先ほど成瀬参考人がおっしゃった、今、法曹三者共に大変その無辜の救済について盛り上がった状況にあると、そのとおりだと思います。
これは、私が、長年刑事裁判に携わった刑事裁判官と意見交換したときに言われたことなんですが、今盛り上がっているから、まあ数年はそういう状況で裁判官も熱心にやるかもしれない。しかし、これ裁判官、元裁判官がおっしゃっているんです、まあ五、六年したら結局その盛り上がりも鎮静化して、結局法律に基づいた、つまり法律に根拠があるものだけやればよかろうという発想になっていくのではないかという裁判官の意見を私も聞いておりまして、その点については、成瀬参考人、何かお考えがあれば。
103成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
今先生が御指摘のとおり、今回の標目一覧表の提示命令というのは、裁判所は、何人にもそれを閲覧、謄写させることはできないとなっておりまして、弁護人にも見せられないということであります。ただ、先ほど来強調しておりますように、証拠提出命令というのは再審請求審や弁護人の請求に基づいて行われることも可能でありまして、実務における柔軟なコミュニケーションの中で弁護人がどのような意図を持っているのかということは裁判所が十分確認できるだろうと思います。
さらに、この標目の一覧表というのは、いわゆる三百十六条の十四で出される弁護人に渡される一覧表と…
この発言のページ
104
北村晴男(保守)
ありがとうございます。
ちょっと時間の関係もありますので、今の成瀬参考人のお話について、田岡参考人、何か御意見があればお聞かせください。
この発言のページ
105田田岡直博香川県弁護士会弁護士
標目一覧表というものを、裁判所しか原則見られないんですが、そこから内容を削ったものを見せますという話がありました。であれば、最初から証拠一覧表の制度を設ければ足りるわけですよね。あくまで運用でやりたいようなんですけれども、その証拠一覧表という制度をつくることにしないと、実際には運用として機能しないと思います。
なぜかというと、通常審では、公判前整理手続に付された事件について、平成二十八年から証拠一覧表制度を設けられたんですが、これ僅か三%の事件にとどまっておりまして、それ以外の九七%の事件では、任意の一覧表交付というのはなされておりません。つまり、任意…
この発言のページ
- (上の発言)
106
北村晴男(保守)
先ほど成瀬参考人がおっしゃった、今、法曹三者共に大変その無辜の救済について盛り上がった状況にあると、そのとおりだと思います。
これは、私が、長年刑事裁判に携わった刑事裁判官と意見交換したときに言われたことなんですが、今盛り上がっているから、まあ数年はそういう状況で裁判官も熱心にやるかもしれない。しかし、これ裁判官、元裁判官がおっしゃっているんです、まあ五、六年したら結局その盛り上がりも鎮静化して、結局法律に基づいた、つまり法律に根拠があるものだけやればよかろうという発想になっていくのではないかという裁判官の意見を私も聞いておりまして、その点については、成瀬参考人、何かお考えがあれば。
107成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
先生の御懸念はよく分かるところでございます。
ただ、その点についても今回の法案というのは適切な対応がなされていると思っておりまして、かなり異例だと思うんですが、五年ごとに見直すという制度が入っております。五年後に一度見直すではなく、五年ごとに見直すというのは、その五年ごとにそれまでの運用を必ずチェックされるということになるわけです。そうなのであれば、やはり、裁判官も検察官も弁護人も、この再審請求事件をきちっと迅速かつ充実した審理を行って解決していくということが強く求められるわけですし、今回、附則の事項で入っている任意による証拠の…
この発言のページ
108
北村晴男(保守)
ありがとうございます。
別の観点でお聞きしたいんですが、高平参考人にお聞きしたいです。
検察官の抗告は原則禁止、そして十分な根拠のある場合には抗告可能ということにこの法案についてはなっていますと。これ、私の感覚からすると数少ない実質的な民主的コントロールの制度だというふうに私は理解しています。実質的なというのは、法的な拘束力は全然ありませんけれども、十分な根拠を国民に説明しなきゃいけないとなると、その根拠は本当に十分な根拠と言えるのか、その具体的な理由を示されたときにメディアとかあるいはいろんな方が批判をしたり肯定したりすることになる、それは数少ない…
この発言のページ
109高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
民主的コントロールが仮に働くとすれば、それは望ましいことだという点では賛同いたします。
しかし、やはりこれは法的にコントロールすべきというのが本筋であって、立法した以上、それに法的な拘束力、実質的な拘束力が生じるものでなければ、立法はただの象徴ということに。努力目標ではないんですよ、これ、立法されているわけなので、民主的というところに依存せず、きちんとこれが効力を発生するような状況にすべきだというのが私の考えであり、六号についてはもう完全に禁止というのが論理的な帰結であると考えています。
以上です。
この発言のページ