東野篤子筑波大学教授

2025年3月13日・第217回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 171 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 231 発言)

臼井先生、貴重な質問をどうもありがとうございました。

ゼレンスキー大統領が独裁者であるという発言は、恐らくトランプ大統領だけではなくて、共和党の一部にあるいはアメリカ国民の一部に根強いものであろうかというふうに思います。

ただ、ウクライナに関してはロシアから侵攻を受けている状況です。ロシアから侵攻を受けている中で戒厳令が敷かれ、ウクライナの国内法では憲法と戒厳令法のこの双方で選挙が非常にやりにくい状況になっております。工夫すればできないことはないかもしれないですけれども、できたとしても技術的な問題が残るわけです。

例えば、戦線には多くの兵士が行っている、その兵士たちの投票をどうするのか。あるいは、数百万と言われる避難民がいる、その避難民の投票機会はきちんとあるのか。それから、投票を行ったとして、投票所に集まってきた人たちがロシアによる攻撃の対象になることはないのかなどなど、いろいろ考えますと大変に難しい状況であるかと思います。

このゼレンスキー大統領が独裁者であると、それは正当な大統領選挙を経ていない、あるいは大統領の任期が切れているにもかかわらず大統領の座にいるということですけれども、これはウクライナの国内法において、次の大統領が決まるまで今現職の大統領が大統領であるというはっきりとした規定がございます。これにのっとれば、ゼレンスキー大統領は正当な大統領であると言えると思います。

臼井先生の御質問の趣旨は、支持を得ているのかということでございました。独裁者発言があったそのすぐ後に、ウクライナの議会が全会一致でゼレンスキー大統領は正当な大統領であるということを再確認しております。やはりこの議会の意向というのは非常に重要であろうかというふうに思いますし、また、その翌日あるいは翌々日辺りに世論調査が行われたときに、ゼレンスキー大統領の支持率はむしろ上がっているというデータもございました。世論調査だけで大統領選挙に取って代わることはもちろんできませんけれども、しかし、戦時下という異常な状況、そしてロシアによる侵略を原因として大統領選挙ができない状況ということは、多くの、全てではないにしろ、多くのウクライナ国民が理解をしているという状況かと私は考えております。

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