法の支配を回復すると戦争が終わるわけではなくて、戦争が終わったら法の支配が回復されるのでございます。
ですから、国際法が万能ではもちろんなくて、国際法の研究者の方には大変申し訳ないですけれども、国際法というのはまだ開発途上の法体系でございます。なぜならば、強制力がないからです。国内法であれば当然強制力が、法執行機関があるわけですが、それがない。そして、強制力のあるものというのは安保理の決議だけですけれども、この安保理の決議も機能しない場合が多いということで、残念ながら、もちろん国際法が大事ですし、我々は国連を中心とした外交を続けるべきだと思いますけれども、実際には必ずしも思ったような役割を国連が果たし切れていないこと、これも覚悟しなければ、認識しなければいけないと思っています。
その上で、じゃ、どうするんだと言われれば、残念ですけれども、戦争若しくは平和、いろいろな見方があるかもしれませんが、悪いことをするやつをやっぱり力で抑えなきゃいけないときってあるんですよ。泥棒がいたら警察は捕まえるんですよ、何もしなかったら泥棒が泥棒続けるだけなので。
ですから、その意味で私は強制力が絶対駄目だというふうには思っていません。ただ、その強制力を使う場合に、国際法にできるだけ準拠する、若しくは国内的にもちゃんと説明をする、そして国際的にも同盟国を増やして、そしてそのような声を拡大していくということが恐らく国際法の強制力に次いで重要なことだと思いますので、それをやっぱり引き続き日本は目指していくべきだと考えています。
248
山添拓(共産)
ありがとうございます。
今、松尾公述人からロシアのLNGという話がありました。
今度は宮家公述人に伺いたいのですが、ホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響がアジア各国にも及んで、その下で韓国やフィリピン、タイなどがロシア産の原油の輸入を検討していると報じられています。これがロシアにとってどういう状況なのかと、御意見を伺えますでしょうか。
この発言のページ
249宮宮家邦彦キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問
ロシアの国内での報道などを読みますと、やはりこれがロシアに有利であるという見方がないわけではありません。確かに、ロシアの石油に対する需要が高まっていて、そして、しかも値段が上がっているという意味で、短期的にロシアがある程度一息つけるということはあるかと思います。
しかしながら、かといってロシアがイランに対して、軍事情報等も含めてイランに支援していること、もうこれもよく報じられていることですけれども、そのような状況でロシアに対する国際社会が見る目というのがそんな劇的に変わるのかというふうに考えたら、そんなに甘いものではないと思います。ですから、短期的には…
この発言のページ
250
山添拓(共産)
米国のイラン攻撃がきっかけとなって、ウクライナ侵略を続けるロシアを利するような、そういう結果になりかねない、短期的には少なくともですね、これはそれなりに重大な問題ではないかと思います。
もう一点、宮家公述人に伺います。
公述人は、ヨーロッパでも中東でも抑止が効かなくなったというお話を今日いただきました。でも、私は、その意味では今般、トランプ政権のアメリカもその抑止が効かない仲間入りをしたということなのかなと伺っておりましたが、しかし、だからといって力の支配に戻るようなことでいいのかと、あるいはトランプ氏の言うような力による平和ということを、大手を振っ…
この発言のページ
- (上の発言)
251宮宮家邦彦キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問
法の支配を回復すると戦争が終わるわけではなくて、戦争が終わったら法の支配が回復されるのでございます。
ですから、国際法が万能ではもちろんなくて、国際法の研究者の方には大変申し訳ないですけれども、国際法というのはまだ開発途上の法体系でございます。なぜならば、強制力がないからです。国内法であれば当然強制力が、法執行機関があるわけですが、それがない。そして、強制力のあるものというのは安保理の決議だけですけれども、この安保理の決議も機能しない場合が多いということで、残念ながら、もちろん国際法が大事ですし、我々は国連を中心とした外交を続けるべきだと思いますけれども、実際には必ずしも思ったような役割を国連が果たし切れていないこと、これも覚悟しなければ、認識しなければいけないと思っています。
その上で、じゃ、どうするんだと言われれば、残念ですけれども、戦争若しくは平和、いろいろな見方があるかもしれませんが、悪いことをするやつをやっぱり力で抑えなきゃいけないときってあるんですよ。泥棒がいたら警察は捕まえるんですよ、何もしなかったら泥棒が泥棒続けるだけなので。
ですから、その意味で私は強制力が絶対駄目だというふうには思っていません。ただ、その強制力を使う場合に、国際法にできるだけ準拠する、若しくは国内的にもちゃんと説明をする、そして国際的にも同盟国を増やして、そしてそのような声を拡大していくということが恐らく国際法の強制力に次いで重要なことだと思いますので、それをやっぱり引き続き日本は目指していくべきだと考えています。
252
山添拓(共産)
ありがとうございます。
その意味では、先ほどトランプ大統領の今度の行動は必ずしも正しい判断ではないのではないかという宮家公述人の御意見がありましたが、そうした正しい判断ではない下で戦争を始めて、今のように長期化の様相があるときに、これを終わらせるためにはやはり攻撃を始めた側が判断するということが必要になるかと思うんです。そのためには、例えば日本はどのような対応を取ることが必要だとお考えでしょう。
この発言のページ
253宮宮家邦彦キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問
私の申し上げた趣旨は、将来の歴史家が、この問題について正しい判断をするかどうかにもよりますけれども、いかがなものかというふうに見る方がいるかもしれないということを理論的な可能性として申し上げただけであって、今の時点でトランプさんの行動が国際法上どうだということについて私は議論をするつもりはありません。
オンゴーイングである、しかもイランにはイランの言い分がもちろんあるんですが、アメリカにはアメリカの言い分もあるわけです。そして、イスラエルも千二百人の人が殺されている。アメリカはレバノンで多くの海兵隊員が亡くなっている。
これ、彼、トランプさんが言うよ…
この発言のページ
254
山添拓(共産)
この間、イランでも千五百人以上が亡くなっているということもまた見なければならないと思います。
もう一点、今日のお話の中に、欧州、中東とインド太平洋は戦略的に不可分、こういう話がありました。私もそういう向きはあるかと思うんですが、ただ、今度の攻撃をめぐってNATO諸国は米国と少し距離を取っているかと思います、ドイツ、フランス、イタリア、スペインなどですね。艦艇の派遣も拒みました。
日本とNATOとではホルムズ海峡をめぐっての利害状況の違いがあるのですが、ヨーロッパはヨーロッパでロシアとの関係などまた日本との違いもあるかと思います。にもかかわらず、NAT…
この発言のページ