安達悠司 (参政党)

2026年6月16日・第221回国会 参議院 法務委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 174 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 185 発言)

参政党の安達悠司です。

本法案に反対の立場から討論を行います。

今回の民法等改正案は、包括代理権を持つ後見人の制度を廃止し、補助に一本化するものであり、後見制度の規制緩和ですが、以下、四つの理由から反対します。

反対理由の第一として、現行制度が終われない制度というのは事実ではなく、改正の実益が限定的であることです。

事理弁識能力が不十分な方の現行の補助の制度は、判断能力を回復した場合でなくても、必要がなくなった場合は取り消すことができます。今でも補助は、必要な時機に必要な範囲だけ利用できる制度です。本当は補助相当なのに後見人が付されてしまうケースは、これは法律の問題ではなく、裁判所の判断や運用の問題だと理解します。

他方、事理弁識能力を欠く常況にある後見相当の方にとっては、全国銀行協会の意見などのとおり、金融機関を利用する場合に途中でやめることは現時点では困難である可能性が高く、仮にやめた場合も、その後誰が財産を管理するのか明確ではありません。

第二に、補助人や特定補助人では、本人の財産の保護のセーフティーネットとして十分ではありません。

特定補助人や補助人は、後見人に比べて財産管理の義務や責任が緩く、また、代理権のない財産については財産調査の権限が非常に曖昧であり、本人の全体像、全財産の把握が極めて甘くなりがちです。事理弁識能力を欠く常況にある者に対し、全財産の管理責任者、適切な管理責任者が付与されない可能性のある制度というのは、法律上の欠陥であると言わざるを得ません。

権限がなければ責任もありません。後見人の包括代理権を廃止すると、包括的な財産管理責任者もなくなります。本人の全財産について管理責任を負う者がいなくなる今回の規制緩和は、無責任であると言えます。

第三に、全財産を管理する後見人がなくなることで、本人の財産が処分されやすくなり、つまみ食いをされる危険が否定できません。

元々、判断能力のない本人の財産というのは他人に狙われる危険性というのがありまして、しばしばそうした事態が起きます。例えば、本人が所有する不動産を購入したい者が意思表示の特別代理人制度を通じて補助人を選任させ、そして補助人によって不動産売却交渉を行わせることも想定されます。その場合も、全財産の管理責任を持つ後見人は、まず全財産を調査し、収支計画を作成して最後まで責任を負い、財産処分も慎重に判断してきました。

しかし、他方、改正後の新補助人は、本人の全財産を調査するかどうかは任意であり、特定の法律行為だけ代理して不動産を処分し、報酬を受け取って辞任するといったことができます。全財産を調査しないため、本当に本人の今後の収支や人生まで考えた判断なのか、制度上は分かりません。裁判所が職権で代理権を追加したり特定補助人を選任することもできません。

第四に、法改正の背景には、意思決定代行制度の廃止などを示唆する国際機関の勧告などがありますが、代行廃止というのは行き過ぎであり、我が国の文化や家族、社会の在り方などを反映した改正とは言えません。

よって、本法案に反対します。

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