大屋雄裕慶應義塾大学法学部法律学科教授

2025年5月22日・第217回国会 参議院 内閣委員会 第16号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 87 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 116 発言)

お答えいたします。

村上参考人がおっしゃった安全と安心の違いということを前提として、二点ほど考えられようかと思います。

一つは、ある種のバイアスがやはり報道から生じるであろうと。つまり、システムというのは異常動作が起きたときだけ報道されますので、かつての体感治安の問題と同じでございます。

事件が起きると報道される、そのために、犯罪は周りで増えているというふうに思う方はそれなりに市民の中で多いわけですが、実は犯罪は統計としては減り続けているわけですよね。このような形で、やはり、詳しくない方ほど、技術的な実情というのを余り理解しないままに不安感が高じているというところは一つあるのだと思っております。

もう一つは、AIという言葉で何を想像しているのかというところにずれがあるだろうと思っております。

そもそも、AIという言葉を正確に定義するのは各種の行政文書が全て失敗しているのですが、例えば、古典的な例ですけれども、映画の「二〇〇一年宇宙の旅」ですか、あれに出てきたHAL9000みたいなものを考えると、あれがやはり人類に反逆するのではないかという不安感を持たれるわけですよね。その一方で、かなり多くの国民の方は日常的にスマートフォンを利用しておられ、そのときは指紋認証とか顔認証という、まさにAI技術で認証を掛けているわけですよね。

その日々日常に浸透して、日々我々が使っているものがAIであるということを我々はすっかり忘れる傾向がありまして、したがって、そういうものではない、自分が使ったことのない未知のものをAIと置いた上で、それは不安だと思っておられるのではないかということも我々は考えていかなければいけないと思っております。

以上です。

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