まず、これは過去の個別事案ではなくて立法事実そのものですから、実は答えるべきなんですよ。
なぜなら、昭和三十七年、昭和の巌窟王、吉田石松、この人も福井の人ですけれども、冤罪事件をきっかけに法務委員会で再審法改正が議論され、その参考人の松尾浩也先生が、四百五十条から四百四十八条一項を削除すれば足る、まさしく今回の改正ですよね、と述べられてから、一度も再審法改正は実現しなかった。四死刑囚が無罪になった一九七〇年から一九八〇年代においても改正されなかった。
今回、改正が政府から提案されたのは、袴田、福井事件が再審無罪になったからです。この二つの事件がなければ改正案が政府から提案されることはなかったので、これはもう立法事実そのものですから、過去の個別事件ということで当てはめをしないということは、私は許されないと思いますよ。
抗告の原則禁止、これは肝ですから、検察官抗告をやめれば速やかに再審公判に移行して、無実になるべき人は早期に救済される、袴田さんの九年、前川さんの十三年は無駄にならずに済んだ、これを肝に銘じて運用してもらいたいと思います。
証拠開示についてお伺いします。
証拠開示については、平成二十八年以降、刑訴法三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表は通常審でも出ている。だから、平成二十八年以降の事件の再審でも基本出ています。だとすると、なぜそれ以前の再審事件で三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表を提出しないのか、私の疑問はここに尽きるわけです。
職権主義だから、当事者主義を前提とした証拠の一覧表を出すのは手続法としての整合性がないという答弁は、先日國重委員が指摘したように、論理的必然性ではないんです。そもそも、現行の再審法は大正時代に作られた規定ですから、証拠は全て裁判所が持っていた、一覧表は必要ない時代の規定ですよ。
その前提として、証拠は誰のものかということなんです。これはやはり、有罪を立証するためでなくて、真実発見のためのもの、国民のためのものだと思います。
まず、本改正によって証拠開示が狭まってはならない、これは立法の趣旨、立法の事実からも当然です。現状認められている証拠開示の実務は今後も認められるということですけれども、今回の法改正で証拠開示は今よりどう広がるのか、局長にお伺いします。
24佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
本法律案による改正後の刑事訴訟法第四百五十条の二第一項、二項の十分な根拠の有無につきましては不服申立てをする時点で検察官が判断するものであるのに対して、不服申立てに理由があるか否か、これは刑訴法の四百二十六条でございますが、これは抗告裁判所が、抗告審における事実の取調べの結果等も踏まえ、審理を終えた時点で判断するものでございます。
このように、不服申立ての理由の有無と十分な根拠の有無については、その判断の主体、時点、基礎となる資料が異なるため、抗告裁判所が不服申立てに理由がないとして棄却したということが、すなわち論理的に、直ちに、…
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稲田朋美(自民)
今日は最後の確認なので、端的に答えてもらいたいと思います。
もしこの法律が当時存在したら、福井事件では抗告できなかった、これは自民党の最終部会で刑事局長が答弁された、だから私は法案を了としたんです。前回質疑でも確認しております。
では、袴田事件において、静岡地裁の平成二十六年の再審開始決定に対する抗告は、この法律が当時存在したらできませんでしたね。
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26佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
本法律案の下で再審開始決定がなされた場合に検察官が当該決定に対して不服申立てをするか否かは、検察官において個別の事案ごとに具体的な証拠関係等を踏まえて判断すべき事柄でございまして、過去の個別の再審事件に当てはめて一概にお答えすることは困難であります。
また、いわゆる袴田事件につきましては、現在、国家賠償請求訴訟が係属中であることからも、法務当局としてお答えすることが困難であることについてどうか御理解いただきたいと思います。
その上で、一般論として申し上げれば、被告人と犯人との結びつきが主要な争点とされた事件の確定判決について、再…
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- (上の発言)
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稲田朋美(自民)
まず、これは過去の個別事案ではなくて立法事実そのものですから、実は答えるべきなんですよ。
なぜなら、昭和三十七年、昭和の巌窟王、吉田石松、この人も福井の人ですけれども、冤罪事件をきっかけに法務委員会で再審法改正が議論され、その参考人の松尾浩也先生が、四百五十条から四百四十八条一項を削除すれば足る、まさしく今回の改正ですよね、と述べられてから、一度も再審法改正は実現しなかった。四死刑囚が無罪になった一九七〇年から一九八〇年代においても改正されなかった。
今回、改正が政府から提案されたのは、袴田、福井事件が再審無罪になったからです。この二つの事件がなければ改正案が政府から提案されることはなかったので、これはもう立法事実そのものですから、過去の個別事件ということで当てはめをしないということは、私は許されないと思いますよ。
抗告の原則禁止、これは肝ですから、検察官抗告をやめれば速やかに再審公判に移行して、無実になるべき人は早期に救済される、袴田さんの九年、前川さんの十三年は無駄にならずに済んだ、これを肝に銘じて運用してもらいたいと思います。
証拠開示についてお伺いします。
証拠開示については、平成二十八年以降、刑訴法三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表は通常審でも出ている。だから、平成二十八年以降の事件の再審でも基本出ています。だとすると、なぜそれ以前の再審事件で三百十六条の十四、二項の検察官手持ち証拠の一覧表を提出しないのか、私の疑問はここに尽きるわけです。
職権主義だから、当事者主義を前提とした証拠の一覧表を出すのは手続法としての整合性がないという答弁は、先日國重委員が指摘したように、論理的必然性ではないんです。そもそも、現行の再審法は大正時代に作られた規定ですから、証拠は全て裁判所が持っていた、一覧表は必要ない時代の規定ですよ。
その前提として、証拠は誰のものかということなんです。これはやはり、有罪を立証するためでなくて、真実発見のためのもの、国民のためのものだと思います。
まず、本改正によって証拠開示が狭まってはならない、これは立法の趣旨、立法の事実からも当然です。現状認められている証拠開示の実務は今後も認められるということですけれども、今回の法改正で証拠開示は今よりどう広がるのか、局長にお伺いします。
28佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
本法律案における証拠の提出命令制度は、裁判所による勧告や検察官による任意の提出、開示といった従来の実務運用を前提に、これに加えて導入するものでございます。従来の実務運用につきましては明文規定がなく、その要件、効果は明らかでなかったところ、今回の証拠の提出命令制度は、明確な法的ルールの下で、裁判所に対して検察官に証拠提出を命ずる義務を課し、命令を受けた検察官に証拠提出の義務を課すものでございます。
そのため、従来であれば、証拠の提出を勧告するか否かについて裁判所によって判断がまちまちとなっていたり、証拠を提出するか否かをめぐって検察…
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稲田朋美(自民)
福井事件の第一次請求審で再審事由と直接関係のない捜査報告書を出さなかったことについて、自民党の法務部会に提出された法務省の検証では、現在の視点から見れば消極的というのみなんですよ。これはおかしいですよ。現在の視点じゃないんです。当時、既に平成十六年の改正の後なんです。
そして、もっと本質的なことは、検察官の訴訟活動は、裁判所から、公益の代表者としてあるまじきと厳しく批判されている。つまり、真実に反することを知りながら是正せずに訴訟活動することを不公正として断じた。つまりこれは、検察官としてやってはいけないこと、検察官による証拠隠滅だったわけです。
し…
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30佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
お尋ねは、裁判所が個別の事案ごとに具体的な事実関係、証拠関係等を踏まえて判断すべき事柄でありますので、一概にお答えすることは困難でございますが、一般論として申し上げれば、新証拠によって確定判決を支える旧証拠の証明力が減殺されたような場合には、他の旧証拠の証明力に関する証拠も、再審請求理由に関連する証拠として証拠の提出命令の対象となり得ると考えられるところでございます。
したがいまして、例えば、被告人と犯人との結びつきが問題となった殺人事件であって、目撃者の証言の信用性が肯定されて、被告人の犯人性が認められたという確定判決がある場合…
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