鴨志田祐美弁護士(日本弁護士連合会再審法改正推進室長)

2026年5月29日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 57 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 281 発言)

そもそも論として、通常審における証拠の目的外使用禁止規定の合理性というものも議論されなければならないと思っております。

とりわけ、国家賠償請求訴訟において、今、取調べの録音、録画を、まさに警察や検察の違法を争うために刑事事件で開示された録音、録画を民事である国家賠償請求訴訟の証拠として提出するということが目的外使用の禁止に当たるということで、両当事者が、要は、元被告人側も取り調べた警察や検察も、みんな当事者はその証拠を知っているにもかかわらず、民事裁判の証拠として原告は提出できない、こういう問題が現実にあります。

これをやるためには、文書提出命令という別の申立てをして、その決定にもまた不服申立てがされたりとかして最高裁まで争われて、証拠を提出するということだけに民事訴訟で一年以上かかっているというような、こういう現実がありますので、目的外使用禁止規定が通常審にあるから再審にも取り入れていいのだという前に、通常審の規定がこれでいいのかということを是非とも一緒にお考えいただきたいと思います。

その上で、通常審の規定が仮にそのままであったとしても、大きく再審と違うのは、審理の公開の有無です。通常の裁判は公開の法廷で裁判が行われますから、証拠物は、展示といって、現物が法廷で出ます。そこには、傍聴席に一般の方もいらっしゃいますし、マスコミの方もいます。しかし、再審請求の手続は、ほぼ非公開で行われます。公開しちゃいけないというルールはないのですけれども、実際には、公開を要しないということで、証人尋問であっても法廷に鍵をかけてわざわざ行うような運用がされております。

となると、そもそもブラックボックスで請求手続が行われている、さらに、証拠も、開示証拠も見ることができないとなったときに、この再審請求がどのように進んでいるのか、この開始決定が妥当かどうかということを外から検証する機会が全くもって奪われてしまうということは、通常審と大きく異なります。

今回、政府案の四百五十条の二に、政府は、抗告をした場合には、抗告をしたこととその理由を公表するという規定が置かれたと承知しております。しかし、これは、理由が公表されても、その新証拠が明白性があるかどうかということを一般の目で吟味をする、そういう趣旨で公表するんだと思うんですけれども、その明白な新証拠と認定されたものが開示証拠だったら見ることができないわけですから、公表されても何の判断もできないということになります。

このような観点、公開というところとの関係で、是非、再審のところはお考えいただきたいと思います。

以上です。

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