おっしゃるとおり、裁判所が主体的に判断する能力や権限があると言ったところで、今まで裁判所は、通常審では、当事者主義の下では受け身の立場、中立公正に当事者の主張について判断を下す立場ですので、再審になったからといって、自ら、じゃ、捜査に乗り出すぞといって、例えば現場に赴いたり、関係者に話を聞いたり、検察官から証拠を出してくださいと言ったり、そんなことは普通しません。
その理由の一つは、やはり再審請求人側にまず新証拠を出してもらわなきゃいけない、この負担が課せられていることがまずは大きいんだと思います。成瀬さんはそれは不可能なハードルではないと言いましたけど、確かにまあ不可能ではないかもしれませんが、少なくとも弁護人がいないとまず無理です。
財田川事件では、御本人、谷口さんがお手紙を書いたものを再審請求書と受け取って、矢野裁判長がそれを再審開始決定をした、あっ、矢野裁判長は開始決定できなかったので、弁護人になって、自らですね、再審開始決定を勝ち取られたわけですが、そんなヒーロー裁判官はめったにおられませんので、その結果が今まで救済に長時間が掛かっているということなんだと思います。
その意味では、現在の実務運用を前提にする限り、裁判所の主体的な判断のみに期待するのはやはり困難でありまして、当事者との協働ということを高平先生もおっしゃられましたけれども、ある程度やはり当事者の側でも権限を持たせてもらう形で、証拠の開示を受けて、その証拠を分析して裁判所に提示していくという機能、役割がないと、裁判所だけが発見するというものではないんだろうというふうに思います。
以上です。
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仁比聡平(共産)
成瀬さんにもう一つお尋ねしたいと思うんですけど、今おっしゃった確定判決の重み、安定性との関係なんですけれども、職権主義と再審制度が言われるのは、確定判決を覆してでも無辜の不処罰を貫かなきゃいけないと。それは、最高裁まで争って、有罪判決が確定しているんですよね。けれど、これが誤りであるということになれば、この誤判からの救済というのは絶対にやり遂げなきゃいけないわけだから、そのために、当事者任せではなく裁判官が乗り出すという、そういう意味なんではありませんか。
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95成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
今先生が御指摘のとおり、再審請求審がなぜ職権主義構造を取っているのかと、その一つの理由としては、今先生がおっしゃったとおり、再審請求者任せにせず裁判官自ら、ある種確定有罪判決を出した裁判所の責任において、本当に無辜があるんであればそれを究明、救済しないといけないという観点から再審請求審が職権主義であるということはあるんだろうと思います。
ただ、繰り返しになりますけれども、最初に、確定判決を覆す手続に入る以上はやはり何らかの事情変更は必要なのであって、その新証拠を、大変だと思いますけれども、御準備いただいて、その後は裁判所が責任を持って審理を行っていくと…
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仁比聡平(共産)
せんだって刑事局長も、ダイナミックなプロセスなんだと、再審請求審というのは、そのことをお認めにはなったんですけれども、ちょっとその関わりで、時間との関係で、田岡さん、高平さんの順でお尋ねしたいと思うんですけど。
その刑事局長の二十三日の答弁で、これは横山先生の質問の中でなんですけれども、こんなくだりがあるんですよ。裁判所が主体的に判断していく、証拠を収集して判断していくという仕組みである以上は、弁護人による取捨選択を待つことなくして全ての証拠を見る、弁護側もその裁判所が見た証拠を全て見て、その証拠の中身について主張すると。
私、この答弁で、裁判所が主…
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- (上の発言)
97田田岡直博香川県弁護士会弁護士
おっしゃるとおり、裁判所が主体的に判断する能力や権限があると言ったところで、今まで裁判所は、通常審では、当事者主義の下では受け身の立場、中立公正に当事者の主張について判断を下す立場ですので、再審になったからといって、自ら、じゃ、捜査に乗り出すぞといって、例えば現場に赴いたり、関係者に話を聞いたり、検察官から証拠を出してくださいと言ったり、そんなことは普通しません。
その理由の一つは、やはり再審請求人側にまず新証拠を出してもらわなきゃいけない、この負担が課せられていることがまずは大きいんだと思います。成瀬さんはそれは不可能なハードルではないと言いましたけど、確かにまあ不可能ではないかもしれませんが、少なくとも弁護人がいないとまず無理です。
財田川事件では、御本人、谷口さんがお手紙を書いたものを再審請求書と受け取って、矢野裁判長がそれを再審開始決定をした、あっ、矢野裁判長は開始決定できなかったので、弁護人になって、自らですね、再審開始決定を勝ち取られたわけですが、そんなヒーロー裁判官はめったにおられませんので、その結果が今まで救済に長時間が掛かっているということなんだと思います。
その意味では、現在の実務運用を前提にする限り、裁判所の主体的な判断のみに期待するのはやはり困難でありまして、当事者との協働ということを高平先生もおっしゃられましたけれども、ある程度やはり当事者の側でも権限を持たせてもらう形で、証拠の開示を受けて、その証拠を分析して裁判所に提示していくという機能、役割がないと、裁判所だけが発見するというものではないんだろうというふうに思います。
以上です。
98高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
田岡参考人の意見に基本的に同じ意見を持っております。
そもそも、最初のハードルだけではないんですよね。最初に新証拠を用意すればいいということではなくて、やはりきちんと合理的疑いが生じるんだというところまで言える証拠を出さなきゃいけない責任はなお請求人の側に負わされているんです。出したら全部裁判所が解決しますよという構造ではそもそもないです。そのスタート地点が誤っていると私は思います。
また、これ、そもそも弁護人が付いている場合、こういうやり方をするのは全然合理性がないように思います。それぞれに得意な分野がありますよね。当事者主義の中で裁判をやってきて…
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仁比聡平(共産)
終わります。ありがとうございました。
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北村晴男(保守)
日本保守党の北村晴男です。
私の方からは、恐らく田岡参考人と高平参考人とは前提の立場が違うかもしれませんが、私は、死刑制度の維持をすべきだという立場から、であればなおさら、この再審で万が一にも無罪の方が死刑執行されるというようなことがないように、そういったリスクを最小化するべきであるという立場を取っております。その立場からお聞きします。
まず、成瀬参考人にお聞きしたいんですけど、先ほど田岡参考人が、成瀬参考人の御意見自体は積極的かつ誠実な裁判官像を前提としておられるのではないかという御指摘がありました。実は私も、どんな職業にも、弁護士にも裁判官にも検…
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