三浦信祐 (公明党)

2026年6月24日・第221回国会 参議院 本会議 第24号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 10 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 18 発言)

公明党の三浦信祐です。

ただいま議題となりました防衛省設置法等改正法案について、会派を代表して質問いたします。

我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑な局面に直面しています。力による一方的な現状変更の試みや、サイバー、宇宙といった新たな領域における脅威への対処能力の構築は不可欠であります。

私は、現行の安保戦略三文書の策定に参画し、徹底的な議論を重ねました。本法案は三文書に即した防衛力の抜本的強化を進めるための体制整備であり、基本的に賛同します。

しかし、真の防衛力強化とは、組織の改編や装備品の拡充だけで完結するものではありません。組織を動かし、運用するのはほかならぬ人であり、隊員、自衛官の皆様です。そして、国民の皆様の理解こそが防衛力、抑止力の基盤です。

私は、十八年間、防衛大学校で教鞭に立ってまいりました。今この瞬間も、教え子たちが強い使命感を持って全国の第一線で任務に就いています。隊員の志を傷つけ、その尊厳を踏みにじる無責任な言説、国民の平和と未来を守る防衛省・自衛隊や自衛官の立場を矮小化するような浅薄な見方は断じて容認できません。

防衛政策とは、机上の理論ではありません。現場の自衛官が希望を持てる環境をいかに整えるかが私たちの責務です。守る人を守る、支える人を支えるという観点から質問いたします。

まず、安保三文書の核心である総合的な国力の視点から経済対策について伺います。

国家安全保障戦略では、外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力を総合的な国力として位置付け、その第一に外交力を掲げています。脅威を未然に防ぎ、戦わずして国益を守るためです。

そして、外交と防衛を支えるのが経済力です。経済力は、平和で安定した安全保障環境を実現するための、政策の絶対的な土台です。

私は、予算委員会などの国会論戦において、三文書策定以前から総合的な国力を提唱し、経済力こそ安全保障の土台であるとの問いに対し、防衛力の抜本的強化のみならず、総合的な取組が必要、経済再生し国力を総合的に高めるべき、そして、経済、金融、財政の基盤強化に不断に取り組むと、歴代政権は明確かつ重みのある答弁、施策を積み重ねてきました。

しかし、国際情勢に影響を受けた物価高、株価は過去最高でも円安であり、金利は上昇、国民生活は、また事業活動は厳しい状況に置かれています。安全保障の土台そのものが根底から揺らぎかねないと強く危惧せざるを得ません。

片山財務大臣に、安全保障の視点から、その前提となる経済、金融、財政の脆弱性解消への認識と対応を伺います。また、小泉防衛大臣に、防衛力と経済力は両輪であるとの考え方について認識を伺います。

国家防衛戦略等では、相手の能力と新しい戦い方に着目した防衛力の抜本的強化を実施することを規定し、戦後の防衛政策の大きな転換点であり、意義について国民の理解が深まるよう政府として努力するとしています。

イラン情勢、物価高騰、AIの急激な進展に伴う経済状況の激変環境の中、防衛力の体制整備の進捗状況はどのようになっているのか、また、安全保障環境や国家安保戦略に基づく施策の実施状況等は、国家安全保障会議が定期的かつ体系的な評価を行うとした規定の実施状況とその具体的な結果について、防衛大臣に伺います。

次に、防衛力の核心である人材について伺います。

本法案には若年定年退職者給付金制度の見直しが盛り込まれておりますが、本改正による対象者数を伺います。

自衛隊最大の課題は、人材確保と定着です。人生百年時代を迎え、多くの分野で六十五歳を超えて活躍する時代です。知識と経験を重ねた人材をより長く活用するためにも、若年定年制度そのものの在り方について抜本的な議論を加速すべきと考えますが、防衛大臣の見解を求めます。

退職自衛官は、危機管理能力や統率力など、社会が求める高い能力を有しています。一方で、自衛隊で培った技能や知識が民間資格制度と十分に接続されていない課題があります。公的資格との整合性を強化し、退職後のキャリアパスをより明確にすべきと考えますが、防衛大臣の答弁を求めます。

人材確保の観点から、勤務制度について伺います。

人事院年次報告書では、国家公務員の半数以上が転居を伴う転勤を希望しないと回答しています。背景には、共働き世帯の増加だけでなく、自らの人生設計や地域とのつながりを重視する価値観の変化があります。

この意識は、自衛官やこれから自衛隊を目指す若い世代にも共通しています。地域勤務の希望、家族事情、専門性向上など、多様なニーズに応じた柔軟なキャリア形成が求められます。また、女性自衛官について、出産、育児、介護とキャリア形成の両立支援は重要な課題です。

従来の画一的な人事管理から脱却し、地域限定勤務の拡充など、誰もが安心して長く働き続けられるドラスチックな人事施策を導入すべきです。防衛大臣の決意を伺います。

国家防衛戦略には家族支援の拡充が明記されています。単身赴任、頻繁な転勤、長期の訓練や派遣など、自衛官の勤務環境は御家族にも大きな負担を求めます。厳しい任務に就く自衛官を支え、安全保障の最大の理解者は御家族です。家族支援は福利厚生ではなく、安全保障基盤そのものです。

配偶者の就労支援や子育て支援、官舎の近代化も含め、具体的にどのような支援を展開するのか、防衛大臣に伺います。

若手、中堅自衛官の中途退職者数は、二〇一〇年の三千三百十人から二〇二四年には五千六百二十人へと増加し、極めて深刻です。中途退職は単なる人数の問題ではありません。教育訓練によって育成した人材の流出は、防衛力そのものの損失です。特に、若手、中堅層の退職増加は、将来の部隊運用や指揮基盤にも影響を及ぼしかねません。

防衛省は、中途退職要因をどう分析しているのか。特に、家族事情や勤務内容に起因する離職にどのような改善策を講じているのか。また、採用、育成、定着を一体として捉えた人材確保戦略、中途退職者抑制をどう進めるのか、防衛大臣に伺います。

次に、サイバー体制について伺います。

本法案では、自衛隊サイバー防衛隊の構築を目的とし、共同の部隊への人員増加を規定しています。しかし、能動的サイバー防御能力の構築には、数だけでなく、民間を凌駕する高度な技術を持った人材の育成、確保が至上命題です。自衛隊でのサイバー経験が社会的信用とステータスに昇華させることが必要です。

官民を自在に行き来し、最先端の知見を還流させるリボルビングドア方式を導入し、魅力あるキャリアパスを構築すべきと考えますが、防衛大臣の見解を伺います。

最後に、宇宙領域について伺います。

世界が技術、能力構築、勢力確保にしのぎを削っている宇宙領域において、国際的な法規の遵守、宇宙状況掌握の、把握の強化と、それが我が国の持つ抑止力、ひいては外交力とどのように連動し、整理されているのか、防衛大臣に見解を伺います。

人を育て、人を守り、人が希望を持てる組織を築くことも防衛力強化です。自衛官が誇りを持ち、その御家族が安心し、未来を担う若者が希望を持って自衛隊を志せる環境を整えてこそ、真の防衛力が実現することを申し上げ、私の質問を終わります。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣小泉進次郎君登壇、拍手〕

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