仁比聡平 (日本共産党)

2025年5月15日・第217回国会 参議院 法務委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 173 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 228 発言)

自分に不利なこと、あるいは自分がそうした行為を、供述を強制される、観念の表出を強制されるということは人間の尊厳そのものに関わるんですよ。尊厳を持った生存を根底から揺さぶられてしまうからこそ、黙秘権の保障があり、自己負罪拒否特権という権利が確立してきているわけですよね。

だからこそ、私は、もし今刑事局長がおっしゃるような趣旨の令状請求がされたとしたときには、裁判官は断固としてそのような憲法侵害の令状は出さないと判断すべきだと思います。

最高裁の様々な強制処分に関する決定というのは、検察がそのようなことを行い、国がそれは合憲だと主張してきたことによってそういう幾つかの判決が形成されているわけですよね。言わば検察の論理ですよ。検察の論理に立ってはならないと。我々が立つべきは、憲法三十八条であり憲法三十五条であり、刑事手続における人権保障である。そのことがこの法案には全くないがしろにされているということが、先ほど打越さんの議論の中で明らかになったのではないかと思います。

だからこそ、私は、今日で審議を終局する、採決に及ぶことは反対だと申し上げてきました。今の点についてもきちんと議論をしていけば、先ほど打越さんが求められていたような議論に到達するかもしれないけれど、そうなっていないというのが今の現実じゃないですか。

その点で、聞いておきたいことがあります。

オンライン取調べを現在も行われているのですが、この法案によってオンライン取調べを警察や検察が行う、特に検察のオンライン取調べを記録した供述録取書、そういう電磁的記録というのがこれからは伝聞法則の例外として裁判の証拠として使えるんだという趣旨の改正条文があります。

この伝聞法則というのは、反対尋問を経ていないそういう証拠というのは、裁判官の面前で反対尋問を経ていない証拠というのは誤ったものが山ほど入っているから、だから裁判の証拠にしちゃ駄目ですよと、ざっくりそんなようなことなんですが、その点について、五月八日、渕野参考人が、法案では、国外に所在する証人に対するビデオリンク方式による証人尋問は認められていないと。これは、国外で偽証されると偽証罪で起訴しても公判の出頭を確保できないし、偽証罪の犯罪事実を立証するための証拠も収集できないので、威嚇効果が働かず、事実認定を誤らせるおそれが強いという理由が示されている。一方で、国内に所在する対象者にはオンライン取調べは限定されない。つまり、国外の証人にビデオリンク方式の証人尋問は認めないという法案が、国外の証人をオンライン取調べをした調書については、国外ではできないからという理由で伝聞例外として採用を求め、それを裁判所が採用するということになるじゃないかと指摘をしているんですね。

これ、法務省刑事局長、そうなるんですか。

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