岸本武史厚生労働省労働基準局長

2026年5月29日・第221回国会 衆議院 厚生労働委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 190 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 211 発言)

お答えいたします。

今般の法案では、農林水産業の小規模の個人経営の事業においても重大な事故が見られ、労働者の保護の必要性が高まっていること等を考慮しまして、暫定任意適用事業を廃止をし、全面適用に移す、移っていただく、こういう内容を盛り込んでいるところでございます。

これに関しまして、御指摘の負担の問題でございますが、一つ御指摘として、新たに労災保険に加入いただくこととなる小規模な事業者にとってございます。

新たに保険料負担が発生をする、特に今任意加入されていないところにとってはそういうことになるわけでございますが、これは、労災保険に加入していない場合には確かに保険料負担はございませんけれども、一方で、一たび災害が発生いたしましたときには経営体が自ら賠償する責任を負うことになります。亡くなったり障害が残るような事故である場合には、かなり大きな額の賠償を背負う、場合によっては経営自体が立ち行かなくなるような、そういうリスクでもあるところでございます。

労災保険に加入することで、労災保険から給付がなされれば、その分、経営体としての災害補償責任は代替をされるという仕組みでございますので、保険料負担という面がある一方で、こういったリスクを分散化できる、リスクに備えることができるというメリットの双方があるものであり、この両面をよく丁寧に御説明をして、理解を得ながら適用を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

それから、既に労災保険に加入していただいている法人経営やあるいは個人経営の五人以上のところ、これについては、御指摘のとおり、確かに、災害発生率が五人の境によって高い低いの差が大きくある場合には、これは新たに入る人数規模などにもよりますので一律には申せませんが、場合によっては、今入っていただいている事業主の方の保険料率に影響する可能性、これも否定はすることはできないところでございます。

これにつきましては、労災保険の保険料率、過去から遡ってまいりますと、ずっと労災防止努力の成果もありまして、災害発生率とともに労災保険料率は低下を続けている保険でございます。ですので、入っていただくだけでなく、その入っていただいたところも含めて労働災害防止の取組を進めることで、低い保険料で賄えるようにしていくことが一つは重要でありますことと、もう一つ、やはり公的保険の性格といたしまして、では仮に、事業場の規模によって災害発生率が顕著に差があるときに、低いところは労災保険でカバーをされ、高いところは労災保険、公的保険ではカバーをされないという状態を続けることが、災害に遭われるかもしれない働き手の方にとってどうかということも考えますと、やはりこの面についても、今回のような、全面適用に移行しながら、労災保険の適用に入っていただく意義を丁寧に御説明をするというような対応が適切なのではないかというふうに考えているところでございます。

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