佐藤淳法務省刑事局長

2026年7月9日・第221回国会 参議院 法務委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 199 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 269 発言)

まず、御指摘の最高裁決定は、平成十六年の刑訴法改正により証拠開示制度が導入される前のものでございますけれども、裁判所は、訴訟の基本構造等に違背しない限り、訴訟の合目的的進行を図る権限等を有する旨を判示した上で、当事者主義が取られている通常審について、一定の要件の下で、訴訟指揮権に基づき、検察官に対しその所持する証拠を弁護人に閲覧させることを命ずることができると判示したものであると承知しているところでございます。

そのため、御指摘の決定は、本法律案による改正の前後を問わず、職権主義が取られている再審請求審につきまして、そのまま妥当するものではないと考えられるところでございます。そして、現行法の下で、再審請求審において裁判所が証拠開示命令をすることができるかについては、この点につき判示した最高裁判例はなく、下級審の判断も分かれているものと承知しているところでございます。

その上で、再審請求審におけるいわゆる証拠開示につきましては、明文の規定がなく、要件、効果が定まっていないことなどから、手続保障が必ずしも十分でない、提出をめぐる争いが生じて手続が遅延するなど裁判所による審理の運営に困難が生じているなどの指摘がなされていたところでございまして、そこで、この本法律案におきましては、再審請求審における審理の在り方や手続構造との整合性も図りつつ、証拠の提出命令制度を設けることとしたものでございます。

そのため、本法律案が改正法として成立した後は、再審請求審におけるいわゆる証拠開示について、裁判所が検察官に命令を発する場合には、基本的に証拠の提出命令によることになるものと考えているところでございます。

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