国際法の考え方がどう変わっていくのかにもよるのかもしれませんけど、基本的には、それは主権の行使の問題を生じ得るので抑制的になるのではないかということとともに、それから、裁判所の判断におきましても、仮にですけれども、仮に先生がおっしゃったような形で取調べを行って、それについて特信性が認められるかどうかというときには、裁判官、裁判所といたしましても、その供述調書がビデオリンクによる取調べにおいて作成されたものであるということをもちろん考慮した上でその証拠能力について判断するということになると思いますので、なかなかすぐに、じゃ、海外にいるから、どこにいるから、オンラインでやればいいというような形で、それですぐに伝聞例外が、逆に調べられないんだから要件が認められるというような形では実務は動いていかないというふうには考えております。
森本宏法務省刑事局長
2025年5月15日・第217回国会 参議院 法務委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 176 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 228 発言)
前後のやりとり
自分に不利なこと、あるいは自分がそうした行為を、供述を強制される、観念の表出を強制されるということは人間の尊厳そのものに関わるんですよ。尊厳を持った生存を根底から揺さぶられてしまうからこそ、黙秘権の保障があり、自己負罪拒否特権という権利が確立してきているわけですよね。 だからこそ、私は、もし今刑事局長がおっしゃるような趣旨の令状請求がされたとしたときには、裁判官は断固としてそのような憲法侵害の令状は出さないと判断すべきだと思います。 最高裁の様々な強制処分に関する決定というのは、検察がそのようなことを行い、国がそれは合憲だと主張してきたことによってそ…
まず、三百二十一条一項二号と、それから国外の所在の証人の偽証の制裁の下で信用性が担保されるかどうかということと、先ほど言った三百二十一条一項二号の中での特信性をどう判断していくのかというものについて要件が違いますので、まず委員がおっしゃったように、どう違うのかということを、制度が違うので一概には言えないと思いますが、そもそもなんですけれども、今先生がおっしゃったのが、海外にいる人を検察官がビデオリンクで取り調べるということであるとすると、そもそも、その先生の御議論の前に、国内の我々捜査機関が外国に対して主権を行使するという問題が生じますので、まず、そこの…
つまり前提として、法文全体は、二段階のこの刑事訴訟法の改正によって、そういう、私が申し上げたような、渕野参考人が刑事訴訟法の研究者としてそのように読めるというふうにおっしゃっているような条文規定になっているんですよ。
今刑事局長が言われているのは、その法文はそうかもしれないがという括弧付きなのかもしれないですけど、そもそも検察は、国外の証人に対するオンライン取調べは、まあ基本できませんと、あるいはやりませんというふうにおっしゃっているんだと思うんですね。そうなんですか。
- (上の発言)
国際法の考え方がどう変わっていくのかにもよるのかもしれませんけど、基本的には、それは主権の行使の問題を生じ得るので抑制的になるのではないかということとともに、それから、裁判所の判断におきましても、仮にですけれども、仮に先生がおっしゃったような形で取調べを行って、それについて特信性が認められるかどうかというときには、裁判官、裁判所といたしましても、その供述調書がビデオリンクによる取調べにおいて作成されたものであるということをもちろん考慮した上でその証拠能力について判断するということになると思いますので、なかなかすぐに、じゃ、海外にいるから、どこにいるから、オンラインでやればいいというような形で、それですぐに伝聞例外が、逆に調べられないんだから要件が認められるというような形では実務は動いていかないというふうには考えております。
警察官がオンライン取調べをやるということがあると思いますが、これも三百二十一条の三号書面として認められることがあり得るということなんですか。
済みません。お待たせして申し訳ございません。
まず三号は、面前の要件がないということと、それから、さらに二号書面以上に特信性の要件が満たされるかどうかということになりますので、今の議論以上に難しい状況になるということですので、これも含めて、余り想定し難い感じかなというふうには思っております。
そのような実務を想定しているというのが今の議論なんですね。
もう一点、ビデオリンクによる証人尋問について、共犯者的な立場の証人であることも少なくないと。だから、対面での十分な反対尋問の機会を保障する必要が高いということも渕野先生はおっしゃっていますが、この点はいかがですか。