護法そのままではなかなか難しいだろうと思います。
そして、当然のことですけれども、一次利用のデータをそのまま二次利用に使えますし、二次利用で発見された結果を、例えば、あるお薬を使っている人は非常にリスクがあるとか、ある治療法が効果があるというときに、特定された方にその治療法を紹介するとか知らせるというのも、ある意味でいいますと御本人の医療の質を高めることになる。その意味でいいますと、一次利用、二次利用、顕名データと、ある意味で選別不可能にしたデータというものの常にやり取りというものをしなければいけない。
それを外に漏れないような形でどうやっていくのか。そこでヨーロッパはそれなりに工夫をしているところだと思いますし、我が国におきましても、長くなりましたけれども、基本的にはそうした形でのデータが利用できる、今までは入口規制でできなかったのができるようになったというところが今回の制度改正、法改正で、私は評価できるところだと思っております。
二番目の御質問に関しましてもかなり答えてしまったのかなという気もいたしますけれども、よろしいでしょうか。具体的にもう少し。(武藤(か)委員「お話しされて、大丈夫です」と呼ぶ)
97武武藤かず子(みらい)
ありがとうございます。
次に、森参考人にお伺いをいたします。今回の改正で導入される課徴金制度についてでございます。
EU、GDPRでは全世界売上高の最大四%、米国カリフォルニア州、CCPAでは違反一件当たり最大七百五十ドルの消費者への損害賠償が認められております。
日本の今回の課徴金制度、利益剥奪型、また千人を超える大規模な事案が対象であるなど、これらが今回の制度の中身となっておりますけれども、諸外国と比較をして、どのように評価されておられますでしょうか。また、抑制力として実効的に機能させるために最低限必要な要件は何か、御見解をお聞かせください。
この発言のページ
98森森亮二弁護士法人英知法律事務所弁護士
御質問ありがとうございます。
諸外国との比較ということですけれども、諸外国の制裁金と比較した場合に、額が低いということは極めて明白ではないかと思っておりまして、そういう意味では、効力についても当然弱いということになろうと思いますし、効力をしっかりしたものにしていただく、抑止力を持たせて権利利益の侵害を防ぐ、違法行為を防ぐということについては、これはまさに立法的課題として御確認をいただきたいところかと思います。
済みません。もう一つは何でしたっけ。(武藤(か)委員「抑止力を実効的に機能させるためには」と呼ぶ)なるほど、どんなものであるべきかですよね。
…
この発言のページ
99武武藤かず子(みらい)
ありがとうございます。
最後になりますが、森田参考人に二点お伺いをいたします。
森田参考人は、かねてより、入口規制から出口規制という考え方、つまり、データ取得のときの同意の原則を見直して、アクセス管理によって個人を守るという仕組みへの転換を提唱されておられたと認識をしております。今回の改正についてはその方向性への第一歩というふうに言えるとも考えておりますが、この転換をより実効的なものにするために、制度として最優先に整備すべき条件は何とお考えでしょうか。
二点目に関しまして、EUのGDPRでございますが、目的限定原則とデータ最小化原則を中心に据えた設…
この発言のページ
- (上の発言)
100森森田朗東京大学名誉教授/一般社団法人次世代基盤政策研究所代表理事
お答えいたします。
入口規制から出口規制といいますのは、医療関係の情報で私が主張しているところでございますけれども、一般的な問題といたしまして、今回のデータの利用について、デジタル行政推進法の方になりますけれども、少なくとも、AIにせよ、そのほかの目的にせよ、なるべくサンプルが、十分なサンプルで、バイアスのないような形でたくさんのサンプルが使えるようにする、それがデータの持っている価値を引き出す最大の要因ではないかと思っております。
それが、入口でもってデータを出す、出さないとやりますと、そもそもデータが集まりませんので、それはある意味で保護になるのかもしれませんけれども、我々の社会が持っている大きな資源というものの、ある意味でいいますと使い方としていかがなものかということになっております。
ただし、これはケース・バイ・ケースといいますか、いろいろな分野によって情報の在り方、管理の仕方というのが違っているものですから、そこをよく踏まえた上で制度化を進めていくというのが必要ではないかと思います。
今回のデジタル行政推進法も個人情報保護法もそうですけれども、あくまでも一般法です。個人情報保護法の統計の話にもなりますけれども、少なくとも同意なしでも使えるような可能性をベースとして置いたということで、やはりここはどうしても同意が必要だという分野があれば、それについては、そうした形での規制といいましょうか制限を、これは国民の権利義務に関わることですから、できればきちっとした法律の形で制定していくことが重要ではないかと思っておりますし、私の最初の図でお示ししましたように、ヨーロッパの場合には、ああいう基本的な横串法といいましょうか、分野横断的な法制度をきちっとつくった上で、個別分野について特徴あるそれぞれの法律を作っております。
一例を紹介いたしますと、医療情報といいますのはやはりかなり特殊なものだと思います。多くの情報もそうですけれども、医療の場合には、我々は、受診したときに感じることでお分かりになると思いますけれども、たくさん自分自身の体の状態についてのデータがあればあるほど、いい治療が受けられるということになります。
我が国の場合には、それが機微性の高い要配慮保護情報であるので、なるべく使わせないように、見せないように、そういうのが保護、それが権利というふうに考えられていますけれども、ヨーロッパのEHDSを読んだ場合には、むしろ、それよりも、よりよい治療を受けるために自分のデータを使わせる権利、あるいは自分でそのデータを確認する権利、そういうある意味で真逆の方向の位置づけになっているかと思っております。
といいますのは、医療の場合には、自分の治療に使う一次利用と、研究とか開発とか創薬に使います二次利用とございますけれども、一次利用というのは完全に顕名のデータになります。匿名とか仮名化したのでは困るので。私の健康状態、医療、病歴については、過去のものも含めてですけれども、全部私につながってこないと駄目で、ほかの方のデータが入っても困りますし、欠落してもいい治療を受けられないわけです。そういう意味では、顕名の、ある意味ですと非常に危ないデータを扱うのが医療の世界ということになります。
しかし、それをすることによっていい診療を受けることができますし、あるお薬が効いているかとか、この病気にはどういう治療法がいいのか、その知識自体はそういう患者さんの情報を大量に集めて分析することによってその情報が得られるということになります。
そこでは誰かということは必要ではないんですけれども、ある人についての健康情報が全部きちっと集められないとその成果は得られないということになります。そういう意味でいいますと、医療分野に関して言いますと、ちょっと長くなりましたけれども、違う原則というものを当てはめていかないと、多分、GDPRあるいは個人情報保護法そのままではなかなか難しいだろうと思います。
そして、当然のことですけれども、一次利用のデータをそのまま二次利用に使えますし、二次利用で発見された結果を、例えば、あるお薬を使っている人は非常にリスクがあるとか、ある治療法が効果があるというときに、特定された方にその治療法を紹介するとか知らせるというのも、ある意味でいいますと御本人の医療の質を高めることになる。その意味でいいますと、一次利用、二次利用、顕名データと、ある意味で選別不可能にしたデータというものの常にやり取りというものをしなければいけない。
それを外に漏れないような形でどうやっていくのか。そこでヨーロッパはそれなりに工夫をしているところだと思いますし、我が国におきましても、長くなりましたけれども、基本的にはそうした形でのデータが利用できる、今までは入口規制でできなかったのができるようになったというところが今回の制度改正、法改正で、私は評価できるところだと思っております。
二番目の御質問に関しましてもかなり答えてしまったのかなという気もいたしますけれども、よろしいでしょうか。具体的にもう少し。(武藤(か)委員「お話しされて、大丈夫です」と呼ぶ)
101
丹羽秀樹(自民)
お話しいただいて大丈夫だそうです。
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102森森田朗東京大学名誉教授/一般社団法人次世代基盤政策研究所代表理事
済みません、二番目の質問をちょっと失念してしまいまして。
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103武武藤かず子(みらい)
ありがとうございます。
二点目の質問でございます。
EUのGDPRは性質が少し異なるのかなというふうに理解をしております。と申しますのも、目的限定の原則とデータ最小限の原則というところを中心に据えた設計になっていると認識をしております。今回の統計作成等の特例については、これらの原則とどのように整合しているのか、もしお考えがあればお聞かせいただきたいと思っております。
また、GDPRとの調和を図りながら、今後日本社会により適した制度設計をしていく上で、今回の法案の中で特に重要な点というのは何か、是非見解をお聞かせいただければと思います。
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