橋本幹彦 (国民民主党)

2025年4月4日・第217回国会 衆議院 安全保障委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 254 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 333 発言)

六十九期生の境遇は大変つらいものがあったと思います。入校してからコロナが始まって、想像を絶するような大変な中で四年間過ごされたんだと思います。

ただ、変革の結果が容儀点検の簡略化と朝の清掃の話だけだったとするなら、私はそれは大した変革ではないのではないかと思うわけです。はっきり言って、私は六十二期生ですけれども、清掃については六十二期のときにも変革していました。

いろいろな変革は場面場面であるわけであって、変革の在り方、特に、防大というのは、陸海空、サイバーも含めて幹部の候補生がそろう場所です。どのような学生であるべきなのかというところは、当然、作戦環境、安全保障環境が変化して、それに基づいて、陸海空からの要請に基づいて防大はどういった人物を育てていくべきなのかを考えるべきであって、はっきり言って、言い方は悪いかもしれないですけれども、コロナで大変なところの変革を学生に投げた、そういうふうな見方も場合によってはできるのではないかと思います。

実態は分かりません。これは一つの外形的なところから見ただけの話でありますから、六十九期生、そして今の防大生も大変な努力、悩み、苦しみはあったと思いますけれども、問題にしたいのは、結局、現場に任せて精強性とは何かというのがはっきりとしない中で、廉恥、真勇、礼節という自己修養の目標だけ掲げて、それの実行を任せましょうということで、結果として学生間指導の在り方がいろいろある。このような在り方で将来の自衛隊を担う人物を育てていて果たしていいんだろうかと思うわけです。

例えば、防大はパレードをやっています。私のときには一年間に百二十時間パレードをやっていました。中央観閲式に参加するときはもっとやっています。百二十時間というと、単位でいうと五個、六個の単位に相当するわけです。

パレードに全く意味がないとは思いません。私も中央観閲式に出て大変その奥深さは感じたわけですけれども、ただ、一年間で百二十時間、それを四年間やっていたら相当な時間になるわけで、防大生の貴重な時間をどこまでパレードに費やすのかというところについては、それは当然、訓練部ですとかいろいろなところが補佐するんでしょうけれども、それは防大だけに任すのではなくて、陸海空それぞれの要請に基づいて、どういう人物であるべきなのかという理想があって防大の教育というのはあるべきだと思っています。

資料一の九に、初代学校長槇智雄さんに関する資料を載せています。これを読み上げますけれども、この槇校長については、戦後、敗戦後にどうやって自衛隊をつくっていくか、防大をつくっていくかというときに大変悩まれたわけであります。

そして、「建学の精神 自主自律」という資料に書いているところですけれども、戦前とは異なる新しい幹部像を描き、それを実現するための教育、訓練、集団生活等を構想し、具体化しなければなりませんでした。いずれの使命にも戦前のように軍人勅諭等で表された明確な指針がなく、新憲法以外に頼るべき典拠もない中で、槇は己の人生の中で培った価値観、思想、教養を傾けて、パイオニアとしての重責を果たしましたと書いてあるわけです。

民主主義の下でどのような軍隊、どのような自衛隊をつくっていくかというところ、理念としては大変崇高なものだと思います。ただ、問題は、槇智雄さんという一個人の哲学によっているということです。強いて言えば槇イズムとでもいうべきでしょうか。

槇イズムは槇イズムですばらしいかもしれないですが、当然、安全保障環境は変わるし、槇初代学校長はアメリカの当時の士官学校を参照して防衛大学校の構想を練ったわけです。当時のアメリカの士官学校と今のアメリカの士官学校は全く違います。当時のアメリカの士官学校はパレード重視であったかもしれません。あるいは、壮絶なしばきというものがあったというふうに聞いていますけれども、今の米国の士官学校は当然状況が違うわけです。

これは、防大が盲腸のように、自衛隊が大きく変革していくときにその変革の波から取り残されて、それが学生による自主的な変革というところでなってしまったのではないかと懸念しております。

是非、防大がどのような教育であるべきかというところについては、学生ではなくて自衛官が、そして防衛省が一生懸命考えなければいけない話だと思います。そのときにどのように考えるべきなのかというところを話したいんですけれども、これは私が今ここでああだこうだ言う話でもないと思うんです。あるいは、今の学校長が言うべき話でもないんだと思います。そこは、本当に謙虚に歴史に学んで、どのような組織であるべきなのかというところを研究して知的基盤を積み重ねていって、その上で、あるべき姿を示していくべきだと思います。

そこで、知的基盤についてお伺いしますが、先ほどの大臣のお答えでは、知的基盤は精強性の一つを構成するのではないかというような答弁であったと思います。大変重要な答弁であったと思いますが、この知的基盤の中で欠かせないワードが軍事専門的見地というものです。

この軍事専門的見地とは一体何でしょうか。

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