仁比聡平 (日本共産党)

2025年5月15日・第217回国会 参議院 法務委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 171 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 228 発言)

日本共産党の仁比聡平でございます。

まず、午前中の打越さく良委員が自己負罪拒否特権の保障とパスワードを始めとした議論を果敢になされたことに対して、心から敬意を申し上げたいと思います。この議論に対する法務省、法務大臣の答弁は極めてひどいものでした。私は抗議を申し上げたいと思うんです。

通告していませんから、刑事局長と、私、これ以上の議論をするつもりはなくて、私のコメントとして聞いていただけたらと思うんですが、刑事局長が、呼気検査に関する最高裁判例を援用して、この電磁的記録提供命令に際しての被疑者、被告人のパスワードの問題を同質の問題だというふうに言っていることには、大臣、これごまかしがあると思います。

呼気検査は、大臣もイメージ湧くと思いますが、酒酔い運転などで、呼気の中にアルコール分があるわけですよね。これを警察が調査をするという検査です。一方で、デジタル個人情報は、パソコンやあるいはオンラインの中にあるものですけれども、これはパスワードなどを入れなければ読めるようにはならないわけですよね。

呼気検査における検知管などのものと、それから読めるようにするという手続、手順というのを同質のものに見るというのが刑事局長の答弁の前提にあると思いますが、パスワードの入力は検知管とは全く異質のもの、つまり独立して被疑者の人権を侵害するものです。なぜなら、それは記憶しているパスワードを表出するという観念の表出だからです。

先ほどの議論を聞いていて、私は、むしろ呼気検査などではなくて、うそ発見器の議論を想起しました、ポリグラフ検査というものですけれども。ポリグラフ検査というのは、一定の質問に対して、検査を受けている被疑者の応答に伴って脈拍、呼吸、発汗という、こういう生理的変化が起こる、それを記録して、うそかどうかを発見しようとするという、こういう仕掛けなんですね。

こういう捜査手法に対して、脈拍だとか呼吸だとかを記録するんだから供述とは言えないという議論がありました。もしかしたら今もあるのかもしれない。それはとんでもないでしょうと。質問への応答というのは内心の表出なのであって、これは被疑者の供述の一種と見るべきであって、黙秘権保障、自己負罪拒否特権の保障が及ぶという議論であって、しかも包括的に黙秘権を放棄するなんということはあり得ないんだから、だからこんな検査は許されないし、ましてや裁判の証拠に扱うことは許されないと。それが私は議論だと思いますよ。

刑事局長のあるいは法制審以来の法案提案者のこの自己負罪拒否特権に関するまとめだとか答弁だとかというのは、一貫してそのごまかしに満ちている。とんでもないと。その上に、法案では、パスワードを入力させなくても通信電気事業者に読めるようにしてくださいねという令状を出せば全部読めるという、そういうことになっているわけですよね。それが私の法案に対する理解であり、コメントなんですが。

大臣にその点について一問だけ、大臣としてあるいは政治家として、人間としてどうなんですかとお聞きしたいのですが、思いも寄らない令状が突然示されて、御自身のパソコンの前に座らされて、パスワードを入力しろと周り中囲まれて言われる、あるいはスマートフォンを目の前にかざされて、ここで顔認証しろと、あるいはパスワード入力しろと、そう言われるということを想定したとき、想像したときに、屈辱的じゃありませんか。自分の存在、知られたくないこともたくさんあるかもしれない、知られていいことだって、そうやって強制されて丸裸にされるということは極めて屈辱的でしょう。

大臣、どう感じますか。

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