堀川あきこ (日本共産党)

2025年5月14日・第217回国会 衆議院 国土交通委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 234 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 250 発言)

私は、日本共産党を代表して、マンションの管理、再生の円滑化等のための改正案に反対の討論を行います。

マンションの老朽化への対応は急がれます。しかし、本法案は、二つの老いへの対策と言いながら、根本的な解決を図るものになっておらず、現居住者の居住の安定を担保する施策が不十分です。必要な施策を講じないままに、老朽化マンションや管理不全マンションを増加させてきた政府の責任は重大です。

第一に、本法案は、建て替え等の決議要件の緩和等を盛り込む一方で、少数反対者への保護がほとんど講じられていません。

これまで政府は、区分所有者法が成立して以来、建て替え決議の要件を緩和してきました。建て替えが待ったなしとなっている老朽化マンションに対しては、その要件緩和もやむを得ないと理解はします。

しかし、その一方で、建て替えの反対少数者の保護の支援策は、ほとんど講じられてきませんでした。本法案は、こうしたこれまでのマンション政策に対する反省もなく、反対少数者を置き去りにしたまま建て替えだけが進められる危険をはらんだものです。

そもそも、老朽化マンションの建て替えが進まない要因の多くは、建て替えによる区分所有者の負担金が重く、合意形成が進まないことにあります。強引な建て替え推進は、区分所有者同士の対立を深め、適切なマンションの建て替えを一層困難にしかねません。

第二は、区分所有建物の共用部分の欠陥について十分な補修ができないものになっているからです。

本法案は、区分所有権が転売により移転しても、損害賠償請求権は旧区分所有者に帰属するとの解釈に基づいています。管理者が区分所有者と旧区分所有者を代理して訴訟が行えるよう改正するとしていますが、旧区分所有者が別段の意思表示を示した場合は、旧区分所有者を代理することはできず、その分の賠償金も得られません。

政府は、あらかじめマンション管理規約を改定することで賠償金を補修に充てられるようにすると言いますが、規約を変更するだけの力量を持っていない管理組合には根本的な改善策にはなりません。今住んでいる区分所有者の生活の安定を侵害しかねないものです。

第三は、本法案が新たに賃借権の終了請求制度を盛り込むものだからです。

現行では、賃借権の終了は、借地借家法の正当事由が必要であり、賃借人の権利が社会的に保護されています。一方で、本法案は、正当事由以外による新たな賃借権消滅手段を創設し、賃借権の終了を容易にします。現行でも横行している賃借人への強引な立ち退き被害を増長するリスクを高めるものです。

なお、立憲民主党及び日本維新の会の修正案については、見解を異にするものであり、賛成できません。

以上、討論を終わります。

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