山本太郎 (れいわ新選組)

2025年6月12日・第217回国会 参議院 環境委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 149 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 192 発言)

私からも補足を。現行法の環境アセスメントは、例えば風力発電など特定の事業に対して行われる事業アセスメントを基本としていると。

資料一。この事業アセスメントだけでは、既に事業の枠組みが決定されてしまっているので、その事業の前提となる計画の見直しや事業の中止も含めた代替案の検討など柔軟な措置が困難です。そのため、早期段階での環境配慮を可能とする戦略的アセスメントがアメリカやEUなどで導入されている。

例えば、同じ地域で幾つもの事業者が風車を建てようとしている場合、事業アセスでは一件一件のアセスになります。一件一件で見て問題なくても、複数の風車が混在した場合の累積影響は事業アセスでは評価できません。

資料二。この場合、戦略的アセスメントでは、このような個別事業の計画を立てる前、地域や海域の利用計画を評価することができます。

例えば、この地域、この海域に風力発電所を造ると生態系や住民への影響が大きいからこの地域、海域での事業は認めない、事業数を制限するなどを前もって決めることができる。このような戦略的アセスメントのおかげで環境保護と再エネ推進の両立がうまくいった海外の事例は幾つもあります。

資料三。ドイツにおける風力発電の普及過程や計画プロセスに関する事業者や自治体、環境保護団体などに対するヒアリング調査があります。

資料四。その調査結果によると、個別事業に対する受容性に関して、ゾーニングの策定過程に環境保護団体及び地域住民が適切に参加できており、将来、どの区域に風車が立地し、どの区域が風車から保全されるのかを知ることができているのであれば、ゾーニングは彼らの受容性を向上すると報告されています。つまり、具体的な風力事業計画が進められる段階でチェックするのではなく、どの地域に風車を造ってよいのか、ゾーニングの議論に最初から住民や環境団体が参加できた事例の方が受容性が高まる、地域にその風力発電が受け入れられやすくなるという、そのような話なんですね。

資料五。ほかにも、セルビアにおける風力発電所の戦略的環境アセスメントによる騒音影響評価は、開発初期段階において予防的環境保護に大きく貢献したと評価されています。つまり、前もって騒音の影響を予測して、騒音影響が大きいと予測された風力発電所の位置を比較的影響が低いエリアに移すことを都市計画に含めたことで、事前に住民への影響を防いだということです。

このように、戦略アセスの法制度化の必要性は長く指摘されてきました。この戦略アセスが日本にないから、ないから、再エネ事業者と地域住民が対立し、頓挫する再エネプロジェクトも多いんではないでしょうか。

環境省、本法案で戦略アセスメントを法制化する規定はありますか。

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