岸本武史厚生労働省労働基準局長

2026年5月29日・第221回国会 衆議院 厚生労働委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 127 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 211 発言)

お答えいたします。

遺族厚生年金の方につきましては、女性の就業率の上昇等を踏まえ、制度上の男女差を段階的に解消し、男女問わず受給しやすい制度とする趣旨から、令和七年の年金制度改正法におきまして、十八歳未満を養育する間にない二十代から五十代の配偶者について、様々な配慮措置を講じつつ、原則五年間の有期給付とされたところでございます。

一方、労災保険の遺族補償年金につきましては、労働者の業務上の死亡によってもたらされる被扶養利益の喪失の補填という制度趣旨があることを踏まえまして、死亡した労働者に扶養されていた遺族に対しては、その被扶養利益の喪失状態が継続する限りは補償すべきであるという考えがあること、また、労災保険の場合、労災保険から給付がなされることによって、労働災害が起きた企業の災害補償責任がその分代替をされるという関係が法律上ございますが、仮に、その遺族補償年金、労災の方を有期給付化いたしました場合、使用者に対して、従来の終身給付から有期給付に変わったことによっていわば減る分が生じた分が、使用者に対する民事訴訟として惹起をされるというような可能性もございます。

また、被災労働者からすれば、裁判を起こさないとその分の請求ができないということになることになりますと、労災保険制度の趣旨からいってどうなのかというような議論もございまして、遺族補償年金、労災保険の方につきましては現行の長期給付を維持するという結論となったところでございます。

ただし、今後の在り方として、遺族補償年金の在り方については、生計維持要件や給付期間、支給要件の妥当性なども含めて、専門的な見地から引き続き議論を行う必要があるというふうにされたところでございます。

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