2025年5月14日・第217回国会 衆議院 国土交通委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 236 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 250 発言)

何度も済みません。有志の会の福島伸享です。

ただいま採決に付されようとしている法案について、反対の立場から討論を行います。

老朽マンション等の管理や再生を円滑にするために本法案で定められている多くの事項は、喫緊の課題を解決するために有効なものとして基本的には賛成です。しかし、共用部分に係る損害賠償請求権の行使の円滑化については問題が多く、一度今回のように改正してしまえば、以降の法改正では対応できない深刻な問題が生ずるおそれがあるため、法案には反対せざるを得ません。

当初、法務省、国交省とマンション問題に取り組む弁護士グループの双方から意見を聞いて、この間、ゴールデンウィーク中も条文や審議会の議事録と取っ組み合いをして私なりに考えてきましたけれども、先日の参考人質疑での議論を受けて、反対すべき法案であると腹にすっと落ちました。

まず、立法過程に大きな問題があります。法制審議会区分所有法制部会は、様々な立場の人がメンバーに入っているにもかかわらず、民法学者と実務家弁護士との対立のまま進みました。難しい法理論を駆使していますが、そこに、今マンションに住んでいる人の権利をどう守るかというマンション政策からの議論はほとんどなかったように見えます。そして、政府の審議会では異例のことですけれども、佐久間部会長自身が長広舌を振るい、自説を強引に押しつける姿が目立ちました。このような異常なプロセスで作られた法案だからこそ、今なお大きな反対の声が上がっているんです。

今日、賛成の起立をしようとしている委員諸君に訴えたいと思います。私たち立法府の役割は何なのか。それは、正しい法理論を追求することではありません。法理論上存在する権利を守ることでもありません。選挙で国民の負託を受けている私たちの役割は、本当に困っている人、幸せに生きるための権利を侵害されている人を守るために、憲法の下での実際に生きた法律を作ることです。

今回の法改正で、今住んでもいない旧区分所有者の損害賠償請求権を守ることがそこまで大事ですか。投資目的で購入する外国人が増えたり、マンションをめぐる環境が根本的に変わる中で、学者では想定し得ないような利益を追求した新たな行動が出てくることも容易に予測されます。先日の参考人が指摘したような現場の実務からの問題点には説得力があると皆さん思いませんでしたか。

今回、これまで法律上曖昧であったため大きな問題とはならなかったことが、この法案で旧区分所有者に損害賠償請求権があることを明記したことで顕示化され、修正が利かなくなってしまいます。にもかかわらず、附則の検討事項を追加する修正案を出して、それを実現したことをもって賛成するということも、私は、その修正案の害悪が分からずにやっているんだとすれば、きちんともうちょっと自分の出された法律を読んでいただきたいと思いますし、もし分かってやっているんだとすれば、私は、反対者に理解したふりをするだけの詐欺的な、まさに野党しぐさと言わざるを得ません。本文を修正しなければ何の意味もないんです。

与党は政府案に黙って賛成、野党は害悪のある条文であっても修正をかち取れれば賛成という国会の論理ではなく、政治家として国民のために何が必要なのかという価値判断を行うべきです。国民のための法律にするなら、政府案の本文を修正することにちゅうちょしない姿勢を改めて求めまして、反対討論といたします。

以上です。

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