是枝俊悟株式会社大和総研金融調査部主任研究員

2025年6月11日・第217回国会 参議院 厚生労働委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 50 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございます。

まず、そもそも、働きたいけど働けないといって、働き控えの問題は三号の原因があるせいじゃないかというのは、私は違うと思っております。それは、三号で社会保険料が免除されるからではなく、厚生年金に入れないからこそ生じる問題だと思います。

たとえ年収ゼロ円の方が社会保険料ゼロ円であっても、年収十万円なら十万円の一八・三%、二十万円なら二十万円の一八・三%の社会保険料を負担していただく形にすればどこにも段差は生じないので、年収ゼロ円の方だけに保険料をゼロとしたとしても、何ら働き控えを生じるような問題は生じません。

ただ、実際には適用拡大を行うのがなかなか難しいから三号のせいで働き控えが生じているように見えるのですが、私は、これは三号の問題ではなく、適用拡大ができていないための問題というふうに思っております。

その上で、猪瀬委員おっしゃったとおり、三号というのは婚姻制度の中にいる者だけが保護される制度であり、それについて社会的なコンセンサスがどこまで得られるのかというのもまた問われていることを認識しております。猪瀬委員おっしゃるとおり、シングルマザーで引きこもりの子供を抱えている方の場合ですと、自らは三号になれないわけですから、そういった方も含めると、今の制度が妥当なのかという議論も当然あってしかるべきだと思っております。

ただ、やはり、今の三号制度が包括的に守っているもの、一つ一つ、例えば、引きこもりの子供がいる場合、不妊治療を受ける場合、本人の病気がある場合というのを個別の制度ですべからく救うことができればよいのですけれども、なかなか一つ一つ国民の御理解をいただいて予算を通していくということは簡単なことではないと思っております。

比較考量の観点で、三号の悪さというのがどの程度なのかということを踏まえた上で御議論いただきたいと思っております。

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