塩川鉄也 (日本共産党)

2025年5月9日・第217回国会 衆議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 384 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 398 発言)

私は、日本共産党を代表して、日本学術会議法案に反対の討論を行います。

政府は四回も答弁を誤り、まともな資料も出してこない。ただすべき点が多々あるにもかかわらず質疑を打ち切り採決をすることに、断固抗議をするものであります。

現行の日本学術会議法は、その前文で、「科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命」とするという設立趣旨をうたっています。これは、戦前の日本が学術を政治に従属させ、また学術の側も戦争遂行に加担する役割を果たしたとの痛苦の反省の上に、学問の自由を保障する日本国憲法を具体化するという日本学術会議法の歴史的な出発点を記したものです。その下で、独立性や自律性を確保するものとして基本理念や制度がつくられました。

また、各国のナショナルアカデミーは、学術的に国を代表する機関としての地位、そのための公的資格の付与、国家財政支出による安定した財政基盤、活動面での政府からの独立、会員選考における自主性、独立性の五つの要件を確保しています。

ところが、本案は、日本学術会議の合意もないまま現行法を廃止するものです。前文は丸ごと削除され、政府が基本理念や会員選考方法、組織の在り方などを一方的に定めた上で、新たに法人としての別組織を設立します。さらに、学術会議の運営、財務、会員選考にまで政府が介入できる仕組みを様々設け、現行法における、独立して職務を行うとの規定も削除します。日本学術会議の組織及び運営に関する事務が内閣府の所掌事務に位置づけられるなど、政府の監督の下に置かれる組織へと変質させるもので、五つの要件を充足するものとは到底言えません。

本案は、科学の成果を軍事に利用し、目先の経済的利益追求に貢献させるため、学術会議から独立性、自主性、自律性を奪い、政府の意向に従う組織へと変質させるもので、断じて容認できません。

さきの参考人質疑において、梶田隆章前会長が、学術会議との真摯な協議を欠き、同意を得ないまま、組織、選考などの変更を法定化すること自体、ナショナルアカデミーの独立性、自律性を脅かす懸念があると述べているとおりです。

本案提出の契機となった六名の任命拒否は撤回を、そして、現行の日本学術会議を解体する本法案の廃案を求め、討論を終わります。(拍手)

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