村山浩昭弁護士

2026年6月9日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 48 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

ありがとうございます。

大変難しい質問だというふうに思っていますけれども、まず、これだけ世の中で再審問題が議論されているということは、裁判所にも大変大きな影響を与えています。その証拠に、最高裁判所は二年続けて再審問題についての研究会を最高裁の司法研修所で開いているというふうに聞いています。また、現場の裁判官からも、再審について議論をしている、若しくは、正直言って私のところに問合せが来るというようなことも増えておりまして、現場の裁判官の意識も高まっています。それだけでも、現状がよくなる要素になっていることは間違いありません。

法制的に見ますと、証拠開示の関係で規定ができたということは、今まで証拠開示の関係でほとんど手をつけていなかった裁判体があるのも残念ながら事実です。そこを義務的な提出命令に、その要件があれば出さなきゃいけないわけですから、これは確実に底上げになるというふうに思っています。

逆に、問題が生じるかもしれないというのは、今まで再審事件について熱心に取り組んでいた裁判官が開示の勧告という形でやっていたかなり幅広な証拠開示勧告が、今般の改正によって検察官にシャットアウトされるのではないかという懸念があります。それは、命令ができた以上は、検察官は、それは命令ですか、勧告ですかということにこだわります。勧告であれば、従う、そういう義務はないんですねと。それはそうなんです、ないんです。そういうことが現に起きているというふうに聞いていますので、そういう懸念が既にもう現実化しているんだろうと思います。

それからもう一点懸念しているのは、目的外使用の禁止です。これは現在そういう禁止する規定はございませんので、実際に袴田さんの五点の衣類の写真であるとか録音テープの肉声であるとか、こういうものがマスコミを通じて大きな社会の関心を呼びました。それが袴田事件を支援する運動に大きくつながったことは間違いない事実であります。これが禁止されますと、そういった形での再審事件の運用、若しくは再審請求者側の支援運動、訴訟活動、こういうものに支障を来す可能性があるというふうに私は思っております。

以上です。

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