金子恭之 (自由民主党)国土交通大臣

2026年7月8日・第221回国会 参議院 本会議 第26号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 6 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 54 発言)

羽田次郎議員にお答えいたします。

まず、下水道の基盤の強化の趣旨と具体的な施策についてお尋ねがありました。

人口減少や施設の老朽化などの課題に対応するため、下水道事業の執行体制や財政など、事業運営を支える基盤を強化することが重要です。このため、本法案では、複数自治体が連携して効率的に事業を運営する広域連携の推進、改築費用を含む収支見通しの作成、公表や、下水道使用料の算定の考え方の明確化等の施策を盛り込んでいます。

これらによりまして、下水道の基盤強化を図り、強靱で持続可能な下水道の構築に取り組んでまいります。

下水道事業の広域化の効果、規模の目安、広域化を選ばない自治体への財政支援についてお尋ねがありました。

複数の自治体が一体となって人員、施設、財源といった経営資源を管理し運営する広域連携は、執行体制の強化や事務の効率化などの効果があるものと考えています。

広域連携の規模につきましては、水道事業における実績等を踏まえ、少なくとも十万人程度の人口規模を一つの目安としつつも、地域の実情も踏まえて、都道府県と関係自治体との間で十分に協議していく必要があると考えています。

また、このような協議を経て単独での事業運営を選択した自治体に対しては、その協議の経緯や取組内容を踏まえて必要な財政支援を行ってまいります。

広域連携に関する本法案と水道法との類似性と、本法案の実効性の担保についてお尋ねがありました。

平成三十年の水道法改正では、広域連携を推進する都道府県の責務を明確にすることなどにより、施行以降、複数自治体による水道事業運営の一体化が進んでいます。

下水道事業でも、広域での職員の確保、施設の共同化などにより効率化が見込めるという類似性があることから、水道法における広域連携の実績なども参考に、本法案では、国による基本方針の策定、都道府県による計画の策定と協議会の設置を規定しました。

さらに、本法案に大都市等が近隣の市町村の点検、修繕、改築を代行する制度を盛り込むとともに、その実効性を高めるため、令和八年度予算においてこうした大都市圏にインセンティブを付与する支援制度を創設しており、このような制度も活用しながら広域連携を推進してまいります。

広域連携と水の官民連携、いわゆるウォーターPPPとの施策の優先順位についてお尋ねがありました。

広域連携と水の官民連携は、職員不足という課題に直面する自治体がより効率的に事業運営できるよう、下水道の基盤を強化するためのものです。

広域連携については、複数自治体が連携し、事業運営の一体化や施設の共同利用などにより、また、水の官民連携は、民間人の、民間の人材、ノウハウの活用などにより、執行体制の確保や事業の効率化を図るものです。

いずれの施策も重要であり、広域連携の取組と整合性を図りながら、水の官民連携を併せて推進し、強靱で持続可能な下水道を実現してまいります。

水の官民連携、いわゆるウォーターPPPの国費支援の交付要件化についてお尋ねがありました。

多くの自治体で執行体制が脆弱化している中、水の官民連携により、民間の人材、ノウハウ等を生かして事業を持続的に運営していくことは喫緊の課題です。

このため、令和五年のPPP/PFI推進アクションプランにおいて、令和九年度より国費支援の交付要件とする方針が定められ、これに沿って対応することとしています。

具体的な交付要件については、本年六月に改定された同アクションプランで、小規模案件の乱立等により事業の広域化が妨げられることのないよう制度設計を行うとされていることも踏まえ、自治体の御意見も丁寧に伺いながら検討してまいります。

下水道の点検等の維持管理を担う企業への支援や処遇確保についてお尋ねがありました。

下水道の維持管理に当たっては、適正な労務費や現場の安全確保に必要な経費を計上することが必要であり、従来から、維持管理業務の契約に当たっては、これら必要な経費の適切な計上と物価変動等を踏まえた柔軟な契約変更を行うよう、自治体に周知するなどの取組を行っています。

また、下水道の計画的な点検について、これら必要な経費を含め、引き続き財政的支援を行ってまいります。

点検技術の高度化、実用化という作業の安全の確保についてお尋ねがありました。

下水道管路の点検作業は、危険な現場にできるだけ人が入らずに効率的に行うことが重要であり、技術の高度化、実用化に向けて、自治体や民間企業と連携し、DX技術の開発や情報発信の充実などに取り組んでまいります。

また、下水道管路の点検作業における安全対策については、国土交通省において、特に留意すべき点を取りまとめ、全国の下水道管理者に周知するとともに、委託事業者への指導監督など適切な措置を講じるよう要請をしており、引き続き作業の安全確保に向けてしっかりと取り組んでまいります。

今後必要となる下水道の維持管理・更新費についてお尋ねがありました。

リダンダンシー、すなわち管路の複線化などの多重性の確保や維持管理の効率化は、各自治体において地域の実情を踏まえて取り組まれるものであり、これらを全て含む費用をお示しすることは困難ですが、本法案においては、各自治体において、その地域で今後必要となる複線化等の事業や維持管理、改築の事業を勘案して、長期的な収支見通しを公表することを努力義務として規定をしています。

国土交通省としては、各自治体において長期的な収支見通しが適切に作成、公表されるよう、技術的支援を行ってまいります。

老朽化対策等の財源と現場の人員確保、処遇改善への予算の充当についてお尋ねがありました。

財源については、本法案において、下水道使用料の算定の考え方の明確化を盛り込むとともに、国土強靱化実施中期計画に基づき、老朽化対策やリダンダンシーの確保等の取組を財政的に支援してまいります。

また、確保した予算が人員確保や処遇改善に生かされるためには、自治体において最新の積算基準や労務単価等に基づき事業が適正に発注されることが重要です。このため、国土交通省としては、積算基準の随時の見直しや適正な価格での発注を自治体に働きかけること等によって対応してまいります。

物価上昇局面における柔軟な予算配分や公共投資の抜本的な拡充の必要性についてお尋ねがありました。

下水道の計画的な改築については、国土強靱化実施中期計画に戦略的維持管理、更新を位置付け、集中的に取り組んでいます。

引き続き、近年の資材価格や労務費等の上昇を考慮し、必要かつ十分な公共事業予算がしっかり確保されるよう全力で取り組んでまいります。(拍手)

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