ありがとうございます。
今、日弁連の意見書を御指摘いただきましたけど、この十ページの辺りにその関連のところが書いてあるんですけど、三月十九日の衆議院内閣委員会で、飯島審議官の方で、マルウェアの感染を発見し、いまだ発動していないが、C2サーバーと定期的に通信を行っていることが認められるため、攻撃者の意図次第でいつでもサイバー攻撃が行われると認められる場合というのがその無害化措置が行われるケースとして挙げられているわけです。
その注のところに書いてありますけど、中村和彦国際法局長の方の著作を見ますと、自国の重要インフラのシステム内にマルウェアが侵入していることが確認されたが、そのもたらす損害、侵害等が全く判明していない段階で国際法上の義務に違反し得るハックバック等を行うことについては、急迫性の要件を満たすと説明することは困難と思われるというふうにされているわけですね。
ですから、ちょっと中村さんがおっしゃっていることと対比するとかなり政府の要件というのは緩いだろうと。警職法に書かなくてもほかのいろんな要因で国際法を守るんだというお話なんですけど、ただ、少なくとも今の政府答弁は、どう考えても緊急避難の要件についてはかなり甘く見ているんだろうと思っているんですよね。そのような政府の姿勢プラスこの警職法の緊急避難の要件を踏まえていない条文を足して考えると、やはり緊急避難の要件を満たさない無害化措置をやっちゃうリスクがあるんじゃないかというふうに私は懸念しています。
ですから、ちゃんと緊急避難の要件は書き込むべきだろうと思っています。
106酒酒井啓亘早稲田大学法学学術院教授
ありがとうございます。
武力行使、ユース・オブ・フォースの定義について、一般国際法上決まった敷居というものがあるかどうかというのは大変難しい問題です。例えば、一国内の争乱状態で行われる警察行為が、例えばそこに国外からの反乱、反政府勢力などが関与した場合に、じゃ、そこに武力の行使というのが生まれるのかといったような極めて難しい問題というのがやっぱり国際社会には起きるわけですね。そういった、何というんですかね、限界事例みたいなものを考えていくと、安易に、武力の行使はこのレベルで、それ以下であれば武力の行使に当たりませんよというような普遍的な合意がなされてい…
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107
井上哲士(共産)
その上で、国際法上にその違法性が阻却される事由の話も先ほど来ありました。これ、酒井参考人、齋藤参考人にもお聞きしたいんですけど、このタリン・マニュアル二・〇が議論になってきました。日弁連のこの意見書にも書かれておりますが、このタリン・マニュアルでは、国の根本的な利益に対する重大で差し迫った危険と利益を守る唯一の手段である場合というふうになっているんですね。
ところが、この警職法改正案では、そのまま放置すればということで、この差し迫った危険ということではありません。それから、人の生命、身体又は財産に対する重大な危害が発生するということで、国の根本的な利益…
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108酒酒井啓亘早稲田大学法学学術院教授
ありがとうございます。
さきにも申し上げましたけれども、この警職法の新しい第六条の二の特に第二項というのは、私自身は必ずしも、国際法上の緊急状態をそのまま要件化して、その要件をその法律の下、国内法の下に落としたということではないというふうに考えています。
ただ、もちろんその法令の中に明らかに国際法に違反するような文言あるいは要件が書き込まれていたら、それ自体、まあ法律が違法になるか、あるいはその法律に基づいた実行が違法になるかはともかくとして、国際違法行為が生じ得る可能性が高いわけですから、その内容についてはやはり国際法に合致した内容にしなければいけ…
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- (上の発言)
109齋齋藤裕弁護士
ありがとうございます。
今、日弁連の意見書を御指摘いただきましたけど、この十ページの辺りにその関連のところが書いてあるんですけど、三月十九日の衆議院内閣委員会で、飯島審議官の方で、マルウェアの感染を発見し、いまだ発動していないが、C2サーバーと定期的に通信を行っていることが認められるため、攻撃者の意図次第でいつでもサイバー攻撃が行われると認められる場合というのがその無害化措置が行われるケースとして挙げられているわけです。
その注のところに書いてありますけど、中村和彦国際法局長の方の著作を見ますと、自国の重要インフラのシステム内にマルウェアが侵入していることが確認されたが、そのもたらす損害、侵害等が全く判明していない段階で国際法上の義務に違反し得るハックバック等を行うことについては、急迫性の要件を満たすと説明することは困難と思われるというふうにされているわけですね。
ですから、ちょっと中村さんがおっしゃっていることと対比するとかなり政府の要件というのは緩いだろうと。警職法に書かなくてもほかのいろんな要因で国際法を守るんだというお話なんですけど、ただ、少なくとも今の政府答弁は、どう考えても緊急避難の要件についてはかなり甘く見ているんだろうと思っているんですよね。そのような政府の姿勢プラスこの警職法の緊急避難の要件を踏まえていない条文を足して考えると、やはり緊急避難の要件を満たさない無害化措置をやっちゃうリスクがあるんじゃないかというふうに私は懸念しています。
ですから、ちゃんと緊急避難の要件は書き込むべきだろうと思っています。
110
井上哲士(共産)
時間ですので。ありがとうございます。
持永参考人、質問できなくて申し訳ありませんでした。
ありがとうございました。
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111
大島九州男(れいわ)
れいわ新選組、大島九州男でございます。本日はありがとうございます。
まず最初に、酒井参考人と持永参考人にお伺いをしたいんですけど、能動的サイバー防御は米国や英国、そしてカナダやオーストラリアなどで既に導入をされており、今般の我が国の制度設計においてもそうした国の制度が参考にされているというふうに思いますが、一方で、ドイツはこれらの国よりも抑制的な考え方であり、アクセス・無害化措置についてはまだ実施していない、あるいはその導入を検討中のようにも伺っていますが、我が国の能動的サイバー防御法案は、それらの諸外国の類似の仕組みと比較してどういう部分が優れていて…
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112酒酒井啓亘早稲田大学法学学術院教授
御質問ありがとうございます。
恐らく、どういう措置を制度設計して、それを運用していくかというのは政策の問題だと思いますので、国際法の観点から言えることというのはそれほどないんですけれども、もちろん、例えばイギリスだとか、先制的に予防的にその措置をとるのではなくて、それもあるんだけれども、むしろ起こった後、こちらが危害を加えられた後のことを考えて対処をするんだということを視野に入れた政策を取るという国も幾つかあると思います。それは、その国それぞれの考え方の違いが反映されている、力点の違いというのでしょうかね、というのがあると思うんですね。
日本はその点…
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