おはようございます。自由民主党の中西祐介です。
会派を代表して、ただいま議題となりました令和六年度決算につき、高市総理の政権運営方針と、地方が直面する問題意識に立脚して、質問をいたします。
まず、総理は、責任ある積極財政の旗の下、戦略的に財政出動し、国民の所得を増やし、消費マインドの改善を通じて、事業収益が上がる好循環を実現し、経済成長の果実を全国で実感できる、不安を希望に変える強い経済をつくると宣言をされておられます。
速報値で令和七年度税収見込みが八十兆円を史上初めて超えました。当該令和六年度決算は七十五・二兆円。私が初当選した平成二十二年度は四十一・五兆円ですので、我が国はこの十五年間で一般会計税収が倍増したことになります。
一方、国民実感の伴う経済成長を通じた財政健全化を進めるためには、国家目標に対する重点分野への投資財源を積極的、計画的に確保しつつ、投下する支出と事業効果を適切な評価システムで厳格にチェックし、見直された財源を次の重点分野へと投下する、適正な循環サイクルを定着させる必要があります。
また、総理は、目指す複数年度予算を効果的に実現するには、そこで扱うにふさわしい取組やその管理年数など具体的に整理し、事業の効率性、透明性を確保する工夫が必要であると考えます。
昭和四十六年、河野謙三議長当時より、参議院の総意で提起した決算審査の重視は先見性ある重要な視座であり、今後も実効的に生かすことが重要と考えます。
そこで、総理が目指す複数年度予算をどう実現する構想か具体的に伺うとともに、参議院の歴史で培った決算のPDCAサイクルの持つ意義及び責任ある積極財政と複数年度予算決算サイクルを実現するための今後の取組をお伺いします。
去る十一月二十五日、租税特別措置・補助金見直し担当室が設置をされました。アメリカ政府で政府効率化省として、官僚主義や無駄な支出、規制の削減を目指す諮問機関のような役割を担った日本版DOGEと呼ばれる仕組みは、自由民主党と日本維新の会の連立合意書にも盛り込まれ、その機能と効果を注目するところでございます。
租特や高額補助金の総点検で、政策効果が低いものは廃止、歳出の無駄を削減することで賢い歳出構造を恒常的につくることは、財政に対する政府の責任を示し、市場の信認も勝ち得る上で重要な取組と期待をいたします。
一方、本担当局が成果を上げるには、スピード感と仕組みが重要です。
主要国と我が国では企業会計原則が異なり、一概に比較できない点もあるものの、提出まで七か月半の我が国に対し、米国や英国では二から四か月程度、ドイツやフランスは五、六か月後です。
将来的に、八月の概算要求時期を念頭に我が国も更なる前倒しを図るべきとの指摘もございます。
民間企業では決算で企業評価されますが、国は予算ばかり注目が集まる、その原因の一つが決算や政策効果を検証する情報の散在にもあると考えます。国会の決算審査では、政府の決算書に加え、会計検査院の検査報告、内閣官房の行政事業レビュー、財務省の予算執行調査、総務省の行政評価など、それぞれ別個に公表され、連動性がなく分析に非効率な状況でございます。
今回の組閣で租税特別措置・補助金見直し担当大臣として財務大臣と兼務する片山大臣は、デジタルを活用したEBPMの推進も指示項目の一つだと承知をしています。これら決算審査の課題に対し、具体的取組を伺います。
参議院の独自性を高めるために、平成十五年に倉田参議院議長の下に設置された参議院改革協議会へ当時の青木幹雄座長が提示した報告書には、決算審査の重視とともに、予算の適正執行などODAにまつわる諸問題への取組が盛り込まれました。
今回、決算検査報告の中に、無償資金協力で購入された物品が相手国の国内市場で売却された際に発生する見返り資金につき指摘がありました。それらは相手国政府で積み立てられ、経済社会開発に活用されますが、会計検査院より、積立期限後、長期間使用されない残高が相手国政府に合計約五十九億円あることが今回指摘されたところであります。
七年前、私が団長となって中東に派遣されたODA調査派遣団では、見返り資金協力等で整備されたパレスチナ自治区・ヨルダン川西岸地区の拠点病院が大変重宝されている報告を受けました。比較的少額ではありますが、人道支援で開発効果は大きく、日本外交にも大きく寄与しています。
見返り資金が長期間なぜ適正に把握されなかったか、その背景を伺います。また、相手国政府の積立状況を適切に把握しつつ、計画的な活用を促すよう、在外公館等の体制整備が進むことを見極めた上で、次年度の予算査定に反映すべきと考えますが、財務大臣の御所見をお伺いします。
下水道、道路、トンネル、橋梁、河川管理など、今後二十年間に建設から五十年以上経過する割合が加速度的に増加する中、社会インフラ整備は国と自治体が緊密に連携した中長期の整備実行計画を責任を持って進める必要があります。特に、成長型経済への転換を目前にする今、デフレ経済時と異なる観点を持つべきと考えます。
単純計算で二%の物価上昇が十年続けば、計画段階で百億円の事業は百二十二億円必要となります。加えて、直近十年間で建設資材物価指数は約四割増しとなっています。整備に時間を要するほどコスト上昇し、結果、整備期間の長期化や遅滞、新規事業化の先細りなど、強く懸念する声が地方現場にあります。
実際、近年、コスト高騰により自治体の公共工事の入札不調が全国で頻発しており、議会で当初計画を否決されたり、サイズダウンを迫られるなど、実情の改善を求める声は非常に多く上がっています。また、能登半島地震や八潮市の陥没事故など深刻な被害を鑑みれば、これまで以上に社会資本整備でのリダンダンシー、多重化を意識すべきです。
まさに、災害時の救急活動や支援物資の輸送等において代替路となる高規格道路網、例えば四国における8の字ネットワークの早期供用、さらに、本年改正された半島振興法に基づく道路や港湾等の交通基盤の防災回復力の強化につながる取組が求められています。
人材供給面では、全国で技術職員の応募が少なく、今後、専門家不足による行政執行が滞ることも予想され、深刻な事態が危惧されております。国家公務員の大卒一般採用試験の土木系の直近合格者は二百三十一名で、採用予定者数に対する合格率は五二%に低迷、地方自治体の採用難は更なる苦境が伝えられております。
そこで、国、地方の技術人材の確保と育成を含め、喫緊の社会インフラ整備の促進と維持管理など中長期的課題にどう取り組むか、金子国交大臣にお伺いをいたします。
地方自治体の財政難の改善も重要な論点です。
名目成長率のプラスが続く中、東京など地方交付税の不交付団体は地方税増加分の一〇〇%が財源として増える一方、その他大多数の交付団体は、増加分の七五%と同額の地方交付税が減額される仕組みのため、残り二五%しか実質的には財源増加はありません。今回の、全国の地方税収が増える中において、逆に都市、地方間の財政格差は拡大をしており、東京都の一人当たりの地方税収額指数は平均の約一・六倍、財政力指数では約二倍と、圧倒的に開きが生じております。
税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けた取組を、高市総理が出席された先月十四日の国と地方の協議の場でも地方六団体から強く要望されたと承知をしておりますが、これら強い声を受け、厳しい地方財政をどう充実するお考えか。中でも、首都圏と地方部の財政格差を今後具体的にどう調整するお考えか、大局的観点を総理にお伺いし、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
1
関口昌一議長
これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の報告に関する件(令和六年度決算の概要について)
財務大臣から発言を求められております。発言を許します。片山さつき財務大臣。
〔国務大臣片山さつき君登壇、拍手〕
この発言のページ
2
片山さつき(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
令和六年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額を会計検査院の検査報告とともに国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
まず、一般会計の決算につきましては、歳入は百三十五兆九千八百八億円余、歳出は百二十三兆二百三十九億円余であり、差引き十二兆九千五百六十八億円余の剰余を生じました。
この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に令和七年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
なお、財政法第六条の純剰余金は二兆二千六百四十五億円余…
この発言のページ
3
関口昌一議長
ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。中西祐介君。
〔中西祐介君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
4
中西祐介(自民)
おはようございます。自由民主党の中西祐介です。
会派を代表して、ただいま議題となりました令和六年度決算につき、高市総理の政権運営方針と、地方が直面する問題意識に立脚して、質問をいたします。
まず、総理は、責任ある積極財政の旗の下、戦略的に財政出動し、国民の所得を増やし、消費マインドの改善を通じて、事業収益が上がる好循環を実現し、経済成長の果実を全国で実感できる、不安を希望に変える強い経済をつくると宣言をされておられます。
速報値で令和七年度税収見込みが八十兆円を史上初めて超えました。当該令和六年度決算は七十五・二兆円。私が初当選した平成二十二年度は四十一・五兆円ですので、我が国はこの十五年間で一般会計税収が倍増したことになります。
一方、国民実感の伴う経済成長を通じた財政健全化を進めるためには、国家目標に対する重点分野への投資財源を積極的、計画的に確保しつつ、投下する支出と事業効果を適切な評価システムで厳格にチェックし、見直された財源を次の重点分野へと投下する、適正な循環サイクルを定着させる必要があります。
また、総理は、目指す複数年度予算を効果的に実現するには、そこで扱うにふさわしい取組やその管理年数など具体的に整理し、事業の効率性、透明性を確保する工夫が必要であると考えます。
昭和四十六年、河野謙三議長当時より、参議院の総意で提起した決算審査の重視は先見性ある重要な視座であり、今後も実効的に生かすことが重要と考えます。
そこで、総理が目指す複数年度予算をどう実現する構想か具体的に伺うとともに、参議院の歴史で培った決算のPDCAサイクルの持つ意義及び責任ある積極財政と複数年度予算決算サイクルを実現するための今後の取組をお伺いします。
去る十一月二十五日、租税特別措置・補助金見直し担当室が設置をされました。アメリカ政府で政府効率化省として、官僚主義や無駄な支出、規制の削減を目指す諮問機関のような役割を担った日本版DOGEと呼ばれる仕組みは、自由民主党と日本維新の会の連立合意書にも盛り込まれ、その機能と効果を注目するところでございます。
租特や高額補助金の総点検で、政策効果が低いものは廃止、歳出の無駄を削減することで賢い歳出構造を恒常的につくることは、財政に対する政府の責任を示し、市場の信認も勝ち得る上で重要な取組と期待をいたします。
一方、本担当局が成果を上げるには、スピード感と仕組みが重要です。
主要国と我が国では企業会計原則が異なり、一概に比較できない点もあるものの、提出まで七か月半の我が国に対し、米国や英国では二から四か月程度、ドイツやフランスは五、六か月後です。
将来的に、八月の概算要求時期を念頭に我が国も更なる前倒しを図るべきとの指摘もございます。
民間企業では決算で企業評価されますが、国は予算ばかり注目が集まる、その原因の一つが決算や政策効果を検証する情報の散在にもあると考えます。国会の決算審査では、政府の決算書に加え、会計検査院の検査報告、内閣官房の行政事業レビュー、財務省の予算執行調査、総務省の行政評価など、それぞれ別個に公表され、連動性がなく分析に非効率な状況でございます。
今回の組閣で租税特別措置・補助金見直し担当大臣として財務大臣と兼務する片山大臣は、デジタルを活用したEBPMの推進も指示項目の一つだと承知をしています。これら決算審査の課題に対し、具体的取組を伺います。
参議院の独自性を高めるために、平成十五年に倉田参議院議長の下に設置された参議院改革協議会へ当時の青木幹雄座長が提示した報告書には、決算審査の重視とともに、予算の適正執行などODAにまつわる諸問題への取組が盛り込まれました。
今回、決算検査報告の中に、無償資金協力で購入された物品が相手国の国内市場で売却された際に発生する見返り資金につき指摘がありました。それらは相手国政府で積み立てられ、経済社会開発に活用されますが、会計検査院より、積立期限後、長期間使用されない残高が相手国政府に合計約五十九億円あることが今回指摘されたところであります。
七年前、私が団長となって中東に派遣されたODA調査派遣団では、見返り資金協力等で整備されたパレスチナ自治区・ヨルダン川西岸地区の拠点病院が大変重宝されている報告を受けました。比較的少額ではありますが、人道支援で開発効果は大きく、日本外交にも大きく寄与しています。
見返り資金が長期間なぜ適正に把握されなかったか、その背景を伺います。また、相手国政府の積立状況を適切に把握しつつ、計画的な活用を促すよう、在外公館等の体制整備が進むことを見極めた上で、次年度の予算査定に反映すべきと考えますが、財務大臣の御所見をお伺いします。
下水道、道路、トンネル、橋梁、河川管理など、今後二十年間に建設から五十年以上経過する割合が加速度的に増加する中、社会インフラ整備は国と自治体が緊密に連携した中長期の整備実行計画を責任を持って進める必要があります。特に、成長型経済への転換を目前にする今、デフレ経済時と異なる観点を持つべきと考えます。
単純計算で二%の物価上昇が十年続けば、計画段階で百億円の事業は百二十二億円必要となります。加えて、直近十年間で建設資材物価指数は約四割増しとなっています。整備に時間を要するほどコスト上昇し、結果、整備期間の長期化や遅滞、新規事業化の先細りなど、強く懸念する声が地方現場にあります。
実際、近年、コスト高騰により自治体の公共工事の入札不調が全国で頻発しており、議会で当初計画を否決されたり、サイズダウンを迫られるなど、実情の改善を求める声は非常に多く上がっています。また、能登半島地震や八潮市の陥没事故など深刻な被害を鑑みれば、これまで以上に社会資本整備でのリダンダンシー、多重化を意識すべきです。
まさに、災害時の救急活動や支援物資の輸送等において代替路となる高規格道路網、例えば四国における8の字ネットワークの早期供用、さらに、本年改正された半島振興法に基づく道路や港湾等の交通基盤の防災回復力の強化につながる取組が求められています。
人材供給面では、全国で技術職員の応募が少なく、今後、専門家不足による行政執行が滞ることも予想され、深刻な事態が危惧されております。国家公務員の大卒一般採用試験の土木系の直近合格者は二百三十一名で、採用予定者数に対する合格率は五二%に低迷、地方自治体の採用難は更なる苦境が伝えられております。
そこで、国、地方の技術人材の確保と育成を含め、喫緊の社会インフラ整備の促進と維持管理など中長期的課題にどう取り組むか、金子国交大臣にお伺いをいたします。
地方自治体の財政難の改善も重要な論点です。
名目成長率のプラスが続く中、東京など地方交付税の不交付団体は地方税増加分の一〇〇%が財源として増える一方、その他大多数の交付団体は、増加分の七五%と同額の地方交付税が減額される仕組みのため、残り二五%しか実質的には財源増加はありません。今回の、全国の地方税収が増える中において、逆に都市、地方間の財政格差は拡大をしており、東京都の一人当たりの地方税収額指数は平均の約一・六倍、財政力指数では約二倍と、圧倒的に開きが生じております。
税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けた取組を、高市総理が出席された先月十四日の国と地方の協議の場でも地方六団体から強く要望されたと承知をしておりますが、これら強い声を受け、厳しい地方財政をどう充実するお考えか。中でも、首都圏と地方部の財政格差を今後具体的にどう調整するお考えか、大局的観点を総理にお伺いし、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
5
高市早苗(自民)内閣総理大臣
中西祐介議員からは、まず複数年度予算や決算サイクルについてお尋ねがございました。
複数年度にまたがる予算措置については、これまでも、例えば、五年間の防衛力整備計画や七年間のAI・半導体産業基盤強化フレームなどがあり、政府としては、歳出歳入両面の取組を通じて必要な財源の確保に努めつつ、重要な施策を後押ししてきたところでございます。こうした取組を参考にしながら、民間企業における投資の予見可能性を高め、真の官民連携を実現するため、必要に応じて複数年度の予算措置を用いることを検討してまいります。
また、決算サイクルにつきましては、国会における議決内容や決算結…
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6
片山さつき(自民)財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)
中西議員から、決算結果等の活用や連携、EBPMの推進についてお尋ねがありました。
政策効果を検証する政府の取組の連携につきましては、決算結果や行政事業レビューといった全省庁的な取組などをベースとした上で、決算検査報告や予算執行調査、行政評価といった個別の視点や目的での調査が実施されているところであり、これら重層的な取組を踏まえまして、より質の高い予算編成や予算執行に努めているところであります。
あわせて、EBPMの推進も重要であり、これまでも、行政事業レビューにおいてEBPMの手法を活用し、また、AIを活用した適切なレビューの指標設定も検討するなど、…
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7
金子恭之(自民)国土交通大臣
中西祐介議員から、社会資本整備の促進と維持管理の取組についてお尋ねがありました。
社会資本整備は、国民の生命、財産を守り、安全、安心を確保する基盤として、また力強い経済成長を実現する基盤として、さらには個性を生かした地域づくりの基盤として大変重要な役割を担う未来への投資であり、中長期的な見通しを持って戦略的、計画的に推進する必要があります。
特に、自然災害が激甚化、頻発化する中で、防災・減災、国土強靱化を図るための取組や、加速度的に進化するインフラ老朽化への対応は喫緊の課題でございます。災害時等における迅速な初動対応や早期の復旧復興を支えるため、例え…
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