植田和男日本銀行総裁

2025年4月17日・第217回国会 参議院 財政金融委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 45 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 126 発言)

まず、基本的な点といたしまして、国民にとって大事なのは消費者物価総合の動きであるということはもちろん認識してございます。

その上で、なぜ私どもが基調的物価の上昇率に特に着目するかという点でございますが、一つには、私どもの物価安定の目標が中長期的に二%のインフレ率が持続的、安定的に続くというところにあるということでございます。ですから、一時的に二%ということではなくて、中長期的に安定した姿でそれが達成できるかどうか、そういう観点からしますと、中長期的に続く物価の動きを見ていきたいということが一つございます。

それから、政策運営で金利を上げたり下げたり、その他いろいろ調整するわけですけれども、これが経済あるいは物価に影響を及ぼすには時間が掛かることがほとんどの場合でございます。そうしますと、今起こっていることに反応しても遅いわけでして、将来物価にどういう動きが起こるかということを予想して現在の政策を決めなくてはいけないということになります。その将来の動きを、物価の動きを見る際にも、基調的な物価上昇率のようなものを見ないといけないということになってまいります。

そうしますと、次に、じゃ、それをどうやって捉えるのかということになります。例えば、消費者物価総合から生鮮食品を除くということで基調的な物価がかなり正確に捉えられるということであれば、かなり分かりやすいわけですが、特に最近ではこの一時的な物価の動きということを決める要因が割と次々に変化しておりまして、一つの指標を取ってくればこれで今後五年、十年の消費者物価の動きがかなり予想できるというようなものが残念ながらなかなかないという状況でございます。

ですので、こうした一時的あるいは長期的に続く物価の動きがどこからくるのかという根っこの要因にまで遡りまして、いろいろ総合的に考えてという作業を繰り返しているところでございますが、委員御指摘のように、明らかに曖昧さとか分かりにくさが非常にあるということは認識しておりますので、少しずつ、不十分ながらも、どういう指標である程度捉えられるか、複数の可能性を発表したり、いろいろ努力しております。

今後とも、更に工夫の余地がないか検討してまいりたいと思っております。

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