まず、基本的な点といたしまして、国民にとって大事なのは消費者物価総合の動きであるということはもちろん認識してございます。
その上で、なぜ私どもが基調的物価の上昇率に特に着目するかという点でございますが、一つには、私どもの物価安定の目標が中長期的に二%のインフレ率が持続的、安定的に続くというところにあるということでございます。ですから、一時的に二%ということではなくて、中長期的に安定した姿でそれが達成できるかどうか、そういう観点からしますと、中長期的に続く物価の動きを見ていきたいということが一つございます。
それから、政策運営で金利を上げたり下げたり、その他いろいろ調整するわけですけれども、これが経済あるいは物価に影響を及ぼすには時間が掛かることがほとんどの場合でございます。そうしますと、今起こっていることに反応しても遅いわけでして、将来物価にどういう動きが起こるかということを予想して現在の政策を決めなくてはいけないということになります。その将来の動きを、物価の動きを見る際にも、基調的な物価上昇率のようなものを見ないといけないということになってまいります。
そうしますと、次に、じゃ、それをどうやって捉えるのかということになります。例えば、消費者物価総合から生鮮食品を除くということで基調的な物価がかなり正確に捉えられるということであれば、かなり分かりやすいわけですが、特に最近ではこの一時的な物価の動きということを決める要因が割と次々に変化しておりまして、一つの指標を取ってくればこれで今後五年、十年の消費者物価の動きがかなり予想できるというようなものが残念ながらなかなかないという状況でございます。
ですので、こうした一時的あるいは長期的に続く物価の動きがどこからくるのかという根っこの要因にまで遡りまして、いろいろ総合的に考えてという作業を繰り返しているところでございますが、委員御指摘のように、明らかに曖昧さとか分かりにくさが非常にあるということは認識しておりますので、少しずつ、不十分ながらも、どういう指標である程度捉えられるか、複数の可能性を発表したり、いろいろ努力しております。
今後とも、更に工夫の余地がないか検討してまいりたいと思っております。
42
熊谷裕人(立憲)
ありがとうございます。
来週、総裁、G20の財務大臣、それから金融政策担当の会議に出られて、今おっしゃっていただきましたが、是非各国の金融政策の担当者と十分に連携をしていただいて、各国がやっぱり困っているんだと思っていますので、是非、対米、アメリカだけを一方的にということではないんですけれど、世界経済やっぱり減速をさせてはいけないということ、これ世界経済や日本に、経済に与える影響というのは大きいと思っていますので、是非、各国と協調していただければ有り難いなというふうに思っております。
続いて、食品価格の上昇と、冒頭、概要説明をいただいたときにも、基調…
この発言のページ
43植植田和男日本銀行総裁
食品価格が基調的な物価にどういう影響を与えるか与えないかという点の御質問でございますが、もちろん、割と通常は天候要因の動き等によって食品価格は動き、天候が回復するとその食品価格の動きも落ち着くという形で、一時的なものに終わるということが多いのだと認識しています。
ただ、今回、米価格の上昇等やや長引いていますので、基調的な物価に複数のメカニズムで影響を与える可能性についても注意して見ていかないといけないとは思っています。
例えば、消費者マインドが価格上昇によって低下して、これが消費を弱めてしまう、そうすると、物価に対しては下押し圧力の力が働く。他方で、…
この発言のページ
44
熊谷裕人(立憲)
ありがとうございます。
済みません、これ、理事の方が答弁いただく予定になっていたのかもしれませんが、総裁に御答弁いただきまして、ありがとうございます。
私は、そこのところはちょっとなかなか、一時的なものというのは理解はさせていただくんですけれど、総裁自身も過去に、基本的な物価上昇率について、単一の指標の動きに基づき評価できるものではなく、各種の物価指標に加えて、物価変動の背後にあるマクロ的な需給ギャップや予想物価上昇率、賃金上昇率など、経済、物価に関する様々な情報を見た上で判断するものであり、その捕捉は必ずしも容易ではないというふうに述べられているの…
この発言のページ
- (上の発言)
45植植田和男日本銀行総裁
まず、基本的な点といたしまして、国民にとって大事なのは消費者物価総合の動きであるということはもちろん認識してございます。
その上で、なぜ私どもが基調的物価の上昇率に特に着目するかという点でございますが、一つには、私どもの物価安定の目標が中長期的に二%のインフレ率が持続的、安定的に続くというところにあるということでございます。ですから、一時的に二%ということではなくて、中長期的に安定した姿でそれが達成できるかどうか、そういう観点からしますと、中長期的に続く物価の動きを見ていきたいということが一つございます。
それから、政策運営で金利を上げたり下げたり、その他いろいろ調整するわけですけれども、これが経済あるいは物価に影響を及ぼすには時間が掛かることがほとんどの場合でございます。そうしますと、今起こっていることに反応しても遅いわけでして、将来物価にどういう動きが起こるかということを予想して現在の政策を決めなくてはいけないということになります。その将来の動きを、物価の動きを見る際にも、基調的な物価上昇率のようなものを見ないといけないということになってまいります。
そうしますと、次に、じゃ、それをどうやって捉えるのかということになります。例えば、消費者物価総合から生鮮食品を除くということで基調的な物価がかなり正確に捉えられるということであれば、かなり分かりやすいわけですが、特に最近ではこの一時的な物価の動きということを決める要因が割と次々に変化しておりまして、一つの指標を取ってくればこれで今後五年、十年の消費者物価の動きがかなり予想できるというようなものが残念ながらなかなかないという状況でございます。
ですので、こうした一時的あるいは長期的に続く物価の動きがどこからくるのかという根っこの要因にまで遡りまして、いろいろ総合的に考えてという作業を繰り返しているところでございますが、委員御指摘のように、明らかに曖昧さとか分かりにくさが非常にあるということは認識しておりますので、少しずつ、不十分ながらも、どういう指標である程度捉えられるか、複数の可能性を発表したり、いろいろ努力しております。
今後とも、更に工夫の余地がないか検討してまいりたいと思っております。
46
熊谷裕人(立憲)
ありがとうございます。努力をしていただければ有り難いなというふうに思っております。
消費者、生活者の実感は、もうずっと物価高が続いているんじゃないかなというのがマインド、消費者マインド、実感になるのかなというふうに思っておりまして、私は、それは過度な円安からずっときているというふうに本委員会でも指摘を続けさせていただいてきたところでございます。
最後に、日銀の大量国債保有による国債市場の機能度への影響についてお尋ねをしたいと思います。
日銀は昨年七月に長期国債の買入れ減額を公表しておりまして、その後、着実に減額をしているというところだというふうに私…
この発言のページ
47植植田和男日本銀行総裁
私ども、昨年七月に来年三月までの国債買入れ減額の方針を決定して、ここまでのところ、その計画に沿って買入れを進めている、あるいは買入れの減額を進めているところでございます。
市場機能度についてでございますが、私どもが実施しております債券市場でのサーベイ調査の結果を見ますと、依然として低いという回答が多くなっておりますが、このところ改善方向にもあります。もう少し詳しく見てみますと、日銀保有比率の高い銘柄では引き続き例えば流動性等が低いという状況にある一方で、新発債では流動性、機能度が改善しているという声も聞かれております。
今年、先行きですが、六月には買…
この発言のページ
48
熊谷裕人(立憲)
時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
この発言のページ