現に、身元保証会社が高齢者の方の残余財産、特に現金を全額遺贈を受けると、そういう遺言について、公序良俗違反を理由にして無効とされた判例が確かにあります。
ただ、これ一般論で考えますと、身元保証会社とかあるいは介護施設、これが、高齢者などに遺言を作ってもらって、お亡くなりになったときには全てその会社に残余財産を遺贈を受けるということをすることが結構行われているように感じています。そもそも、その高齢者をサポートする立場にある会社、企業、事業者が高齢者が亡くなったら利益を受けるような、そういった遺言を作成してもらうということ、これが果たしていいことなのか、事業者として妥当なのかということには重大な疑問を持っています。
私も、任意後見を前提とした高齢者のサポートをしていたときに、これは高齢者の方が、あなたに自分の不動産あげるよと、そういう遺言を作ってくれと頼まれたこともあります。その場合には、これは事業、仕事として、それは社会的に疑念を受けることなので、それは絶対できませんよとお断りしました。僕はそれが当然だと思うんですよね。
やっぱり高齢者をサポートする会社、企業、事業者がそういった遺言をサポートするということは、そもそも事業者としての倫理としていかがなものか。つまり、今お答えになったことは、遺言者の最後の意思を実現することとのバランスで簡単ではないというお答えだったんですけど、果たしてそういう遺言を作ってもらうことが社会的に許容されるのかということは十分議論される必要があるというふうに考えています。
その上で、裁判所に個別の判断を求めるだけではなくて、行政庁が一つのガイドラインを示して、こういう遺言を作ってもらうということは社会的に許容されませんよと、すなわち、最終的に裁判になった場合に公序良俗違反の裁判規範となるようなガイドラインを作るということが私は必要ではないかと考えています。その点、御検討いただきたいというふうに思います。
さて、続きまして、押印の廃止との関係でお聞きします。
押印要件が廃止されることにより、押印がなくても自筆証書遺言は有効ということになります。これにより、偽造、変造が若干容易になるのではないかという懸念があります。押印が必要ないということになりますと、当該自筆証書遺言が完成品なのか途中の段階の下書きなのかという点が判断しにくくなるというふうにも思われます。どのようにこれを判断したらいいのか、あるいは先ほど申し上げた懸念についてどのようにお考えなのか、お聞きします。
122松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
ウェブ会議を利用する場合には、遺言書保管官は、ディープフェイク技術が用いられる場合を含め、他人が遺言者に成り済ますことを防止するため、厳格な本人確認を実施する必要がございます。
その具体的な方法については、今後のデジタル技術の進展の状況等を踏まえて検討する必要がございますが、例えば、マイナンバーカードに搭載された電子証明書の送信を受けることや、顔写真付きの身分証明書の写しの送付を受けた上で、その身分証明書の原本をウェブ会議の画面上で提示させ、ウェブ会議の画面に映っている申請人の顔、その身分証明書の写し及び原本等を照合し、申請人の…
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北村晴男(保守)
まさにデジタル技術の進展、これは目覚ましいものがあります。今おっしゃった確認方法、偽造、成り済ましについての対策、そのとおりだと思いますが、これ、弁護士をしていますと、いわゆるこれまでの自筆証書遺言などでは、遺言の有効、無効を争う訴訟が極めて多く起こっていました。
この保管証書遺言においては、恐らく、今おっしゃったウェブ会議を使ったケースでは、そのときの画像を出せ、その画像を見たい、訴訟で画像を見たいというようなことが必ず起こると思います。そこで、そのときウェブ会議でどのようなやり取りがなされたのか、それらを、どういう動画だったのか、これを示しておくと…
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124松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
御指摘のとおり、受遺者は遺言の内容に直接利害関係を有しており、また、受遺者自身によってだけでなく、その被用者を通じて遺言者に不当な影響を及ぼすおそれがございます。そのため、民法等改正法案では、証人等の欠格事由について、現行の欠格事由である受遺者に加えてその被用者を、また受遺者が法人である場合にはその被用者及び役員を追加することとしております。
証人に欠格事由があった場合には、遺言はその全部が無効になると解されております。そのため、遺言者の最終意思は実現されず、また、遺言によって財産を取得するはずであった者は財産を取得することがで…
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- (上の発言)
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北村晴男(保守)
現に、身元保証会社が高齢者の方の残余財産、特に現金を全額遺贈を受けると、そういう遺言について、公序良俗違反を理由にして無効とされた判例が確かにあります。
ただ、これ一般論で考えますと、身元保証会社とかあるいは介護施設、これが、高齢者などに遺言を作ってもらって、お亡くなりになったときには全てその会社に残余財産を遺贈を受けるということをすることが結構行われているように感じています。そもそも、その高齢者をサポートする立場にある会社、企業、事業者が高齢者が亡くなったら利益を受けるような、そういった遺言を作成してもらうということ、これが果たしていいことなのか、事業者として妥当なのかということには重大な疑問を持っています。
私も、任意後見を前提とした高齢者のサポートをしていたときに、これは高齢者の方が、あなたに自分の不動産あげるよと、そういう遺言を作ってくれと頼まれたこともあります。その場合には、これは事業、仕事として、それは社会的に疑念を受けることなので、それは絶対できませんよとお断りしました。僕はそれが当然だと思うんですよね。
やっぱり高齢者をサポートする会社、企業、事業者がそういった遺言をサポートするということは、そもそも事業者としての倫理としていかがなものか。つまり、今お答えになったことは、遺言者の最後の意思を実現することとのバランスで簡単ではないというお答えだったんですけど、果たしてそういう遺言を作ってもらうことが社会的に許容されるのかということは十分議論される必要があるというふうに考えています。
その上で、裁判所に個別の判断を求めるだけではなくて、行政庁が一つのガイドラインを示して、こういう遺言を作ってもらうということは社会的に許容されませんよと、すなわち、最終的に裁判になった場合に公序良俗違反の裁判規範となるようなガイドラインを作るということが私は必要ではないかと考えています。その点、御検討いただきたいというふうに思います。
さて、続きまして、押印の廃止との関係でお聞きします。
押印要件が廃止されることにより、押印がなくても自筆証書遺言は有効ということになります。これにより、偽造、変造が若干容易になるのではないかという懸念があります。押印が必要ないということになりますと、当該自筆証書遺言が完成品なのか途中の段階の下書きなのかという点が判断しにくくなるというふうにも思われます。どのようにこれを判断したらいいのか、あるいは先ほど申し上げた懸念についてどのようにお考えなのか、お聞きします。
126松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
まず、自筆証書遺言を偽造し、又は変造するためには、遺言者の筆跡をまねて遺言の全文を記載するなどの必要があります。また、そもそも押印に用いる印鑑の種類については制限がなく、認め印でも足りるとされていることを踏まえると、押印要件が偽造等を防止する機能は大きいとは言えないとの指摘もございました。このため、押印要件を廃止することにより、自筆証書遺言の偽造又は変造が容易になるとの批判は当たらないものと考えております。
また、完成した書面と下書きの区別については、例えば契約書など一定の方式に従うことが求められていない書面に関して現行法の下で…
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127
伊藤孝江(公明)
時間になっております。
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北村晴男(保守)
時間ですので、最後に、実印あるいはその方が日常的に使用していた印鑑を押していること、これは非常にその信用性を補完する意味で重要な事実でもありますので、その点、押印は必要ではなくなったけれども、その押印をすること自体は今後も妨げられないというふうに理解しておりますが、ここで終わりにします。
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