ありがとうございます。
大臣とここで、日本版のスタートアップエコシステムをどのように確立していくかということを是非論議させていただきたいと思います。
ちょうど今週の日曜日、二十四日の日経新聞に、九州大学発の宇宙スタートアップとして二〇二三年に東証グロース上場されましたQPSホールディングスの記事が書いてございました。時価総額は、今朝見ますと、二千三百億円でした。ここで、創業者の八坂先生がこういうふうにおっしゃっています。大学発の起業は独善に陥るべきではないということをおっしゃっていまして、資金集めや経営ができる人材が参加したことで会社が発展したのである、また、地方にいるデメリットとして、特に中央官庁との連携が取りづらい、自ら足を運んで積極的にネットワークを築く必要がある。
こういったことを解消するためのこの今回の法案でありますので、大きな流れとしては、私は至極賛成をします。
こうやって、これは旧産業革新機構も関わっている案件でありまして、国の好事例として取り上げてもいい案件だと私は思っておるのですが、先生はこうもおっしゃっています。国の研究費を狙って一生懸命だった、だけれども、外部ともっと共同研究などをしてもよかった、アメリカの大学では外から稼ぐ研究が当たり前だと知り驚いたこともあったというふうに解説されておられます。
これはいい取組で成功した事例だと思うんですが、私、本当にこれでいいのかなとも思うわけです。やはり、知の拠点たる大学が、知の探求を行うべき大学が、今、マネーゲームの拠点になってはいけないなと私は思っておるわけであります。大学とのベンチャーをやりたい資金の出し手というのは世の中に今やごまんといる中で、どういうふうに日本型のエコシステムをつくり上げていくかというのは非常に大事な面だと思います。
こういった例もあります。現在進行形ですのでオブラートに包んで申し上げますと、ある大学の研究者の方と投資家と、若手の投資家ですが、一緒に会社をつくりました。創業時、先生が八百万円、その方が一千二百万円を出して、自分たちで会社をつくって、こつこつ成長させていきました。いわゆる魔の川を乗り越えて開発に至った。そして、やはり死の谷に直面して、資金調達の困難さに直面するわけです。多くのスタートアップ企業は、やはり企業経営者は資金繰りを大きな課題として、技術者なのに資金繰りに追われているという状況もあったと聞いていますが、この谷も乗り越えていよいよ事業化というときに、先生側は、株式を簿価で手放して、一方のパートナーに明け渡してしまうわけです。
研究者は、株式の価値の計算、多分御存じないんだと思います。今まで一緒に温めてきた、八百万出した自分の株を八百万で売るわけです。あと何年か持っていれば恐らく何十倍、何百倍になったであろうその株式を手放し、受け取った方は、これまでは、そのラボからも学生を採用し、技術はそろえてきましたので、もう先生は必要なかったから、さようならということだったんだろうと私は思います。
残念ながら、その会社はユニコーン予備軍として経済産業省の好事例に載っていたりするわけでありまして、ちゃんと中身を見て推進していかないと、こういうことが起きていく。
なぜこういう税制をつくるかといえば、技術シーズを開発している人たちにベネフィットが向くように、彼らの努力が報われるように、こういう仕組みをつくって、税制措置をつくって、予算措置を講じて、人も出して、砂漠に水をまくようなことを政府がやっていろいろ育てたんだけれども、結局ファイナンシャルなプレーヤーだけがもうかるという世界になっては私はいかぬと思うのであります。
魔の川、死の谷、ダーウィンの海、これを乗り越えるには、やはりファイナンシャルなプレーヤーが必要です。これを大企業に担わせるというのは私は大賛成でありますが、ファイナンシャルなプレーヤー、外資が駄目だと言うつもりもありませんが、多くのケースで日本は今までこういう死の谷を乗り越えるときに外資の手をかりてきたというのも事実だと思います。日本型のスタートアップエコシステムを私はつくっていかなきゃいけない。日本の研究者が日本のアセットを使って成長していく、日本のアセットで成長したなら世の中に還元していく。この八坂先生は、自分の持分、死後全て九州大学に遺贈されるそうです。成功事例だと思います。こういった日本版の取組を是非進めていくべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
18菊菊川人吾経済産業省イノベーション・環境局長
御指摘ありました構造的な課題、これは非常に大事だと思います。我が国の産学連携の構造的な課題の背景の一つとしましては、企業と大学の共同研究が、研究者個人と企業の一部とのみの連携で行われてきたのではないか、そういうのが多かったのではないかというような問題意識、経緯があると考えてございます。
本法案では、AI、量子等の重点産業技術に係る研究開発を行う大学等の機関を認定することで、組織対組織、全体として共同研究体制の構築を図っていただきたいということで考えてございます。加えて、研究開発税制において、大学等と企業の共同研究に高い税額控除率を措置してございまして、…
この発言のページ
19
河野義博(中道)
続いて、政府調達による支援に関しても伺いたいと思っています。
特にアメリカでは、政府調達や国防需要、長期大型契約が技術革新を牽引してまいりました。我が国では、研究開発支援は存在するものの、初期の市場形成や需要創出が弱いのではないかという指摘があります。やっていないと言うつもりはありませんで、やってきた事実も承知しておりますが、弱いのではないかというふうに指摘をされています。
ちょっとこれは、私、質問しておきながら、もやもや感があるんですけれども、アメリカ型を志向して、アメリカ型をまねすることが果たして本当に正しいのかなというふうに思っていまして、これ…
この発言のページ
20菊菊川人吾経済産業省イノベーション・環境局長
委員御指摘のとおり、防衛等々もございますが、始めとする政府の調達によって初期の需要をつくる、そしてまた、そのシグナルを出して、AI、量子、宇宙といいましたディープテックスタートアップへの投資を促すことというのは重要だと考えてございます。
まさに委員御指摘のあったような政府調達の加速に関しましては、日本成長戦略会議、ここでの議論でも非常にテーマになってございます。また、赤澤大臣の下で検討が進められ、まとめられている新技術立国、ここにおいても、初期需要の創出ということが大きな課題ということでテーマとなってございます。また、高市総理の指示も受けまして、いわゆ…
この発言のページ
- (上の発言)
21
河野義博(中道)
ありがとうございます。
大臣とここで、日本版のスタートアップエコシステムをどのように確立していくかということを是非論議させていただきたいと思います。
ちょうど今週の日曜日、二十四日の日経新聞に、九州大学発の宇宙スタートアップとして二〇二三年に東証グロース上場されましたQPSホールディングスの記事が書いてございました。時価総額は、今朝見ますと、二千三百億円でした。ここで、創業者の八坂先生がこういうふうにおっしゃっています。大学発の起業は独善に陥るべきではないということをおっしゃっていまして、資金集めや経営ができる人材が参加したことで会社が発展したのである、また、地方にいるデメリットとして、特に中央官庁との連携が取りづらい、自ら足を運んで積極的にネットワークを築く必要がある。
こういったことを解消するためのこの今回の法案でありますので、大きな流れとしては、私は至極賛成をします。
こうやって、これは旧産業革新機構も関わっている案件でありまして、国の好事例として取り上げてもいい案件だと私は思っておるのですが、先生はこうもおっしゃっています。国の研究費を狙って一生懸命だった、だけれども、外部ともっと共同研究などをしてもよかった、アメリカの大学では外から稼ぐ研究が当たり前だと知り驚いたこともあったというふうに解説されておられます。
これはいい取組で成功した事例だと思うんですが、私、本当にこれでいいのかなとも思うわけです。やはり、知の拠点たる大学が、知の探求を行うべき大学が、今、マネーゲームの拠点になってはいけないなと私は思っておるわけであります。大学とのベンチャーをやりたい資金の出し手というのは世の中に今やごまんといる中で、どういうふうに日本型のエコシステムをつくり上げていくかというのは非常に大事な面だと思います。
こういった例もあります。現在進行形ですのでオブラートに包んで申し上げますと、ある大学の研究者の方と投資家と、若手の投資家ですが、一緒に会社をつくりました。創業時、先生が八百万円、その方が一千二百万円を出して、自分たちで会社をつくって、こつこつ成長させていきました。いわゆる魔の川を乗り越えて開発に至った。そして、やはり死の谷に直面して、資金調達の困難さに直面するわけです。多くのスタートアップ企業は、やはり企業経営者は資金繰りを大きな課題として、技術者なのに資金繰りに追われているという状況もあったと聞いていますが、この谷も乗り越えていよいよ事業化というときに、先生側は、株式を簿価で手放して、一方のパートナーに明け渡してしまうわけです。
研究者は、株式の価値の計算、多分御存じないんだと思います。今まで一緒に温めてきた、八百万出した自分の株を八百万で売るわけです。あと何年か持っていれば恐らく何十倍、何百倍になったであろうその株式を手放し、受け取った方は、これまでは、そのラボからも学生を採用し、技術はそろえてきましたので、もう先生は必要なかったから、さようならということだったんだろうと私は思います。
残念ながら、その会社はユニコーン予備軍として経済産業省の好事例に載っていたりするわけでありまして、ちゃんと中身を見て推進していかないと、こういうことが起きていく。
なぜこういう税制をつくるかといえば、技術シーズを開発している人たちにベネフィットが向くように、彼らの努力が報われるように、こういう仕組みをつくって、税制措置をつくって、予算措置を講じて、人も出して、砂漠に水をまくようなことを政府がやっていろいろ育てたんだけれども、結局ファイナンシャルなプレーヤーだけがもうかるという世界になっては私はいかぬと思うのであります。
魔の川、死の谷、ダーウィンの海、これを乗り越えるには、やはりファイナンシャルなプレーヤーが必要です。これを大企業に担わせるというのは私は大賛成でありますが、ファイナンシャルなプレーヤー、外資が駄目だと言うつもりもありませんが、多くのケースで日本は今までこういう死の谷を乗り越えるときに外資の手をかりてきたというのも事実だと思います。日本型のスタートアップエコシステムを私はつくっていかなきゃいけない。日本の研究者が日本のアセットを使って成長していく、日本のアセットで成長したなら世の中に還元していく。この八坂先生は、自分の持分、死後全て九州大学に遺贈されるそうです。成功事例だと思います。こういった日本版の取組を是非進めていくべきだと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
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赤澤亮正(自民)経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
最近、私の口癖だという指摘はあったんですが、問題意識を完全に共有をさせていただきたいというふうに思います。
今の委員のお話を聞いていて、ちょっと答弁資料にはないんですけれども、日本には元々、三方よしというような、何かしら他者のことを考えて、売手よし、買手よし、世間よしみたいなのがあるんですが、新三方のよしということかなと今本当に即興で思ったのは、研究者もよしで、企業もよしで、政府もよしな形にきちっとつくっていけたらいいなということは強く思った次第です。
問題意識として御指摘いただいた、大学が何かしら営利の世界に巻き込まれて、例えば基礎研究がおろそかに…
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河野義博(中道)
ありがとうございます。是非とも大臣のリーダーシップに期待をしたいと思います。
関連をいたしまして、鉄鋼業界のグリーントランスフォーメーションについて伺います。
政府はこれまで、GX移行債による設備投資支援や、税制改正で導入された戦略分野の国内生産促進税制などを通じて、鉄鋼業界の脱炭素化を支援してきました。しかしながら、市場の形成がまだまだ遅れております。二〇二六年度からは、公共工事においてグリーン鉄の試行導入というのが開始されます。二〇三〇年度以降の本格活用を目指す方針を示しているわけでありますが、この取組を着実に進めるとともに、地方公共団体の調達に…
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24田田中一成経済産業省大臣官房審議官
お答え申し上げます。
我が国の鉄鋼業、これは、優れた基礎素材を提供することで、様々な産業の競争力を下支えしている我が国産業の屋台骨でございます。他方で、産業部門の中でもCO2排出量の多い産業でありますので、需要家からも低炭素な鋼材を求める声が高まるなど、鉄鋼に求める市場のニーズが世界的に変化してきております。
こうした中で、低炭素かつ高品質なグリーン鉄の供給体制を確立することは、鉄鋼業の将来に向けた競争力の源泉となり得ることから、設備投資への支援などに加えまして、国直轄の公共事業における活用を着実に進めるとともに、そこで得られた知見を発信して地方公共…
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