原子力規制委員会委員長の山中伸介でございます。
参議院資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
まず、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
新規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた二十七基の発電用原子炉のうち、十八基に対して設置変更許可処分を、一基に対して設置変更許可をしないとする処分を行いました。
また、原子力規制検査により、原子力施設等において事業者が行う安全確保や核物質防護に関わるあらゆる活動を対象に、その安全上の重要度に応じて、検査官が現場確認を行って監視しています。なお、原子力施設等で事故トラブルが発生した場合は、適切に対応してまいります。
中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動策定に係る不正行為については、本年一月に中部電力に対し報告徴収命令を発出するとともに、検査を通じて事実関係及び経緯の確認を進めてまいります。
規制基準については、安全研究等に得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準適合性に係る審査の実績等を踏まえて、継続的に改善を図っております。
その一例として、特定重大事故等対処施設の設置に係る経過措置について、約十年間の審査、検査の実績等を踏まえ、規制の継続的改善の観点からこれを合理的なものに見直すこととし、経過措置の起点を本体施設の設工認及び工事の計画の認可日から、本体施設の使用前確認日に変更する方針を了承しました。今後、関係規則の改正を行います。
建て替え原子炉については、事業者との実務レベルでの技術的な意見交換を実施しており、本年三月に、規制上の論点等を整理した結果について原子力規制庁から報告を受け、規制上の対応方針を了承しています。今後、規制基準の改正の要否など規制上の取扱いについて明確化を図ってまいります。
以上のとおり、原子力施設等に関する規制が厳正かつ適切に実施できるよう取り組んでおります。
フュージョンエネルギーについては、原子力規制委員会における今後の検討のための情報収集として、原子力規制庁において、フュージョン装置の開発を進める事業者等との意見交換を実施しています。今後、意見交換の結果を踏まえ、現在開発が進められているフュージョン装置に係る規制上の論点を整理してまいります。
第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策の実施について、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、監視、指導を行うとともに、関係省庁と連携し、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉については、施設全体のリスク低減及び最適化を図る観点から、短期的な目標に加え、中長期的に実現すべき姿とそれに向けた目標を設けて、東京電力の活動を監視、指導しております。直近では一号機の原子炉建屋カバーの設置が完了するとともに、二号機の使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けた準備が着実に進められているところです。
令和五年八月から開始された多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水の海洋放出については、関係機関と連携して海域モニタリングを実施しており、人や環境に影響を及ぼすレベルでないことを確認しています。また、国際原子力機関、IAEAによるレビューを通じ、原子力規制委員会の活動が国際安全基準に合致しているとの評価を受けています。今後も、継続的に東京電力の活動を検査で確認するとともに、IAEAレビューやモニタリング等を通じ、透明性、信頼性の維持に努めてまいります。
東京電力福島第一原子力発電所の事故調査については、溶融炉心による一号機原子炉格納容器の破損メカニズム等について、科学的、技術的意見募集の結果を踏まえ、昨年九月に中間的な取りまとめを行いました。今後も継続的に調査、分析を行い、それにより得られた知見を規制に活用してまいります。
第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置の強化について申し上げます。
原子力災害時の防護措置である屋内退避については、原子力規制委員会としての運用の考え方を明確にするため、検討チームにおいてその考え方を検討し、その報告書に基づき、昨年十月に原子力災害対策指針を改正しました。この内容について自治体を始め地域の方々に理解を深めていただくため、指針の詳細を解説した文書を作成し、また、地域での説明を行っており、こうした取組を進めてまいります。
環境放射線モニタリングについては、原子力規制事務所の体制整備及び関係道府県への技術的支援等に加え、最新の技術動向を踏まえ、より強靱で機動的な放射線モニタリング体制の構築に取り組んでまいります。
核不拡散及び核物質の平和利用を目的とする保障措置については、国際約束に基づき、国内の原子力施設に対する厳格な保障措置活動を実施しており、IAEAにより二十年以上連続して、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を得ております。また、六ケ所再処理施設や大型混合酸化物燃料加工施設の操業を見据え、国内の保障措置制度の継続的改善を図るために、査察官の人材確保、保障措置の実施体制の強化について検討を進めてまいります。
最後に、組織運営や規制の継続的改善について申し上げます。
原子力規制委員会は、本年一月、IAEAが実施する総合規制評価サービス、IRRSミッションを受け入れ、規制の枠組みや活動に対するレビューを受けました。その結果、リスクの程度に応じた規制内容にするというグレーデッドアプローチの更なる適用や人材の育成、確保の重要性など、勧告及び提言を受けました。原子力規制委員会は、提言を受け、規制制度の見直しも含め、対応を進めてまいります。
以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。
原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力規制に対する信頼が得られるよう、今後とも努力し、人と環境を守ってまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
0会会議録情報政府参考人など
令和八年四月二十二日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
四月二十一日
辞任 補欠選任
出川 桃子君 朝日健太郎君
西田 英範君 小林孝一郎君
東野 秀樹君 生稲 晃子君
宮本 和宏君 臼井 正一君
四月二十二日
辞任 補欠選任
朝日健太郎君 出川 桃子君
生稲 晃子君 東野 秀樹君
臼井 正一君 宮本 和宏君
小林孝一郎君 西田 英範君
郡山りょう君 古賀 之士君
────────────…
この発言のページ
1
木戸口英司(立憲)
ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、西田英範君、出川桃子さん、宮本和宏君及び東野秀樹君が委員を辞任され、その補欠として小林孝一郎君、朝日健太郎君、臼井正一君及び生稲晃子さんが選任されました。
また、本日、郡山りょう君が委員を辞任され、その補欠として古賀之士君が選任されました。
─────────────
この発言のページ
2
木戸口英司(立憲)
原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。
まず、「原子力問題に関する件」のうち、「原子力規制委員会の活動状況」について、原子力規制委員会委員長から説明を聴取いたします。山中原子力規制委員会委員長。
この発言のページ
- (上の発言)
3山山中伸介原子力規制委員会委員長
原子力規制委員会委員長の山中伸介でございます。
参議院資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
まず、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
新規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた二十七基の発電用原子炉のうち、十八基に対して設置変更許可処分を、一基に対して設置変更許可をしないとする処分を行いました。
また、原子力規制検査により、原子力施設等において事業者が行う安全確保や核物質防護に関わるあらゆる活動を対象に、その安全上の重要度に応じて、検査官が現場確認を行って監視しています。なお、原子力施設等で事故トラブルが発生した場合は、適切に対応してまいります。
中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動策定に係る不正行為については、本年一月に中部電力に対し報告徴収命令を発出するとともに、検査を通じて事実関係及び経緯の確認を進めてまいります。
規制基準については、安全研究等に得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準適合性に係る審査の実績等を踏まえて、継続的に改善を図っております。
その一例として、特定重大事故等対処施設の設置に係る経過措置について、約十年間の審査、検査の実績等を踏まえ、規制の継続的改善の観点からこれを合理的なものに見直すこととし、経過措置の起点を本体施設の設工認及び工事の計画の認可日から、本体施設の使用前確認日に変更する方針を了承しました。今後、関係規則の改正を行います。
建て替え原子炉については、事業者との実務レベルでの技術的な意見交換を実施しており、本年三月に、規制上の論点等を整理した結果について原子力規制庁から報告を受け、規制上の対応方針を了承しています。今後、規制基準の改正の要否など規制上の取扱いについて明確化を図ってまいります。
以上のとおり、原子力施設等に関する規制が厳正かつ適切に実施できるよう取り組んでおります。
フュージョンエネルギーについては、原子力規制委員会における今後の検討のための情報収集として、原子力規制庁において、フュージョン装置の開発を進める事業者等との意見交換を実施しています。今後、意見交換の結果を踏まえ、現在開発が進められているフュージョン装置に係る規制上の論点を整理してまいります。
第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策の実施について、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、監視、指導を行うとともに、関係省庁と連携し、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉については、施設全体のリスク低減及び最適化を図る観点から、短期的な目標に加え、中長期的に実現すべき姿とそれに向けた目標を設けて、東京電力の活動を監視、指導しております。直近では一号機の原子炉建屋カバーの設置が完了するとともに、二号機の使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けた準備が着実に進められているところです。
令和五年八月から開始された多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水の海洋放出については、関係機関と連携して海域モニタリングを実施しており、人や環境に影響を及ぼすレベルでないことを確認しています。また、国際原子力機関、IAEAによるレビューを通じ、原子力規制委員会の活動が国際安全基準に合致しているとの評価を受けています。今後も、継続的に東京電力の活動を検査で確認するとともに、IAEAレビューやモニタリング等を通じ、透明性、信頼性の維持に努めてまいります。
東京電力福島第一原子力発電所の事故調査については、溶融炉心による一号機原子炉格納容器の破損メカニズム等について、科学的、技術的意見募集の結果を踏まえ、昨年九月に中間的な取りまとめを行いました。今後も継続的に調査、分析を行い、それにより得られた知見を規制に活用してまいります。
第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置の強化について申し上げます。
原子力災害時の防護措置である屋内退避については、原子力規制委員会としての運用の考え方を明確にするため、検討チームにおいてその考え方を検討し、その報告書に基づき、昨年十月に原子力災害対策指針を改正しました。この内容について自治体を始め地域の方々に理解を深めていただくため、指針の詳細を解説した文書を作成し、また、地域での説明を行っており、こうした取組を進めてまいります。
環境放射線モニタリングについては、原子力規制事務所の体制整備及び関係道府県への技術的支援等に加え、最新の技術動向を踏まえ、より強靱で機動的な放射線モニタリング体制の構築に取り組んでまいります。
核不拡散及び核物質の平和利用を目的とする保障措置については、国際約束に基づき、国内の原子力施設に対する厳格な保障措置活動を実施しており、IAEAにより二十年以上連続して、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を得ております。また、六ケ所再処理施設や大型混合酸化物燃料加工施設の操業を見据え、国内の保障措置制度の継続的改善を図るために、査察官の人材確保、保障措置の実施体制の強化について検討を進めてまいります。
最後に、組織運営や規制の継続的改善について申し上げます。
原子力規制委員会は、本年一月、IAEAが実施する総合規制評価サービス、IRRSミッションを受け入れ、規制の枠組みや活動に対するレビューを受けました。その結果、リスクの程度に応じた規制内容にするというグレーデッドアプローチの更なる適用や人材の育成、確保の重要性など、勧告及び提言を受けました。原子力規制委員会は、提言を受け、規制制度の見直しも含め、対応を進めてまいります。
以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。
原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力規制に対する信頼が得られるよう、今後とも努力し、人と環境を守ってまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
4
木戸口英司(立憲)
以上で説明の聴取は終わりました。
次に、原子力問題に関する件について質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
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5
赤松健(自民)
自由民主党、赤松健でございます。
早速質問に入ります。
まず、特定重大事故等対処施設、いわゆる特重についてお伺いします。
本年四月一日の原子力規制委員会において、特重の設置に係る経過措置期間、これについて、元々は本体施設の設計工事計画認可から五年間だったのが、認可後の本体施設の使用前確認日から五年間とする方針が了承されたと聞いております。
つまり、五年間のカウントタイミングが後ろにずれたということになりますけれども、特重施設は、意図的な航空機衝突などの状況に備えたバックアップ対策として、格納容器の破損による放射性物質の異常な水準の放出を抑制するた…
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6山山中伸介原子力規制委員会委員長
お答えをいたします。
特重施設の経過措置期間につきましては、規制委員会において過去十年間の特重施設の工事実績等を確認したところ、これまでに特重施設が完成したプラントのうち、経過措置の期限を経過、超過したものがほとんどであったことから、規制の継続的改善として経過措置を合理的なものに見直すことといたしました。
具体的には、経過措置期間の五年は特重施設の設置準備に要する期間を変更すべき理由がないことから変更しないこととしつつ、その起算点については、設置準備を実質的に始められるタイミングとして、本体施設の使用前確認日に経過措置期間の起点を変更することといたし…
この発言のページ