駒村康平慶應義塾大学経済学部教授

2025年6月11日・第217回国会 参議院 厚生労働委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 30 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

五ページの議論でございますけれども、まず、基礎年金というものが全ての国民にとって極めて重要な、これは老齢年金のみならず、障害年金、遺族年金も含めて極めて重要であるということをまず皆様に理解していただくというのが一つと、それから、基礎年金と厚生年金と国民年金の関係について、制度ができてもう四十年たつのにどうもきちんと伝わり切れていなくて、基礎年金、括弧、国民年金というと、国民年金イコール自営業年金みたいな感じの理解をされていますけれども、これは、基礎年金というのは厚生年金の一階部分に該当しますよということをまず理解して、この辺が大事かと思います。

その上で、国庫負担についてどうしてもやっぱり注目を浴びます。ただ、これを、御留意いただきたいのは、適用拡大であろうが四十五年であろうが早期停止であろうが、基礎年金の給付水準を上げればどっちみち国庫負担は増えるということでありまして、早期停止だけで増えるわけでは、早期停止だけが国庫負担を増やすというわけではないということでございます。ただ、インパクト的には大きい。まだ時間的には余裕はありますけれども、将来出てくると思います。

一方で、年金、社会保障の将来推計を見ると気になる点が一個ありまして、対GDPに対する年金の給付水準は一〇%弱、九%台で収まるというふうな見通しになっている、一方で、福祉系の予算も頭打ちになっていると。これはちょっとおかしいんではないかと思っておりまして、対GDP比で年金の水準が収まるということは、これはその分だけ所得保障の守備範囲が小さくなりますので、貧困率が上がって生活保護の給付も増えるはずだと。それを踏まえて総合的に、社会保障全体の公費支出を総合的に見た上で本当に将来出てくる国庫負担はどのくらいなのかということを見分ける、ちゃんと分析していく必要はあるだろうと思います。

まあ国庫負担が必要になってくることは間違いないとは思いますけれども、社会保障全体でどのくらいのインパクトになるのかを見分けていくということが必要ということで、今日、制度横断的な議論も必要ではないかというお話をさせていただきました。

以上です。

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