中道改革連合・無所属の平林晃です。
会派を代表して、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案、いわゆる再審法改正案の閣法並びに衆法第九号の両案について質問をいたします。(拍手)
冒頭、一言申し上げます。
党首討論でも、昨日の会見でも、高市総理は、ナフサの総量は足りている、目詰まりの解消に政府を挙げて取り組むとおっしゃいました。しかし、世論調査では、政府の説明に納得できないが六割を超え、現場には深刻な不安が渦巻いています。業界ごとに必要な成分のナフサが本当に届いているのか、調達価格の高騰はいつ落ち着くのか、中小零細企業の資金繰りはもつのか等々です。私がお会いしたマンション修繕事業者はこれまで経験ない事態だと語り、塗装事業者もコロナ禍以上だとおっしゃっていました。
どうか総理、モグラたたきや売名行為といって現場を抑制したり牽制したりするのではなく、苦しむ国民に寄り添った経済対策を策定いただきたい。中道、立憲、公明三党が合同でまとめた、一万二千件もの声に基づく提言も取り入れていただきながら、政府を挙げて、打てる手を打って、打って、打ちまくっていただきたい。
我々も、今まで以上に現場の声を丁寧に伺い、それらをまとめ、実効性ある手だてを提案してまいります。このことを強く申し上げ、本題に入ります。
近年、刑事司法に対する国民からの信頼が大きく揺らいでおります。いわゆる袴田さんの事件や福井女子中学生殺人事件では捜査機関による証拠隠しが指摘され、また、プレサンス事件や大川原化工機事件においては、捜査機関の過度な取調べをめぐり、いわゆる人質司法の問題も指摘されるとともに、佐賀県警科捜研職員によるDNA鑑定の不正をめぐっては、科学捜査の根幹を揺るがす極めて深刻な事態を招いております。
このような状況にあるからこそ、再審法の見直しに当たっては、国民の重大な不信を払拭するために、高市総理の強いリーダーシップが求められています。
しかし、今回の政府案提出の経緯をめぐっては、総理のリーダーシップが示されたように私には見えませんでした。自民党内での議論は三月から開始されましたが、紛糾し、政府自らが設定した法律案の提出期限である四月十日に提出できず、一か月以上遅れた五月十五日の提出となりました。この間の自民党の関係の皆様の御奮闘には心からの敬意を申し述べます。その一方、総理出席の重要広範議案としては異例の展開です。この要因に関して、一部報道では、本法律案が高市印ではないからだとも言われています。
そこで、総理に伺います。刑事司法全般に対して国民の信頼を揺るがす事態となっている現状をどのように捉えておられるのでしょうか。その上で、この度の再審法の改正にどのような御決意を持って取り組んでおられるのでしょうか。御見解を伺います。
本年二月の衆議院本会議で行われた施政方針演説で、高市総理は、速やかな救済と法的安定性とおっしゃいました。確かに、速やかな救済は重要です。袴田さんは、逮捕されてから再審無罪判決の確定まで半世紀を超える約五十八年という年月を要し、福井事件についても約三十八年がかかりました。人生の大半が失われている事態に、高市総理も思いを深くしておられるのではないでしょうか。先ほどの法務大臣の閣法提案理由においても、従来の再審制度やその運用に大きな反省を迫るものとの認識が示されました。
そこで、総理に伺います。この度の再審法改正の必要性を総理はどのように感じておられるのでしょうか。また、法務大臣が示された反省を迫るものとの認識について、総理はどのようにお考えになっていますでしょうか。御自身の言葉で御答弁をお願いいたします。
一方で、総理がおっしゃられる法的安定性とはどのようなものなのでしょうか。我々国民にとって重要なことは、第一に誤審が起きないようにすることですが、不幸にも起きてしまったのであれば、確実に正すことのできる制度を確立することです。
そもそも、近代刑事司法は、疑わしきは被告人の利益にの原則を基礎として発展してきたと理解しています。その原則を確定判決後にも担保する極めて重要な仕組みが再審制度です。
そこで、総理に伺います。冤罪救済という再審制度本来の役割を踏まえれば、法的安定性よりも、正すべくは正す、そのための環境整備こそ重要なのではないでしょうか。御見解を伺います。
議法提出者に伺います。冤罪は、有罪とされた方や家族の人生を大きく狂わせ、命すら奪いかねない、国家の重大な人権侵害です。再発防止と迅速な救済のため、被害者の声に寄り添う法改正を行うことは国会議員の使命と考えます。
そこで、伺います。政府案が提出される中で、前回国会で衆院解散に伴い廃案となった議員立法をあえて再提出をした提出者の認識と思いをお聞かせください。
以上、総論的にお尋ねした上で、各論に入ります。再審法改正をめぐるいわゆる五大論点のうち、検察官の不服申立ての禁止、証拠開示の範囲、証拠の目的外使用の禁止、スクリーニング規定の四点についてお伺いいたします。裁判官の除斥は委員会審議に委ねます。
まず、検察官の不服申立ての禁止について伺います。
検察官の不服申立ては、裁判所によって再審開始が決定されたことに対して行われます。袴田さんの事件では、二〇一四年三月に再審開始が決定されたものの、検察官により不服が申し立てられ、その審議の後、再審開始が最終的に確定したのは二〇二三年三月のことです。実に九年かかっております。福井事件では、第一次再審請求審の再審開始が二〇一一年十一月に決定されたものの、上級審で一旦退けられ、第二次再審請求審にて再審開始が確定したのが二〇二四年十月です。こちらは約十三年を要しました。検察官による不服申立てが再審の審理を長期化させているのは明らかです。
そこで、伺います。冤罪被害者を速やかに救済するためには、検察官による不服申立てを例外なく禁止する必要があるのではないでしょうか。政府及び議員立法提出者の見解を伺います。
また、政府案では、検察官の不服申立てを原則禁止することとし、例外として、十分な根拠がある場合に不服申立てできることとされています。しかし、検察官は、現行法においても十分な根拠があればこそ、不服申立てをしてきたのではないのでしょうか。そうであるならば、政府案はこれまでの検察官の不服申立ての現状を追認するものでしかありません。
そこで、政府に伺います。仮に閣法が成立したとしても、今述べた理由によって、検察官抗告の運用はこれまでと変わらないのではないでしょうか。御見解を伺います。
次に、証拠開示の範囲について伺います。
袴田さんの事件や福井事件では、再審請求審で検察官から開示された証拠が無罪判決を導く決め手となりました。そのため、今回の再審法改正においては、通常審で検察官が開示してこなかった未提出証拠が広く開示される制度となるか否かが鍵となります。政府案では、開示される証拠が再審請求理由に関連すると認められる証拠に限るとされており、これでは冤罪被害者の救済につながらないのではないかと危惧します。
そこで、伺います。今回の改正案で開示される証拠の範囲及び裁判所の職権による証拠開示制度の在り方について、政府及び議員立法提出者の見解を伺います。
関連して、議法では、証拠のほかに送致書類等目録も開示命令の対象としておられます。この目録は、警察から検察に事件が送致されるときに作成、送付される証拠物、書類のリストです。再審請求理由を適切に構成するためには、証拠の全体像を把握することが重要であり、そのために証拠リストの開示が重要であるということは、これまでも様々議論されてきたところです。
そこで、議員立法提出者に伺います。今回の法律案の提出に当たり、当該目録を開示命令の対象としているのは、いかなる考えに基づくのでしょうか。
一方で、閣法では当該目録の開示を認めておりません。これはいかなる理由によるのか、政府に伺います。
過去の再審事件では、検察がないと言った証拠が事後にたまたま発見されたり、福井事件では、検察が証言の信用性を疑わせる事実を把握しながらもそれを明らかにしないなど、意図的な証拠隠しと言われても仕方ない事態が生じております。この点、裁判所からも、不利益な事実を隠そうとする不公正な意図があったことを推認されても仕方がないと指摘されています。
そこで、伺います。このような証拠隠しを防ぐために、それぞれの法案ではどのような措置を講じることとされているのか、政府及び議員立法提出者に伺います。
続いて、証拠の目的外使用の禁止について伺います。
政府案では、開示された証拠の複製等の目的外使用を罰則をもって禁止することとしています。確かに、同様の規定は通常審においても存在します。しかし、通常審が原則公開であるのに対して、再審請求審は非公開で行われます。
袴田さんの事件では、開示証拠を支援者や専門家と共有し検証を重ねたことが再審無罪へとつながりました。こうした証拠の共有が禁止されれば、冤罪被害者の救済は遠のきかねません。
日本新聞協会も、本年一月十六日、この禁止規定について、取材、報道の実質的な制限につながり、国民の知る権利に奉仕する報道機関の役割を十分に果たせなくなると強い懸念を表明をしています。
そこで、政府に伺います。証拠の目的外使用の禁止は、結果として冤罪被害者の救済を遅らせ、国民の知る権利を侵害することとならないでしょうか。答弁を求めます。
四点目として、スクリーニング規定について伺います。
当該規定の創設は、冤罪被害者の迅速な救済どころか、再審請求の迅速な棄却をしてしまい、真に救済が必要な冤罪被害者をも門前払いすることとなりかねません。政府の見解を伺います。
以上、再審法改正二案について伺ってまいりましたが、最後に、立法府は行政府から提出された法案を認めるだけの機関ではありません。良識ある議員の皆様と徹底的に議論を闘わせ、国民に真に寄り添った改正を成し遂げてまいりたい、このことを強く申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
46
高市早苗(自民)内閣総理大臣
谷川とむ議員の御質問にお答えいたします。
本法律案の成立に向けた意気込みについてお尋ねがございました。
再審制度の見直しについては、私自身、自民党の総裁選でも公約とし、強い思いを持って取り組んでまいりました。
本法律案は、誤判からの確実な救済と手続の円滑、迅速化を図るものであり、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するようにするため、大変重要な意義を有するものでございます。
十分に御審議をいただき、是非とも速やかに成立をさせていただけるよう、政府として、丁寧に説明を尽くしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍…
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47
平口洋(自民)法務大臣
谷川とむ議員にお答え申し上げます。
まず、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを原則として禁止する趣旨についてお尋ねがありました。
近時、再審開始決定に対する検察官の不服申立てについて、機械的、形式的に行われており、再審手続の長期化の原因となっているといった指摘がされています。
もっとも、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止することは、三審制の下で確定した有罪判決について、一回限りの判断で常にやり直すこととなり、裁判の紛争解決機能が損なわれる、あるいは、裁判所による慎重、適正な判断の制度的担保が失われるなどの課題があり、相当でない…
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48
森英介議長
平林晃君。
〔平林晃君登壇〕
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- (上の発言)
49平平林晃(中道)
中道改革連合・無所属の平林晃です。
会派を代表して、ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案、いわゆる再審法改正案の閣法並びに衆法第九号の両案について質問をいたします。(拍手)
冒頭、一言申し上げます。
党首討論でも、昨日の会見でも、高市総理は、ナフサの総量は足りている、目詰まりの解消に政府を挙げて取り組むとおっしゃいました。しかし、世論調査では、政府の説明に納得できないが六割を超え、現場には深刻な不安が渦巻いています。業界ごとに必要な成分のナフサが本当に届いているのか、調達価格の高騰はいつ落ち着くのか、中小零細企業の資金繰りはもつのか等々です。私がお会いしたマンション修繕事業者はこれまで経験ない事態だと語り、塗装事業者もコロナ禍以上だとおっしゃっていました。
どうか総理、モグラたたきや売名行為といって現場を抑制したり牽制したりするのではなく、苦しむ国民に寄り添った経済対策を策定いただきたい。中道、立憲、公明三党が合同でまとめた、一万二千件もの声に基づく提言も取り入れていただきながら、政府を挙げて、打てる手を打って、打って、打ちまくっていただきたい。
我々も、今まで以上に現場の声を丁寧に伺い、それらをまとめ、実効性ある手だてを提案してまいります。このことを強く申し上げ、本題に入ります。
近年、刑事司法に対する国民からの信頼が大きく揺らいでおります。いわゆる袴田さんの事件や福井女子中学生殺人事件では捜査機関による証拠隠しが指摘され、また、プレサンス事件や大川原化工機事件においては、捜査機関の過度な取調べをめぐり、いわゆる人質司法の問題も指摘されるとともに、佐賀県警科捜研職員によるDNA鑑定の不正をめぐっては、科学捜査の根幹を揺るがす極めて深刻な事態を招いております。
このような状況にあるからこそ、再審法の見直しに当たっては、国民の重大な不信を払拭するために、高市総理の強いリーダーシップが求められています。
しかし、今回の政府案提出の経緯をめぐっては、総理のリーダーシップが示されたように私には見えませんでした。自民党内での議論は三月から開始されましたが、紛糾し、政府自らが設定した法律案の提出期限である四月十日に提出できず、一か月以上遅れた五月十五日の提出となりました。この間の自民党の関係の皆様の御奮闘には心からの敬意を申し述べます。その一方、総理出席の重要広範議案としては異例の展開です。この要因に関して、一部報道では、本法律案が高市印ではないからだとも言われています。
そこで、総理に伺います。刑事司法全般に対して国民の信頼を揺るがす事態となっている現状をどのように捉えておられるのでしょうか。その上で、この度の再審法の改正にどのような御決意を持って取り組んでおられるのでしょうか。御見解を伺います。
本年二月の衆議院本会議で行われた施政方針演説で、高市総理は、速やかな救済と法的安定性とおっしゃいました。確かに、速やかな救済は重要です。袴田さんは、逮捕されてから再審無罪判決の確定まで半世紀を超える約五十八年という年月を要し、福井事件についても約三十八年がかかりました。人生の大半が失われている事態に、高市総理も思いを深くしておられるのではないでしょうか。先ほどの法務大臣の閣法提案理由においても、従来の再審制度やその運用に大きな反省を迫るものとの認識が示されました。
そこで、総理に伺います。この度の再審法改正の必要性を総理はどのように感じておられるのでしょうか。また、法務大臣が示された反省を迫るものとの認識について、総理はどのようにお考えになっていますでしょうか。御自身の言葉で御答弁をお願いいたします。
一方で、総理がおっしゃられる法的安定性とはどのようなものなのでしょうか。我々国民にとって重要なことは、第一に誤審が起きないようにすることですが、不幸にも起きてしまったのであれば、確実に正すことのできる制度を確立することです。
そもそも、近代刑事司法は、疑わしきは被告人の利益にの原則を基礎として発展してきたと理解しています。その原則を確定判決後にも担保する極めて重要な仕組みが再審制度です。
そこで、総理に伺います。冤罪救済という再審制度本来の役割を踏まえれば、法的安定性よりも、正すべくは正す、そのための環境整備こそ重要なのではないでしょうか。御見解を伺います。
議法提出者に伺います。冤罪は、有罪とされた方や家族の人生を大きく狂わせ、命すら奪いかねない、国家の重大な人権侵害です。再発防止と迅速な救済のため、被害者の声に寄り添う法改正を行うことは国会議員の使命と考えます。
そこで、伺います。政府案が提出される中で、前回国会で衆院解散に伴い廃案となった議員立法をあえて再提出をした提出者の認識と思いをお聞かせください。
以上、総論的にお尋ねした上で、各論に入ります。再審法改正をめぐるいわゆる五大論点のうち、検察官の不服申立ての禁止、証拠開示の範囲、証拠の目的外使用の禁止、スクリーニング規定の四点についてお伺いいたします。裁判官の除斥は委員会審議に委ねます。
まず、検察官の不服申立ての禁止について伺います。
検察官の不服申立ては、裁判所によって再審開始が決定されたことに対して行われます。袴田さんの事件では、二〇一四年三月に再審開始が決定されたものの、検察官により不服が申し立てられ、その審議の後、再審開始が最終的に確定したのは二〇二三年三月のことです。実に九年かかっております。福井事件では、第一次再審請求審の再審開始が二〇一一年十一月に決定されたものの、上級審で一旦退けられ、第二次再審請求審にて再審開始が確定したのが二〇二四年十月です。こちらは約十三年を要しました。検察官による不服申立てが再審の審理を長期化させているのは明らかです。
そこで、伺います。冤罪被害者を速やかに救済するためには、検察官による不服申立てを例外なく禁止する必要があるのではないでしょうか。政府及び議員立法提出者の見解を伺います。
また、政府案では、検察官の不服申立てを原則禁止することとし、例外として、十分な根拠がある場合に不服申立てできることとされています。しかし、検察官は、現行法においても十分な根拠があればこそ、不服申立てをしてきたのではないのでしょうか。そうであるならば、政府案はこれまでの検察官の不服申立ての現状を追認するものでしかありません。
そこで、政府に伺います。仮に閣法が成立したとしても、今述べた理由によって、検察官抗告の運用はこれまでと変わらないのではないでしょうか。御見解を伺います。
次に、証拠開示の範囲について伺います。
袴田さんの事件や福井事件では、再審請求審で検察官から開示された証拠が無罪判決を導く決め手となりました。そのため、今回の再審法改正においては、通常審で検察官が開示してこなかった未提出証拠が広く開示される制度となるか否かが鍵となります。政府案では、開示される証拠が再審請求理由に関連すると認められる証拠に限るとされており、これでは冤罪被害者の救済につながらないのではないかと危惧します。
そこで、伺います。今回の改正案で開示される証拠の範囲及び裁判所の職権による証拠開示制度の在り方について、政府及び議員立法提出者の見解を伺います。
関連して、議法では、証拠のほかに送致書類等目録も開示命令の対象としておられます。この目録は、警察から検察に事件が送致されるときに作成、送付される証拠物、書類のリストです。再審請求理由を適切に構成するためには、証拠の全体像を把握することが重要であり、そのために証拠リストの開示が重要であるということは、これまでも様々議論されてきたところです。
そこで、議員立法提出者に伺います。今回の法律案の提出に当たり、当該目録を開示命令の対象としているのは、いかなる考えに基づくのでしょうか。
一方で、閣法では当該目録の開示を認めておりません。これはいかなる理由によるのか、政府に伺います。
過去の再審事件では、検察がないと言った証拠が事後にたまたま発見されたり、福井事件では、検察が証言の信用性を疑わせる事実を把握しながらもそれを明らかにしないなど、意図的な証拠隠しと言われても仕方ない事態が生じております。この点、裁判所からも、不利益な事実を隠そうとする不公正な意図があったことを推認されても仕方がないと指摘されています。
そこで、伺います。このような証拠隠しを防ぐために、それぞれの法案ではどのような措置を講じることとされているのか、政府及び議員立法提出者に伺います。
続いて、証拠の目的外使用の禁止について伺います。
政府案では、開示された証拠の複製等の目的外使用を罰則をもって禁止することとしています。確かに、同様の規定は通常審においても存在します。しかし、通常審が原則公開であるのに対して、再審請求審は非公開で行われます。
袴田さんの事件では、開示証拠を支援者や専門家と共有し検証を重ねたことが再審無罪へとつながりました。こうした証拠の共有が禁止されれば、冤罪被害者の救済は遠のきかねません。
日本新聞協会も、本年一月十六日、この禁止規定について、取材、報道の実質的な制限につながり、国民の知る権利に奉仕する報道機関の役割を十分に果たせなくなると強い懸念を表明をしています。
そこで、政府に伺います。証拠の目的外使用の禁止は、結果として冤罪被害者の救済を遅らせ、国民の知る権利を侵害することとならないでしょうか。答弁を求めます。
四点目として、スクリーニング規定について伺います。
当該規定の創設は、冤罪被害者の迅速な救済どころか、再審請求の迅速な棄却をしてしまい、真に救済が必要な冤罪被害者をも門前払いすることとなりかねません。政府の見解を伺います。
以上、再審法改正二案について伺ってまいりましたが、最後に、立法府は行政府から提出された法案を認めるだけの機関ではありません。良識ある議員の皆様と徹底的に議論を闘わせ、国民に真に寄り添った改正を成し遂げてまいりたい、このことを強く申し上げ、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇〕
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高市早苗(自民)内閣総理大臣
平林晃議員の御質問にお答えいたします。
刑事司法に対する現状認識と再審制度の改正に向けた決意についてお尋ねがございました。
近時、一部の事件において、捜査機関の活動が適正に行われていないのではないかといった厳しい指摘がなされていることは承知しております。
捜査機関の不適正な活動は、刑事司法に対する国民の皆様の信頼を揺るがすものでございますので、あってはならないことであります。
再審制度の見直しにつきましては、私自身、非常に強い思いを持って取り組んでまいりました。
本法律案は、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するようなものにするために、…
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平口洋(自民)法務大臣
平林晃議員にお答え申し上げます。
まず、再審開始決定に対する検察官の不服申立てについてお尋ねがありました。
御指摘のように再審開始決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止することは、三審制の下で確定した有罪判決について、一回限りの判断で常にやり直すこととなり、裁判の紛争解決機能が損なわれるなどの問題があり、相当でないと考えています。
これを踏まえ、本法律案においては、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを原則として禁止し、当該決定が取り消されるべきものと認めるに足りる十分な根拠がある場合に限って不服申立てをすることができることとしています。
…
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西村智奈美(中道)
平林晃議員の御質問にお答えします。
まず、議員立法の再提出に至った認識と思いについてお尋ねがありました。
令和五年三月に袴田事件の再審開始が決定されたことを受け、冤罪被害者の適切かつ迅速な救済が急務であるとの思いから、超党派による、えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟が設立され、その場において、関係者からのヒアリングや議員間での真摯な議論を積み重ね、再審開始決定に対する検察官の不服申立てを全面的に禁止し、再審請求審における証拠開示を幅広く認める内容の法律案を策定しました。
その法律案は、議員連盟の主要メンバーが所属する自民党におい…
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