2025年5月9日・第217回国会 衆議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 386 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 398 発言)

日本学術会議法に反対の立場から討論いたします。

私は、審議に先立ち、賛成でも反対でもない立場からスタートし、審議の結果として反対との結論に至りました。

徹頭徹尾、違和感が拭えない審議プロセスでした。比較的丁寧に質疑通告したつもりでしたが、答弁で疑問が晴れることはありませんでした。大臣答弁から、透徹した目で学術の重みを捉える姿勢を感じることはありませんでした。このような法案では、政府案の足らざるを答弁で補うことはよく行われます。その切り代の準備すらなかったことをうかがわせました。政府の事前の準備不足を厳しく指摘したいと思います。

一方、野党は、いい指摘があったにもかかわらず、修正案が出てこなかったことに違和感があります。先日の参考人質疑では、特に梶田参考人からは、事実上の修正案のトスがありました。熟議を尽くした良質のトスだったと思います。あのトスを受け切れなかったのは残念でなりません。また、この後、附帯決議案が出てくると承知しておりますが、例えば、その中にある監事の政治的中立等は、法案の修正として結実すべきものでした。

結果として、今回の審議については、形骸化という言葉が最も適当な表現だと思います。私は、今日採決することは適当でないと思っていましたが、その一方で、このぐだぐだな審議を対案なきまま継続することの無意味さも実感しています。結局、我々は何をやっていたのだろうかという違和感だけが残ります。

さらには、この機会に、学者の先生方にも一言申し上げたい。

私は、デュアルユース研究に賛成です。一方、反対だという方の見解は十分に尊重すべきだと思っています。しかしながら、他の学者の研究にまで立ち入ってデュアルユース研究や防衛省委託の研究を受けることを阻もうとするのは、それこそ学者の独立性を害するものだと思います。学術会議の独立性はとても大事なものだと思っていますが、個々の学者の独立性も同様に大切なものです。組織の独立性を強調するが余り、個々の独立性を損なうという矛盾は、これを機に解消してほしいと思います。

そして、今回の審議で非常に気になったのが、法案の正当化のために財政民主主義を持ち出したことです。想像するに、これだけの縛りを入れるのに財政民主主義でも持ち出さないと正当化できなかったということでしょう。しかし、よく考えていただきたい。行政の中には、財政支出で支えられる組織でありつつ、政府から独立性を維持しているものが多々あります。会計検査院、公正取引委員会、そしていわゆる三条委員会、それらの独立性にまで容喙するきっかけをつくりかねません。国が金を出しているのだから言うことを聞けとばかりに財政民主主義を振りかざす行為は野蛮であり、非常に危険です。

以上、懸念を申し上げました。

繰り返しになりますが、いい答弁が来ていれば私は賛成する意思を持っていました。そうならなかったことが残念でなりません。その点を強調し、討論といたします。

ありがとうございました。(拍手)

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