これは私の弁護士としての実感ですが、無力感じゃないでしょうか。どんなに頑張っても九九%の有罪率、再審請求をしても一%に満たない再審開始決定率、その中でお金にもならない、被害者にも恨まれることもある、また再審請求人からも恨まれることもある、そういう中で、幾ら弁護士といえども続けていくのが難しいという人が私の周りにも少なくはありません。
実際に無実だというふうに信じていても、なかなかその証拠を探し出すのは弁護士一人の力では難しいです。私も自費でお金を払って私的な鑑定をしたこともありますし、目撃者を探そうと思ってチラシを配ったりして声を掛けたこともありますし、現場に行くことも少なくありませんが、そのようにしても捜査機関と違って何の権限もありません。取調べに立ち会えるわけでもありませんし、全ての証拠を見せてもらえるわけでもありません。任意開示はあくまでサービスでありまして、検察官が見せてもいいものだけを見せるという仕組みでして、強制的に証拠を開示させる権限はないんですね。そういう中で、私も被害者側の立場もやりますし、弁護側の立場もやりますが、被害者側の方がやりがいを感じられるという弁護士もいると思います。
もちろん、その中でも刑事弁護にやりがいを感じる少ない人がまだ弁護士として弁護人を続けているんだと思いますが、まさにそんな状況では冤罪が現実に起きかねない、平成十六年改正以降であっても証拠開示を受けずに有罪を確定してしまうことが現実に起こりかねない事態だからこそ、弁護士も頑張らなければいけませんけれども、裁判所の権限も強化して、真実の発見と無実の人を救済する制度が必要なんだと考えております。
以上です。
81安安達悠司(参政)
もう一問、成瀬参考人にお尋ねしたい。済みませんね、ちょっとほかの参考人の皆さん。
ということになると、問題は、この平成十六年改正前の事件、二十年以上前の事件について、どこまで、再審やったときにどこまで幅広く開示させるかという問題になってくるんではないかと私は理解していまして、ただ、二十年以上前の事件でも、再審って時効がないのでたくさんありますよね。そういうものを請求されるたびに、一つ一つまた今と同じように幅広く証拠開示していかないといけないのかというのは、被害者や遺族の立場にとっても、そんなものまでほじくり返されるのかという気持ちもあるかもしれませんし…
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82成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
再審請求の実情について申し上げますと、法令上の方式に反するような形で新証拠を付けずに請求してくるですとか、あるいは全く再審請求理由が具体的に書かれていないような形で請求してくるものも多くございます。
そのような事件については、今回新たに設けられる調査手続において、法令上の方式に違反したもの、あるいは再審請求理由に、その主張を全部真実だと捉えたとしても明らかに再審請求理由に当たらないというふうに思われる主張自体失当のものについては、その段階で手続を打ち切ることができるスクリーニング規定を設けております。
今回導入される証拠提出命…
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83安安達悠司(参政)
最後の質問なんですけど、今度弁護士のお二人にお伺いしたいんですけど、私も今のその弁護士の実務の問題は、ちょっと任意開示が非常に進んでいるので、今のその再審請求の対象になるような事件とはちょっと違った課題が今の刑事弁護にあるように思っています。特に問題なのは、若手の刑事弁護離れ、つまり刑事弁護のなり手自体が少なくなっている。
例えば当番弁護士の登録率は、日弁連、過去最低です、三〇・七%と出ています。今は、だから任意の証拠開示が非常に拡大していて、刑事弁護はやりやすくなったとも言えます。ただ、他方で、検察官も非常に起訴を絞ってきているので起訴率が低下してい…
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- (上の発言)
84田田岡直博香川県弁護士会弁護士
これは私の弁護士としての実感ですが、無力感じゃないでしょうか。どんなに頑張っても九九%の有罪率、再審請求をしても一%に満たない再審開始決定率、その中でお金にもならない、被害者にも恨まれることもある、また再審請求人からも恨まれることもある、そういう中で、幾ら弁護士といえども続けていくのが難しいという人が私の周りにも少なくはありません。
実際に無実だというふうに信じていても、なかなかその証拠を探し出すのは弁護士一人の力では難しいです。私も自費でお金を払って私的な鑑定をしたこともありますし、目撃者を探そうと思ってチラシを配ったりして声を掛けたこともありますし、現場に行くことも少なくありませんが、そのようにしても捜査機関と違って何の権限もありません。取調べに立ち会えるわけでもありませんし、全ての証拠を見せてもらえるわけでもありません。任意開示はあくまでサービスでありまして、検察官が見せてもいいものだけを見せるという仕組みでして、強制的に証拠を開示させる権限はないんですね。そういう中で、私も被害者側の立場もやりますし、弁護側の立場もやりますが、被害者側の方がやりがいを感じられるという弁護士もいると思います。
もちろん、その中でも刑事弁護にやりがいを感じる少ない人がまだ弁護士として弁護人を続けているんだと思いますが、まさにそんな状況では冤罪が現実に起きかねない、平成十六年改正以降であっても証拠開示を受けずに有罪を確定してしまうことが現実に起こりかねない事態だからこそ、弁護士も頑張らなければいけませんけれども、裁判所の権限も強化して、真実の発見と無実の人を救済する制度が必要なんだと考えております。
以上です。
85高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
刑事弁護離れというのは、ある意味、今に始まったことではないと考えています。
もうかなり昔になりますが、古賀康紀先生という福岡の弁護士の先生が季刊「刑事弁護」に論考を載せられて、刑事弁護をやりたくない三つの理由を挙げられていました。お金にならない、警察とけんかしたくない、やっても結果は変わらないというような趣旨のことを述べられていたように思います。正確な表現でないことはお許しください。
いずれにいたしましても、非常に労力が掛かるもの、しかし、意義は非常にあるというか、これがなければ基本的な社会における刑事司法制度が回っていかないというような重要な役割を…
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伊藤孝江(公明)
時間になっております。
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87安安達悠司(参政)
はい。
私、国選弁護の報酬の話も出るかと思いましたけれども、やはり司法予算もしっかり増やす必要もあると思っています。
終わります。ありがとうございました。
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