お答え申し上げます。
排出量取引制度の検討に当たりましては、憲法を始めとした我が国の法体系に当てはめた際の論点について、各法律分野を専門とする学識者や実務家をメンバーとする法的課題研究会というものを開催し、議論を重ねてまいりました。研究会におきまして、御指摘の営業の自由等の憲法上の権利保護規定と整合した形で排出量取引制度を設計するために留意すべき点についても議論がなされました。具体的には、排出削減と経済成長を両立させるという点で複合的な目的を有する排出量取引制度の設計には専門技術的かつ政策的な判断が必要であることから、広範な立法裁量が認められるとしつつ、その制度の設計に当たりましては、当該措置と目的との合理性や事業者の予見性の確保などの配慮が求められるといった指摘があったところでございます。
こうした指摘を踏まえまして、本法案におきましては、排出枠の割当て量の決定方法につきましては、法令上明確に定め、その詳細についても審議会のプロセスを経て決定するということで、行政裁量を可能な限り排除するという措置であったり、価格安定化措置の発動要件、方法につきましても、法令上明確に定め、排出枠の価格が当該措置により変動し得ることをあらかじめ企業に対し予見をさせるといったような措置を講じることとしておりまして、こうした制度内容であれば憲法上の権利の不当な侵害にはならないというような有識者からの意見も付されたというところでございます。
引き続き、本研究会での意見を踏まえながら、制度の設計を進めてまいりたいと考えているものでございます。
43
古賀之士(立憲)
ありがとうございます。
一方で、その今のベンチマーク方式で、グランドファザリング方式はううんというような、そういうような御答弁でしたけれども、海外の例を御紹介します。内閣官房に更に伺います。
実際、EUでも、これ最初、グランドファザリング方式で始めて、後のフェーズでベンチマーク方式に切り替えたという経緯がございますね。それから、韓国では、ベンチマークは当初、排出量の多い石油精製、セメント、それから航空で適用されました。ほかの分野はグランドファザリングとして、徐々にベンチマークの適用分野を拡大していった経緯があります。つまり、韓国では、最初二本立てで始…
この発言のページ
44田田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官
お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、排出枠の割当てに際しましては業種特性を踏まえたベンチマーク方式を基本といたしますが、なかなかその各業種の中で各排出原単位などが比較できないような場合にはグランドファザリング方式を取るということで、私どもも並列でスタートするということを考えてございます。
その中で、今後の脱炭素技術の発展の動向などを踏まえまして、一定の業種や生産プロセスにつきましては、御指摘の海外、諸外国の例と同様に、グランドファザリング方式からベンチマーク方式への切替えということも検討することは可能と考えてございます。例えば、排出量取…
この発言のページ
45
古賀之士(立憲)
続いて、内閣官房には、いわゆる憲法との整合性について伺います。
排出量取引制度というのは、企業活動に対して、申し上げているように、優勝劣敗の起こり得る新しい理論、理屈の、大きなコスト負担を課す制度の導入とも言えます。法案作成のベースとなりましたこの審議会、産業構造審議会においては憲法との整合性も議論されたと伺っています。特に、憲法第二十二条の営業の自由、第十四条の平等原則、第二十九条の財産権の観点から、どのような議論、そして整理がなされたのか、内閣官房、お答えください。
この発言のページ
- (上の発言)
46田田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官
お答え申し上げます。
排出量取引制度の検討に当たりましては、憲法を始めとした我が国の法体系に当てはめた際の論点について、各法律分野を専門とする学識者や実務家をメンバーとする法的課題研究会というものを開催し、議論を重ねてまいりました。研究会におきまして、御指摘の営業の自由等の憲法上の権利保護規定と整合した形で排出量取引制度を設計するために留意すべき点についても議論がなされました。具体的には、排出削減と経済成長を両立させるという点で複合的な目的を有する排出量取引制度の設計には専門技術的かつ政策的な判断が必要であることから、広範な立法裁量が認められるとしつつ、その制度の設計に当たりましては、当該措置と目的との合理性や事業者の予見性の確保などの配慮が求められるといった指摘があったところでございます。
こうした指摘を踏まえまして、本法案におきましては、排出枠の割当て量の決定方法につきましては、法令上明確に定め、その詳細についても審議会のプロセスを経て決定するということで、行政裁量を可能な限り排除するという措置であったり、価格安定化措置の発動要件、方法につきましても、法令上明確に定め、排出枠の価格が当該措置により変動し得ることをあらかじめ企業に対し予見をさせるといったような措置を講じることとしておりまして、こうした制度内容であれば憲法上の権利の不当な侵害にはならないというような有識者からの意見も付されたというところでございます。
引き続き、本研究会での意見を踏まえながら、制度の設計を進めてまいりたいと考えているものでございます。
47
古賀之士(立憲)
制度の各論について、引き続き内閣官房に伺ってまいります。
いわゆるカーボンクレジットの扱いについて、法案説明では、二〇二六年度から開始する排出量取引制度では政府が運営するとなっています。政府の運営するJ―クレジット、それからJCM、いわゆる二国間でのクレジットの制度ですね、の活用も認める、そして活用可能量の上限についても、諸外国における議論の動向を踏まえつつ、次年度以降に検討するとされています。
一部は認めつつも量的上限を今後検討するとされていますが、いかなる観点で、どう検討するのでしょうか。例えばEUでは、安価なクレジットの流入で排出枠が余って価格…
この発言のページ
48田田尻貴裕内閣官房GX実行推進室次長兼経済産業省大臣官房審議官
お答え申し上げます。
カーボンクレジットは、多様な主体による脱炭素の努力をクレジットとして取引を行うことで、社会全体で費用対効果の高い取組を進める手法でございます。
今回導入する排出量取引制度におきましては、制度対象者のみならず、中小企業などの幅広い主体が脱炭素投資を行うためのインセンティブを高めるという観点から、排出実績に当たって、J―クレジットやJCMといった国が運営する制度に基づき、品質が担保されたカーボンクレジットの活用を可能とするという方針で考えてございます。
他方、今委員から御指摘のございましたとおり、諸外国の類似の制度におきましては、…
この発言のページ
49
古賀之士(立憲)
次は、驚いたことに、世界的な統一なルールが実はなかったという事例からお尋ねをいたします。
引き続き内閣官房に伺います。
カーボンクレジット、今御答弁いただいたこの問題に類似する論点として、石炭火力とCCS、いわゆるCO2の貯留の組合せを認めるかの議論がございます。これを認めると石炭使用の拡大につながるとして、禁じる国もあるんですね。
トータルとして排出量を削減できるのであればそれでよいという議論も当然あり得るわけで、我が国ではこの点についていかなる理由で整理を行っているのか確認したいので、御答弁願います。
この発言のページ