私からも補足を。現行法の環境アセスメントは、例えば風力発電など特定の事業に対して行われる事業アセスメントを基本としていると。
資料一。この事業アセスメントだけでは、既に事業の枠組みが決定されてしまっているので、その事業の前提となる計画の見直しや事業の中止も含めた代替案の検討など柔軟な措置が困難です。そのため、早期段階での環境配慮を可能とする戦略的アセスメントがアメリカやEUなどで導入されている。
例えば、同じ地域で幾つもの事業者が風車を建てようとしている場合、事業アセスでは一件一件のアセスになります。一件一件で見て問題なくても、複数の風車が混在した場合の累積影響は事業アセスでは評価できません。
資料二。この場合、戦略的アセスメントでは、このような個別事業の計画を立てる前、地域や海域の利用計画を評価することができます。
例えば、この地域、この海域に風力発電所を造ると生態系や住民への影響が大きいからこの地域、海域での事業は認めない、事業数を制限するなどを前もって決めることができる。このような戦略的アセスメントのおかげで環境保護と再エネ推進の両立がうまくいった海外の事例は幾つもあります。
資料三。ドイツにおける風力発電の普及過程や計画プロセスに関する事業者や自治体、環境保護団体などに対するヒアリング調査があります。
資料四。その調査結果によると、個別事業に対する受容性に関して、ゾーニングの策定過程に環境保護団体及び地域住民が適切に参加できており、将来、どの区域に風車が立地し、どの区域が風車から保全されるのかを知ることができているのであれば、ゾーニングは彼らの受容性を向上すると報告されています。つまり、具体的な風力事業計画が進められる段階でチェックするのではなく、どの地域に風車を造ってよいのか、ゾーニングの議論に最初から住民や環境団体が参加できた事例の方が受容性が高まる、地域にその風力発電が受け入れられやすくなるという、そのような話なんですね。
資料五。ほかにも、セルビアにおける風力発電所の戦略的環境アセスメントによる騒音影響評価は、開発初期段階において予防的環境保護に大きく貢献したと評価されています。つまり、前もって騒音の影響を予測して、騒音影響が大きいと予測された風力発電所の位置を比較的影響が低いエリアに移すことを都市計画に含めたことで、事前に住民への影響を防いだということです。
このように、戦略アセスの法制度化の必要性は長く指摘されてきました。この戦略アセスが日本にないから、ないから、再エネ事業者と地域住民が対立し、頓挫する再エネプロジェクトも多いんではないでしょうか。
環境省、本法案で戦略アセスメントを法制化する規定はありますか。
146
浅尾慶一郎(自民)環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)
大変重要なものと認識しております。
この発言のページ
147
山本太郎(れいわ)
本題に入ります。
再エネ推進と自然環境保全、住民の権利保護の両立のためには、戦略的アセスメントが必要です。
環境省、戦略的アセスメントは何か、平成二十二年二月二十二日、中央環境審議会の答申で示された説明、教えてください。
この発言のページ
148秦秦康之環境省総合環境政策統括官
お答え申し上げます。
御指摘の答申におきましては、戦略的環境アセスメントとは、本来、個別の事業に先立つ戦略的な意志決定段階、すなわち個別の事業の実施に枠組みを与えることになる計画、さらには政策を対象とする環境影響評価であるとされております。
この発言のページ
- (上の発言)
149
山本太郎(れいわ)
私からも補足を。現行法の環境アセスメントは、例えば風力発電など特定の事業に対して行われる事業アセスメントを基本としていると。
資料一。この事業アセスメントだけでは、既に事業の枠組みが決定されてしまっているので、その事業の前提となる計画の見直しや事業の中止も含めた代替案の検討など柔軟な措置が困難です。そのため、早期段階での環境配慮を可能とする戦略的アセスメントがアメリカやEUなどで導入されている。
例えば、同じ地域で幾つもの事業者が風車を建てようとしている場合、事業アセスでは一件一件のアセスになります。一件一件で見て問題なくても、複数の風車が混在した場合の累積影響は事業アセスでは評価できません。
資料二。この場合、戦略的アセスメントでは、このような個別事業の計画を立てる前、地域や海域の利用計画を評価することができます。
例えば、この地域、この海域に風力発電所を造ると生態系や住民への影響が大きいからこの地域、海域での事業は認めない、事業数を制限するなどを前もって決めることができる。このような戦略的アセスメントのおかげで環境保護と再エネ推進の両立がうまくいった海外の事例は幾つもあります。
資料三。ドイツにおける風力発電の普及過程や計画プロセスに関する事業者や自治体、環境保護団体などに対するヒアリング調査があります。
資料四。その調査結果によると、個別事業に対する受容性に関して、ゾーニングの策定過程に環境保護団体及び地域住民が適切に参加できており、将来、どの区域に風車が立地し、どの区域が風車から保全されるのかを知ることができているのであれば、ゾーニングは彼らの受容性を向上すると報告されています。つまり、具体的な風力事業計画が進められる段階でチェックするのではなく、どの地域に風車を造ってよいのか、ゾーニングの議論に最初から住民や環境団体が参加できた事例の方が受容性が高まる、地域にその風力発電が受け入れられやすくなるという、そのような話なんですね。
資料五。ほかにも、セルビアにおける風力発電所の戦略的環境アセスメントによる騒音影響評価は、開発初期段階において予防的環境保護に大きく貢献したと評価されています。つまり、前もって騒音の影響を予測して、騒音影響が大きいと予測された風力発電所の位置を比較的影響が低いエリアに移すことを都市計画に含めたことで、事前に住民への影響を防いだということです。
このように、戦略アセスの法制度化の必要性は長く指摘されてきました。この戦略アセスが日本にないから、ないから、再エネ事業者と地域住民が対立し、頓挫する再エネプロジェクトも多いんではないでしょうか。
環境省、本法案で戦略アセスメントを法制化する規定はありますか。
150秦秦康之環境省総合環境政策統括官
お答え申し上げます。
本法案の改正事項におきましては、個別事業の実施に枠組みを与えることとなる上位計画等を対象とした環境影響評価でございます戦略的環境影響評価の実施に関する内容は含まれておりません。
一方で、戦略的環境影響評価につきましては、現在までに、早期段階の効果的な環境配慮の確保や地域における適切なコミュニケーションの推進を図る観点から、地球温暖化対策法に基づく促進区域制度の導入ですとか、あるいはこちら再エネ海域利用法でございますけれども、計画段階での環境配慮を可能とする仕組みの導入といった取組を進めてございます。
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151
山本太郎(れいわ)
計画段階、計画段階って、政策段階というのが一般的には戦略的アセスの話なんじゃないですか。周回遅れというか、それを日本版と呼びながら、ほかのやつでできているよなんて、言い訳にもなっていないんですよ。それができている、それで賄えるというんだったらもめていないでしょう。さっきの山下先生の話を聞いていてもそう思います。
風力発電めぐっては、各地で住民と事業者、対立起こりまくっていますよね。京都府の丹後半島、ここでもそうでした、事業者、結局撤退したりとか。北海道の石狩、この沿岸というところも、有望な地域と、区域と評価されながらも、今もう反対が高まってきていると。…
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浅尾慶一郎(自民)環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)
これまで環境省では、戦略的環境影響評価の考え方も踏まえて、地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画の中で環境保全を図りつつ促進区域を設定する制度や、再エネ海域利用法等に基づく募集区域等の指定の過程であらかじめ海洋環境等の調査を実施する制度など、上位の計画や政府の政策立案段階で環境配慮を図るための制度の導入に取り組んでまいりました。
引き続き、こうした取組に加えて、そうした戦略的環境影響評価の考え方等の知見等を取り入れた形の収集、知見の収集に努めてまいりたいと考えております。
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