お答え申し上げます。
現行法では、本人が事理弁識能力を欠く常況にある者である場合には、後見の制度を開始すると包括的な取消権が付与されます。
これに対し、民法等改正法案では、本人に必要な範囲に限って個別に補助人に取消権を付与する補助の制度に一元化した上で、本人が事理弁識能力を欠く常況にある者である場合には、法定の重要な財産行為をいずれも取り消すことができる特定補助の仕組みも選択できることとしております。
そして、申立人は本人の状況を十分に理解していると考えられますので、本人の状況に応じ、本人の利益を保護するために必要な範囲で個別の取消権を付与する仕組みを選択するか、特定補助の仕組みを選択するかを判断し、申し立てることが期待できます。
重要なのは、適切な時機に、現行法であれば後見の申立てをする、また、改正法であれば補助ないし特定補助の仕組みを申し立てるということであると考えております。現行法におきましても、後見がつかなければ後見人による取消しはできません。改正法におきましても、特定補助の仕組みというふうに法定の重要な財産行為をいずれも取り消すことができる権限を、そのような仕組みをつくっておりますけれども、これも申立てがあって行うということになります。
ですので、適切な時機にこのような制度の利用をしていただくことが大事でありまして、これをしっかりと周知してまいりたいと思いますし、その観点からいいますと、今般の改正により本人の保護に欠けることにはならないと考えているところでございます。
29松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
現行法の後見における取消権の利用件数につきましては、御指摘のような裁判所における統計などがないということもあり、法務省としては把握をしておりません。これは一般の民法上の詐欺による取消しも同様でございますが、統計がないというところでございます。
法制審議会の部会におきましては、成年後見制度における取消権を行使する場面は必ずしも多くはないとの見解が述べられた一方で、取消権そのものを行使しなくても、取消権があることによって不当な取引を予防している側面があるとの指摘がされているとの見解が述べられたものでございます。
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津島淳(自民)内閣府副大臣
事実関係についてのお尋ねでございますので、私からお答えをいたします。
成年後見制度の包括的な取消権を用いて救済された事例や活用状況についてでございますが、所管は法務省ということでございまして、消費者庁としてお答えすることは困難でございます。
その上で、この成年後見制度とは直接関係するものではないんですが、消費者庁新未来創造戦略本部では、高齢者の認知機能障害に応じた消費者トラブルと対応策の検討に関する研究の中で、医療福祉関係者を対象としたアンケート調査、インタビュー調査を行っております。
その結果、軽度段階こそ被害リスクが高いが最も発見しにくいことや…
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西村智奈美(中道)
結局、実態をなかなか、どちらの省庁としてもきれいには把握していないということですね。これで取消権とかがなくなってしまうということは、ちょっといかがなものかなというふうに思います。
次に、そうしましたら、ちょっと前に進めますけれども、今回の改正によって、包括的な取消権が縮減、廃止された場合、これまでであれば後見人の取消しによって防止、救済できた消費者被害がどのような場面でどの程度救済困難となるおそれがあるというふうに評価をしているのか、法務省と消費者庁にそれぞれ伺います。
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- (上の発言)
32松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
現行法では、本人が事理弁識能力を欠く常況にある者である場合には、後見の制度を開始すると包括的な取消権が付与されます。
これに対し、民法等改正法案では、本人に必要な範囲に限って個別に補助人に取消権を付与する補助の制度に一元化した上で、本人が事理弁識能力を欠く常況にある者である場合には、法定の重要な財産行為をいずれも取り消すことができる特定補助の仕組みも選択できることとしております。
そして、申立人は本人の状況を十分に理解していると考えられますので、本人の状況に応じ、本人の利益を保護するために必要な範囲で個別の取消権を付与する仕組みを選択するか、特定補助の仕組みを選択するかを判断し、申し立てることが期待できます。
重要なのは、適切な時機に、現行法であれば後見の申立てをする、また、改正法であれば補助ないし特定補助の仕組みを申し立てるということであると考えております。現行法におきましても、後見がつかなければ後見人による取消しはできません。改正法におきましても、特定補助の仕組みというふうに法定の重要な財産行為をいずれも取り消すことができる権限を、そのような仕組みをつくっておりますけれども、これも申立てがあって行うということになります。
ですので、適切な時機にこのような制度の利用をしていただくことが大事でありまして、これをしっかりと周知してまいりたいと思いますし、その観点からいいますと、今般の改正により本人の保護に欠けることにはならないと考えているところでございます。
33黒黒木理恵消費者庁審議官
お答え申し上げます。
まず、成年後見人等の、今の制度の包括的な取消権が縮減あるいは廃止された場合の影響については法務省から今お答えがあったとおりかと存じております。
その上ででございますけれども、先ほど副大臣からも御紹介をさせていただきました、消費者庁の新未来創造戦略本部におきます研究におきましては、認知機能の低下の程度といいますか、それも、必ずしも重度の場合というよりはより軽度の場合、あるいは認知症と認定される前、軽度認知障害とかですね、そういった場合の方が被害に遭っていらっしゃる方が多い傾向があるということ、また、そのときであっても、本人が気づか…
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西村智奈美(中道)
お二人の答弁を聞いていますと、ちょっとやはり本当にポイントになるところになかなか手が届いていないなというふうに思うんですけれども。
法務省の方からは、本人保護に欠けることにならないというようなお話がありました。確かに、今回の後見制度というところでいえばそういったことなんだと思うんですけれども、だけれども、後見制度の外にも被害者の方はいらっしゃることになるんだと思うんですよ。それはどうなのかというところの視点が全くやはり、ごめんなさい、法案審査だからそういうふうに答えられるのかもしれないんだけれども、やはりこの外側にいる被害者をどうするかという視点がちょ…
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35松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
今回の成年後見制度の見直しは、令和四年三月に閣議決定された第二期成年後見制度利用促進基本計画において現行の制度について様々な問題が指摘されたこと等を踏まえ、検討が開始されたものであります。
第二期計画においては、成年後見制度が権利擁護を支える重要な手段と位置づけられ、権利擁護支援は成年後見制度を含めた総合的な支援として充実させていく必要があるとされ、成年後見制度の見直しに向けた検討を行うこととされております。
このような経緯から、成年後見制度の見直しと委員御指摘の脆弱な消費者保護の強化を必ずしも一体的に進めてきたものではござい…
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