お答えいたします。
御質問の同一の動産について複数の動産譲渡担保権が競合した場合ということでございますが、御指摘のとおり、現行法におきましては、占有改定を含む引渡しを受けた時点の前後によってその優劣関係が定まることとなっております。
しかしながら、この占有改定につきましては、自己の占有するものを以後相手方のために占有する意思を表示するというものでございまして、当事者の意思表示のみで行うことができるということでありますため、外部から認識することが困難であるという問題がございました。そのため、新たに動産を目的とする譲渡担保権の設定を受けようとする者は優先する譲渡担保権の有無を判断することができず、その結果、金融機関などの融資実務が妨げられているとの指摘がございました。
そこで、今回の譲渡担保法案では、競合する動産譲渡担保権の優劣関係が動産の引渡しの前後によって定まるというこれまでの原則を明文化するということとともに、その例外としまして、占有改定によって対抗要件を備えた譲渡担保権は、それ以外の例えば登記などの方法で対抗要件を備えた譲渡担保権に劣後するという占有改定劣後ルールを設けることとしたものでございます。
58
谷合正明(公明)
法的安定性の確保と企業の資金調達のその手法の多様化という御答弁でございました。
続きまして、譲渡担保契約における担保の対象について確認をしたいと思います。
譲渡担保契約の対象は車や機械などの動産や債権などで、不動産は含まれていません。まず、なぜ不動産を対象から外したのか、また、もし不動産を担保にした譲渡担保契約が結ばれた場合、どんなルールが適用されるのか、確認したいと思います。
この発言のページ
59竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
委員御指摘のとおり、譲渡担保法案は、不動産を目的とする譲渡担保契約についてはその適用を除外することとしております。これは、不動産については設定者がその目的である財産の使用収益をできる権利、担保権として抵当権が利用されている一方で、譲渡担保は現在では活発には利用されていないと言われていることから、不動産譲渡担保についての規定を設ける必要性は必ずしも高いとは言えないと考えられたことによるものでございます。
もっとも、譲渡担保法の規定の適用を除外したとしても、従来利用されてきたような譲渡担保の目的とすることができなくなるというわけではご…
この発言のページ
60
谷合正明(公明)
不動産譲渡担保の規定を設ける必要性が必ずしも高くないという御答弁でありましたけれども、一方では、その判例法理や解釈に委ねられていくということもお答えをいただきました。
続きまして、占有改定劣後ルールの創設の趣旨について神田政務官にお伺いしたいと思います。
動産譲渡担保契約につきまして、同じ動産に複数の担保権が重なった場合、これまでは対抗要件を先に整えた方が優先されていました。今回、占有改定で対抗要件を整えた人は、登記などほかの方法で対抗要件を整えた人に劣後するルールが新しくできました。このルールを新設した理由についてお答えいただきたいと思います。
この発言のページ
- (上の発言)
61
神田潤一(自民)法務大臣政務官
お答えいたします。
御質問の同一の動産について複数の動産譲渡担保権が競合した場合ということでございますが、御指摘のとおり、現行法におきましては、占有改定を含む引渡しを受けた時点の前後によってその優劣関係が定まることとなっております。
しかしながら、この占有改定につきましては、自己の占有するものを以後相手方のために占有する意思を表示するというものでございまして、当事者の意思表示のみで行うことができるということでありますため、外部から認識することが困難であるという問題がございました。そのため、新たに動産を目的とする譲渡担保権の設定を受けようとする者は優先する譲渡担保権の有無を判断することができず、その結果、金融機関などの融資実務が妨げられているとの指摘がございました。
そこで、今回の譲渡担保法案では、競合する動産譲渡担保権の優劣関係が動産の引渡しの前後によって定まるというこれまでの原則を明文化するということとともに、その例外としまして、占有改定によって対抗要件を備えた譲渡担保権は、それ以外の例えば登記などの方法で対抗要件を備えた譲渡担保権に劣後するという占有改定劣後ルールを設けることとしたものでございます。
62
谷合正明(公明)
結果的には、その登記が対抗要件として利用されるということが多くなるということ、登記を促していくということであるというふうにも理解をいたしました。
続いて、次は、質問は、ちょっと既に出ているので、一つ飛ばしまして、牽連性のある代金債務のみを担保する動産譲渡担保権の対抗要件について質問したいと思います。
動産譲渡担保契約で牽連性のある、関連する代金債務だけを担保にする場合、担保となる動産を引き渡さなくても第三者に権利を主張できるとされています。なぜこの牽連性があるというだけでこうした強い権利を認めるということになるのでしょうか。
この発言のページ
63竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
判例におきましては、目的物と牽連性のある金銭債務のみを担保するための所有権留保の売主は、対抗要件を具備していなくても、これによって留保した所有権を第三者に対抗することができるとされております。これは、売主が信用を供与した、すなわち売ったということによって、目的である動産が設定者の財産を構成するに至ったという関係にありますので、当該売主がその動産から他の債権者に優先して弁済を受けられることが実質的公平にかなうということなどを根拠とするものであります。その結論は、実務においてもおおむね支持をされて定着していると考えられます。
そして、…
この発言のページ
64
谷合正明(公明)
続きまして、見積価額の合理性の判断基準について伺いたいと思います。
動産譲渡担保権を私的実行する際に、担保物の見積価額とその計算根拠を担保を設定した人に通知する必要があります。この見積価額は合理的な方法で計算するとされていますが、その合理性の判断基準というものはどのように決めているのか、この点について確認させてください。
この発言のページ