井戸まさえ (国民民主党)

2026年6月10日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 123 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 198 発言)

しかしながら、やはりこれは、本当に巨大なそうした司法組織に対して闘っていくという意味では、全く、例えば本人訴訟でそれができるかといったら、できないわけですよね、事実上は。なので、やはりそこは、冤罪の人たちがその中に含まれている、そして、当然ですけれども、自分は冤罪だという方たちに対してアシストしていくというのは、それは責務だと思います。なので、引き続きこのところは検討を続けていただきたいというふうにお願いをいたします。

昨日、村山参考人が、一九七〇年代、八〇年代、冤罪がいろいろあって、そして、支援活動も含めて歴史があって今があるというようなお話をなさっていました。そして、あの頃にこういった再審法が改正されていたならば、今、違った状況になっているのではないかと。前回の質問で私もそう言ったんですけれども、同じ思いをいたしております。

そうした中で、先日の質疑でも触れた佐々木静子元参議院議員が弁護を務めた事件について触れたいと思います。八海事件について触れたいと思います。

八海事件というのは、一九五一年に、山口県の田布施町といえば岸総理だとか佐藤総理の御地元なんですけれども、そこで発生した強盗殺人事件です。今回、この度の再審法の改正で注目されて、近年テレビで特集が組まれたりなどしていたので、見ていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。余りの悲惨な現場で、単独犯とは思えなかったことから、複数犯と断定して捜査が進んでいきます。真犯人による虚偽の自白などを契機として、無実の四人が逮捕され、死刑そして無期懲役の判決を受けていく。こうしたことで、無罪が確定するまでは十八年、七度の裁判を要した、有名な、ある意味著名な冤罪事件になっています。

問題は、その過程で何が起こってきたかです。弁護人だった佐々木静子弁護士の手記によれば、弁護団が、真犯人が単独犯であることを示す文書が存在するという情報を得る。しかし、その情報を得たとしても、その文書があるということが分かっても、現物にはたどり着けないんです。そこで、弁護団は何をやったかというと、その受刑者がいる広島刑務所の近くのところで、差し入れの販売店の二階に部屋を借りた。中にいた出所者が、そうした、真犯人からいろいろな情報を聞いて、そして、実は単独犯だったという手紙を最高裁だとか検察だとかに書いて送って、その数十八通。しかしながら、刑務所内でそれを留め置かれて、ある意味、先ほどの和田委員のお話じゃないですけれども、隠蔽が行われていたわけです。隠蔽が行われていたけれども、その情報を更に知りたいと思って、その刑務所の前のところに部屋を借りて、朝、そこから、ずっと、出所される方を一人一人インタビューをして、そして、実際にその文書がその刑務所内にあるんだ、そして、その受刑者の方も本当に反省をして、自分が単独犯だったということを何度も何度もそうやって言っているにもかかわらず、ずっとそれが知られずにいた。

結果、どうなったかというと、それは国会なんですよ。参議院の法務委員会で、これは昭和四十三年のことなんですけれども、亀田得治議員というのがこれを追及をいたしまして、犯人が最高検察庁や裁判所などに送っていた十八通の文書、これがその質問によって矯正局から最高裁に出される、提出をされる。それで、死刑判決者が無罪をかち取るということになるわけなんです。

そして、亀田参議院議員はこのように、そのときの議事録を読みますとおっしゃっています。法律の世界で一番大切なのは真実だと思う、事実、真実に関する文書があれば、弁護側に有利か検察側に有利かは二の次であって、その存在そのものが大切にされなければならない。まさにこれは、昨日、袴田ひで子参考人がおっしゃった、よい証拠も悪い証拠も全部出して裁判をやっていただきたいという願いにも重なります。

さらに、亀田議員は、こうした文書の目録、つまりリストの必要性も指摘していました。まさに、昨日、村山参考人が必要だと述べられたのもこの証拠の一覧表であり、鴨志田参考人は、大崎事件で検察官が不存在と説明していた証拠が後に発見されたことや、証拠リストがあれば開示漏れを妨げた可能性を指摘されておりました。

昭和四十三年に亀田得治議員が求めたことが、通常審では、平成十六年の改正以降、一定程度制度化がされた。しかしながら、再審ではいまだに十分に実現されていない。何が存在するのか分からない状況からいまだに出発をしていかなければいけない。そして、当時と同じように、刑務所の前で張り込みしたり国会で証拠を出させたりしなければ真実にたどり着けないというのは、今も同じ状況。そのような制度で本当にいいんでしょうか。

この問題から、証拠の目的外使用禁止規定について伺っていきたいと思っています。

先ほどの事件も含めてですけれども、村山参考人もおっしゃっていましたけれども、目的外使用禁止規定について強く問題提起されて、やはりマスコミ、メディアがいろいろとこういった事件の詳細をやる。そして、八海事件においては、映画も作られるんです。そして、物すごい世論喚起がされて、それが後押しになって、その参議院の質疑につながって、証拠が開示をされていく、そして死刑判決から無罪になっていく、こういったことが起こってくる。多くの方々が協力をしながら、冤罪事件では、こうした市民活動もそうですけれども、著名な作家、ジャーナリスト、様々な発信、映画も含めてですけれども、これが再審そして無罪につながっていくということになっていきます。

再審請求人の支援活動、専門家への意見照会、報道、研究、出版、映画化など、冤罪の実態を社会に伝えるための活動において証拠資料が活用される場合、それが目的外使用に当たりますでしょうか。映画や書籍化をして得られた報酬、その一部をその弁護士も所属する支援団体が得たりした場合は対象となるのか、お答えをいただきたいと思います。

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