金村龍那 (日本維新の会)

2026年5月26日・第221回国会 衆議院 本会議 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 54 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 67 発言)

日本維新の会の金村龍那です。

私は、会派を代表し、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案、いわゆる再審法改正案について、内閣総理大臣並びに法務大臣に質問をいたします。(拍手)

我が国の刑事司法は、適正な手続の下で事案の真相を解明し、国民の基本的人権と社会の治安を守るために不断の努力を重ねてまいりました。とりわけ、確定判決に重大な誤りがあった場合に人権救済を図る再審制度は、司法の信頼性を担保する最後のとりでであります。

大正時代に現在の刑事訴訟法の基礎ができて以来、長期にわたり実務の運用に委ねられてきた再審手続について、手続の適正化と迅速化を目指し、今般、政府が歴史的な法改正へと踏み切られたことは、法治国家としての責任を果たす力強い一歩であり、高く評価するものであります。

しかしながら、この法案については、国民の間にも様々な意見があるところであり、幅広く国民の理解を得るためにも、与党の立場から、本法律案の具体的な規定と運用の在り方について、政府の明確な説明を求めるものです。

まず、再審開始決定に対する検察官の不服申立て、すなわち抗告の制限について伺います。

本法案においては、審理の迅速化を図る観点から、裁判所が下した再審開始決定に対する不服申立てを原則として禁止する画期的な規定が盛り込まれました。

その一方で、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限り、例外的に検察官が不服申立てをすることができることとされています。ここで言う、十分な根拠がある場合とは、具体的にどのような場合を想定しているのでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。

さらに、十分な根拠があるか否かを一義的に判断するのは検察官自身です。検察官は、これまでの実務においても、十分な根拠があると判断したからこそ、再審開始決定に対して不服申立てを行ってきたはずであり、今回の改正を経てもなお、検察官の再審開始決定に対する不服申立ての在り方は何も変わらないのではないかとの指摘も見受けられます。こうした指摘に対してどのように考えるか、法務大臣の所見を伺います。

本改正案には、再審開始決定に対する不服申立てがあった場合、事件が受理された日から一年以内にその係属する裁判所の決定がなされるように努めなければならないことが附則の第五条に明記をされました。この附則第五条の目的と期待される効果について、法務大臣の答弁を求めます。

再審手続が長期化する中で、請求中に請求人が亡くなってしまう事例も起きています。

昭和二十四年の三鷹事件では、無実を訴えていた被告本人の死亡で請求審が終了し、亡父の遺志を継いだ長男による第三次請求審も高齢となった長男の死去で終了し、今年、孫が請求人となって、第四次再審請求が行われています。再審請求に時間がかかることによって、請求人にとっては寿命の壁も立ちはだかることになります。

本改正案では、こうした請求人死亡の場合、どのように対処することになるのか、法務大臣の見解を求めます。

次に、審理の透明性と公平性を高めるための証拠開示について伺います。

本法案では、審理の適正化を確実なものとするため、裁判所が再審請求者や弁護人の請求を受けて検察官に証拠の提出を命じる証拠提出命令制度を新設することとしております。これは大きな前進であると評価できます。

他方で、この新たな命令制度が設けられることによって、かえって、これまで裁判所の広範な裁量や三者協議等を通じて、実務上、柔軟に開示されていた証拠が開示されなくなるのではないかといった懸念も示されています。

本法律案による改正後も、例えば、袴田事件における五点の衣類のカラー写真や、福井女子中学生殺人事件における音楽番組に関する捜査報告書のような、再審開始に極めて重要な役割を果たした証拠は確実に開示される仕組みとなっているのか、法務大臣の見解を求めます。

次に、検察官が保管する証拠を把握するための証拠の一覧表について伺います。

本法案においては、裁判所が検察官に対して証拠の一覧表を裁判所に提示するよう命じることもできることとされました。しかし、再審請求者や弁護人に対する証拠の一覧表の開示、交付制度は設けられておりません。

再審請求者や弁護人は、検察官がどのような証拠を保管しているのかが分からないので、的確に証拠の提出命令を請求することができるように、検察官が保管する全ての証拠を記載した一覧表を再審請求者や弁護人に開示、交付するべきとの指摘があります。こうした指摘に対してどのように考えるのか、法務大臣の所見を伺います。

次に、開示された証拠の管理と報道の自由との関係について伺います。

本法案においては、罰則つきで証拠の目的外使用を禁止することとしています。この規定に対しては、冤罪の社会的救済や国民の知る権利の観点から、マスコミの報道等に支障を生じさせるものであり、罰則まで設けることは過剰な規制であるといった批判や指摘もなされています。

再審請求審で検察官が裁判所に提出した証拠の複製等を弁護人等がマスコミ等に提供する行為は、全て処罰の対象となるのでしょうか。罰則が必要となる理由とともに、罰則の適用範囲について、法務大臣の明確な見解を求めます。

最後に、本法案が成立し、施行されることにより、今後は、袴田事件や福井女子中学生殺人事件のように、再審の開始から最終的な無罪判決が確定するまでに、人生のほとんどを費やすような、不当に長期間を要する事態を確実に防止することができるようになるのか、内閣総理大臣の決意をお答えください。

昭和五十年五月、最高裁は、再審開始のためには確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生ぜしめば足りるという意味において、疑わしいときは被告人の利益にという刑事裁判における鉄則が適用されるものと解すべきであるとの判断、いわゆる白鳥決定を示しました。それから半世紀がたった今も、この決定は極めて重要な意義を有しています。

本法案が、適正な手続の下で速やかに無実の罪を晴らし、司法への信頼を揺るぎないものとするための真の改革となるよう、政府の真摯かつ明快な答弁を強く期待し、私の代表質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕

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