酒井啓亘早稲田大学法学学術院教授

2025年5月8日・第217回国会 参議院 内閣委員会 第12号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 106 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 140 発言)

ありがとうございます。

武力行使、ユース・オブ・フォースの定義について、一般国際法上決まった敷居というものがあるかどうかというのは大変難しい問題です。例えば、一国内の争乱状態で行われる警察行為が、例えばそこに国外からの反乱、反政府勢力などが関与した場合に、じゃ、そこに武力の行使というのが生まれるのかといったような極めて難しい問題というのがやっぱり国際社会には起きるわけですね。そういった、何というんですかね、限界事例みたいなものを考えていくと、安易に、武力の行使はこのレベルで、それ以下であれば武力の行使に当たりませんよというような普遍的な合意がなされているというのは言えないというのが現実だと思います。

ただ、その場合に考慮要因になるのはやはり、どの程度の被害が生じるのかとか、どういう手段が使われているのかとか、いろいろな考慮要因があって、これは武力の行使に当たるでしょうね、あるいはこれは武力の行使には当たらないでしょうねというような判断がなされるんだと思うんです。

本件、この法案で想定されているアクセス・無害化措置というのは、基本的には被害を出さない、損害を生じさせないということを前提に組み立てられていると承知していますので、その意味では、どこにその武力行使の定義の敷居があるにせよ、その措置が武力行使の敷居を越えることはないというふうに考えられているんじゃないかというふうに個人的には思っています。

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