佐藤淳法務省刑事局長

2026年6月10日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 88 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 198 発言)

お答えいたします。

個別の再審事件における検察官の活動内容、裁判所の判断に関わる事柄について、法務当局としてお答えすることは困難であることは御理解いただきたいのですけれども、当然のことながら、証拠を改ざん、捏造したりするようなことはあってはなりませんし、仮に不正行為が行われた場合には、別途、厳正に対処されるべきであると認識しております。

その上で、証拠を改ざん、捏造したということが、そのことが明らかになって、それが無罪を示すことが明らかであった場合には、当然、検察官としても再審請求をするなり、そういったことを粛々としていくということになるかと思うわけでありますが、その一方で、では、それが必ずしも、捏造であるかどうかが必ずしも、意見の相違があるといった場合も当然あり得るわけでございます。

その上で、捏造とかはさておきまして、一般論としては、趣旨として、全面禁止にした上で再審公判をやるべきではないかという御質問だと理解するんですけれども、全面禁止としない理由については、これまで何度か、裁判の紛争解決機能であるとか、三審制まで行ったものを一回の裁判で覆せるというのでは、やり直すべきでない裁判をやり直すことになりかねないという意味において法的安定性を害するといった趣旨で申し上げてきたところでございます。

その上で、では、もう一回公判をやればいいではないかといったことについては、様々な議論があり得るのですけれども、ただ、現実問題としては、例えば、十年、二十年たった後に再審開始決定が出て、それを、例えば間違っている、今回は十分な根拠がなければ抗告できないわけでありますので、その後、再審公判が始まるということになるかと思いますけれども、例えば、十年前のことについて覚えておられる方というのはどれだけおられるだろうかと。

日本の刑事裁判は、ドイツ、フランスなどと異なりまして、要するに、公判で、書類の作成者であるとかそういった者が供述を基本的にしなければ、その証拠が採用されないというルールを取っているわけでございまして、それを、例えば十年後にそのような裁判を現実にできるのであろうかといったことは若干疑問に思うところでありますが、一方で、そういうことができる事件もあるかもしれませんし、そういう事件になじまない事件、要するに、供述で犯罪者と被害者が直接の対応をしていて、供述が基本的な事件であるといった事件もございますので、そういった中で、やはり我々としては、やり直すべきでない裁判については、直ちにやり直して裁判をやれば、もう一回裁判をやり直せばいいんだとは言い難いという立場、スタンスでいるということでございます。

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