お答えいたします。
確かに、現時点では、フランスにつきましては、ネットワークに対して影響を及ぼすものについては主権侵害の可能性があるというような見解を示しているというふうに私も認識しております。
問題は、ネットワークへの影響とは何なのかというようなところはやはり国際法学者としては気になるところでございます。これを、低い烈度というか、敷居が非常に低いと見るか、あるいは、実は言っていることはほかの国と、例えば物理的な被害とか機能喪失とかといったことと変わらないかもしれない。ただ、だから、そこら辺は、その国の安全保障に対する考え方というものがやはり背景にあって、ある意味、戦術的にと申しますか、というような形で表現をして、他国の出方を見たりして、どういう形で見解が収れんしていくのかという段階に今あるんだと思います。
例えば、フランスとは反対に、イギリスとかいうものについては、内政干渉にならないのだったら主権侵害にもならないという、つまり内政干渉の方が重要なんだみたいな形で、主権よりもそっちの方が重要だというような考え方の国もあるんですが、それも本当に違うのか、ほかの国が言っていることと、とか。
というような形で、だから、こういうふうに、一見違うようなことに見えるけれども本当に違うのかというところを今見極めなきゃいけない状態というところで、私自身が、発展途上の、一つの状況把握としては考えております。
以上です。
36
塩川鉄也(共産)
日本共産党の塩川鉄也です。
四人の参考人の皆様に貴重な御意見を賜り、ありがとうございます。
最初に、吉岡参考人にお尋ねをいたします。
サイバーセキュリティーに関する研究開発に従事をしてこられたということで、吉岡さんのメディア等での発言等々を拝見をした中に、攻撃者は得られるメリットの大きさだけでターゲットを決めるわけではない、攻撃にかかるコストが低ければ小さな組織も魅力的なターゲットとなり得ると述べておられました。
中小企業など小さな組織においてセキュリティー対策を強めるとすれば、国としてどのような取組が求められるのか、この点について教えていただけ…
この発言のページ
37吉吉岡克成横浜国立大学大学院環境情報研究院/先端科学高等研究院教授
お答えさせていただきます。
今御指摘ありましたように、重要なシステムですとか、大企業ですとか国だけが攻撃対象になっているかというと、そうではないということが、いろいろな研究で、そのように認識しております。
中小企業となりますと、やはり一番足りないところは、人的又は技術的な意味でもリソースが足りていないということです。やらなければいけないことは分かっていながらも、何から取り組んでいいのかということが十分に認識できていないですとか、危機感がまだ十分にないというところが、一つ大きいところかと思います。
ですので、既に国の方でも、最低限中小企業で行うべき対…
この発言のページ
38
塩川鉄也(共産)
ありがとうございます。
次に、黒崎参考人にお尋ねいたします。
サイバー分野の国際法は発展途上というお話がございました。フランスは、自国のネットワークに影響をもたらす全ての外国のサイバー行動は主権侵害になり得ることを示唆する立場ということを伺っております。
そのような国がある下で、法案におけるアクセス・無害化措置がサイバー攻撃と判断される、そういう危惧についてはどのようにお考えでしょうか。
この発言のページ
- (上の発言)
39黒黒崎将広防衛大学校総合安全保障研究科教授
お答えいたします。
確かに、現時点では、フランスにつきましては、ネットワークに対して影響を及ぼすものについては主権侵害の可能性があるというような見解を示しているというふうに私も認識しております。
問題は、ネットワークへの影響とは何なのかというようなところはやはり国際法学者としては気になるところでございます。これを、低い烈度というか、敷居が非常に低いと見るか、あるいは、実は言っていることはほかの国と、例えば物理的な被害とか機能喪失とかといったことと変わらないかもしれない。ただ、だから、そこら辺は、その国の安全保障に対する考え方というものがやはり背景にあって、ある意味、戦術的にと申しますか、というような形で表現をして、他国の出方を見たりして、どういう形で見解が収れんしていくのかという段階に今あるんだと思います。
例えば、フランスとは反対に、イギリスとかいうものについては、内政干渉にならないのだったら主権侵害にもならないという、つまり内政干渉の方が重要なんだみたいな形で、主権よりもそっちの方が重要だというような考え方の国もあるんですが、それも本当に違うのか、ほかの国が言っていることと、とか。
というような形で、だから、こういうふうに、一見違うようなことに見えるけれども本当に違うのかというところを今見極めなきゃいけない状態というところで、私自身が、発展途上の、一つの状況把握としては考えております。
以上です。
40
塩川鉄也(共産)
関連して、緊急避難についてですけれども、国際法学者は適用できるケースを非常に限定して考えており、これを理由にすれば対抗措置以上に論争を呼ぶ可能性がある、日本政府は緊急避難を援用することも国際法上認められると考えると主張しているが、同様の主張をしている国はまだ多くはないと述べておられます。
そういった点での危惧を覚えるところなんですが、この点についてはいかがでしょうか。
この発言のページ
41黒黒崎将広防衛大学校総合安全保障研究科教授
お答えいたします。
まず、国際法上、一般論といたしまして、違法性阻却事由というものについては、緊急避難よりも、緊急状態と政府は言っていると思いますが、緊急状態よりも対抗措置の方がより確立した、つまり、先例とか判例もしっかりしているということで、よりそちらの方が支持が得られる違法性阻却事由として、教科書でもそのような形で書かれていると思います。
そういう意味では、緊急避難というものは、国際法をやっている人間は余りそこまでしっかり勉強しなかったというぐらい、余り注目されてこなかったというものであると思います。そういうものを反映して、緊急避難というものにつ…
この発言のページ
42
塩川鉄也(共産)
ありがとうございます。
もう一問、黒崎参考人にお尋ねしますが、今回の法案は日本の安全保障における転換点となり得る、第一に、警察が安全保障に関わるようになること、第二は、外国からの不正なサイバー攻撃に対して犯罪処罰とは別の目的で域外実力行使を警察がし得ること、警察は従来、刑事犯罪への対処と国内の脅威を対象とする治安、公共秩序の維持を主たる任務としていたが、その垣根を越えると述べておられました。
今回の法案は、このような、警察の活動に質的な大きな変化をもたらすものということなんでしょうか。
この発言のページ