有田芳生 (中道改革連合)

2026年4月24日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 22 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 202 発言)

当時は、入国管理局が難民申請者の名前をトルコ当局に教えたことによってトルコ現地で問題が起きたわけなんです。それに対して、当時、日弁連は、難民申請者の情報を提供することは新たな迫害を生むおそれがあり、重大な人権侵害だと法務大臣に警告書を提出しているわけなんです。

だから、それだけ微妙な問題であって、私は、この問題になぜこだわっているかというと、当時も、そして今も、トルコ当局において、閣僚に入っていらっしゃるクルドの方々がいらっしゃるという、そのとおりなんだけれども、しかし、入っているからそれで円満に、例えばトルコで問題が起きていないかというと、そうではないんですよね。

私は、この報告書を見て、川口に来ているクルド人は出稼ぎだと断定されていたので、実は去年の六月にトルコに行ったんですよ。イスタンブールでトルコの野党の集会がありまして、それに出席をして、それから、トルコの空港から二時間かかるんだけれども、いわゆるクルディスタン、クルド人たちが暮らしているところ、そこまで、飛行機で二時間ぐらい、それから車で一時間ぐらい入った村に行って、多くの人たちに会ってきました。

そして、そのときに、この平成十六年七月の入管が作られたトルコ出張調査報告書に書かれている村長にも会ってきました。この報告書だと、川口に来ているクルドの人たちは出稼ぎだと、当時、断定されていた。私はその村長に会って、そういう証言をされたんですかと聞いたんですよ。そうしたら、もう二十年たっているから年は当然重ねていらっしゃるんだけれども、そう言わざるを得なかったというんですよ。

何でそう言わざるを得なかったかというと、この報告書にも出てきますけれども、警察だけではなくて、当時も今も、トルコにはジャンダルマという準軍事組織、憲兵隊があるんですよね。私がその村に夜中に行く車の中でもジャンダルマが待機していて、住人の、住民の監視をされているんですよ。

当時、入管当局がトルコに行って、出張されて、報告して、川口クルド人は出稼ぎだと断定した文書がここには入っているんだけれども、この当時の報告書の中でも、ジャンダルマをあなた方に、警察官に同行させようと思う、案内する村は平和な村ではあるが、道中、万が一あなたたちが強盗等の被害に遭ってはいけないので、安全確保という意味でもジャンダルマが同行した方がいい。ジャンダルマは憲兵隊なんです。村人からすれば大変なんですよ。だから言わざるを得なかったというのが、当時、出稼ぎだという証言をした村長なんです。

だから、当時も録音記録があるのか分かりませんし、私が去年行って聞いて、いや、そんなこと言っていない、言わざるを得なかったんだというのも、それも確証にはならないのは分かるんだけれども、当時も今も、トルコという国では、確かに、クルドの人たちが閣僚に入ったり、いろいろないい仕事をなさっているのは分かるんだけれども、トルコ全体でいえば、そういう準軍事組織的なものが町を覆っているんですよ。

これは余談ですけれども、私がホテルに泊まって、次の日の朝、会議があって外に出ると、電車も止まっているしバスも動かないんですよ。不穏な空気があって、何だろうかと思って町を歩いていると、一面警察官なんですよ。一面警察官なんて初めて経験しましたよ。銃も持っているんですよ。それで、もう何事かと、僕はクーデターじゃないかと思うような異様なことを人生で初めて経験したんですけれども、それが去年六月のトルコの政情なんですよ。

だから、クルドの人たちが大臣の中に入ったり、いろいろないい仕事をなさっているというのはそのとおりなんだけれども、でも、全体でいえば、何でそんな、昼間から警察官がいっぱいいて、銃も持って、不穏な空気があるのかというと、あれは、反政府集会が今日行われるかも分からないということで、バスも止めて、電車も止めて、町じゅう警察官であふれている、そういう国なんです。

しかも、さっき言いましたけれども、クルドの人たちが住んでいる村に行って話を聞くと、もうそこは岩だらけで、農業なんかできないんですよ。農業なんかできないから、どこで仕事をするかというと、山に入って、山で農業をやっていらっしゃるんですよね。山に入るとゲリラがいるんですよ、時々、PKKが。だから、そういう接点を、警察とかジャンダルマが、おまえたちは関係しているんじゃないかというようなのが、二十年前もそうだし、今もそうなんです。

びっくりしたのは、ピースサインしただけでおまえはゲリラかというのが去年ですよ。そういう国情なんです。それは変わっていくだろうし、変わっていかなければいけないと思いますけれども、そういう中でトルコの人たちもクルドの人たちも今暮らしていらっしゃる。

だから、学校ではクルドの言葉をしゃべれない、今も。そういうお国柄だということをやはり知って、この日本においても、特に川口に二千人ぐらいクルド人がいらっしゃいますから、何か問題があれば、それはクルドであろうが日本人であろうがどこの国であろうが適切な対応をしなければいけないんだけれども、クルド人がお店をやっているだけでそこに嫌がらせに入っていくとか、あるいはその店に、クルド人死ねとかクルド人出ていけ、これは今でも続いている問題なんですよね。

だから、そういうことを全体として、やはり、トルコにおけるクルディスタン、クルド人たち、そして日本におけるクルドの人たちの置かれている位置ということも、私たちは正確に客観的に事実として見ていかなければいけないというふうに思っているんです。

それで、引き続きちょっとお聞きをしたいんですけれども、私が去年トルコに行って、クルディスタン、クルド人たちが暮らしているところで多くの人たちに会いました。日本語をしゃべるので、日本で働いていましたと言うから、ああ、そういう人たちが国に帰っているんだなと思ったんだけれども、びっくりした一つは、十八歳のクルドの青年に会ったんですよ。

そのお父さん、お母さんは今も川口にいらっしゃる。その彼は、十八歳になったんだけれども、四歳のときに御両親に連れられて日本に来て、川口で住んでいた。十八歳ですから、解体業で働いていた。だけれども、四歳のときの自分の記憶というのはないものですから、去年、お父さん、お母さんの国、自分が生まれたところに行ってみたいというのでトルコに行って、自分のふるさとに帰ろうとしたんですよ。ところが、飛行機を降りて、一番最後に降りてくれと言われたというんですよね、一番最後に彼は降りた。逮捕ですよ、逮捕。そういうことが今でも起きている。

私は、去年、その青年に何でですかと聞いたら、本人も訳が分からないよと。警察に逮捕されて、ゲリラの可能性があると言われたというんですよね。根拠がないんですよ。

根拠をいろいろ調べていくと、ついこの間もネウロズというお祭りがありましたけれども、そこにその十八歳の青年が、十七歳ぐらいのときかな、参加した写真をフェイスブックに出したんですよ、楽しかったから。それを誰かがチェックをしていて、トルコ当局に通報をして、何の政治的にも関心のない、普通の解体業をやっている十八歳の青年が、お父さん、お母さんのふるさと、自分が生まれたところを見てみたいということで飛行機を降りたところでトルコの警察に逮捕されて、今もいるんですよ。それで、裁判が始まらない。恐らく来年裁判が始まるんだけれども、それはテロ支援の疑いだというんですよ。全然関係ない、政治に関係ない、興味もない人なんです。

だから、そういうことが今でも起きているときに、そこでお聞きをしたいことなんだけれども、例えば難民申請者、あるいは強制送還される国はトルコが一番多いですよね、日本から強制送還。その次はフィリピンでしたか。だから、そういう何か情報が、さっきの質問、最初の方にも戻るんだけれども、入管当局がトルコ当局に何らかの情報を伝達するということはあり得ることなんですか。そんなことはやっていないということですか。いかがでしょうか。

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