西川芳昭龍谷大学経済学部教授

2026年7月14日・第221回国会 参議院 農林水産委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 34 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 87 発言)

御質問ありがとうございます。

遺伝資源というのは本当に品種育成の大本の大本ですので、非常に大切な資源だと思います。そもそもジーンバンクというのは、歴史的にはアメリカ、ロシアの、二十世紀初頭の超大国が遺伝資源を集めることが重要だというところから始まっていまして、例えば第二次世界大戦の最中でも、イギリスのジャガイモの遺伝子の探索隊が南米大陸に出ていたとかですね、本当に戦争中であっても常にその遺伝資源の確保というのは国の最重要政策として実施されていたという歴史があって、それをずっとこう時代を今にたどっていきますと、日本でもすごく重要視されていて、遺伝資源の収集というのが積極的に行われていた。

それは国内もそうですし、海外の遺伝資源の収集が行われていたこともあったんですけれども、聞き及びますに、昨今、必ずしも十分な予算、人員が配置されているわけではないというふうに聞いておりまして、これはやはり非常に私たちの国の農業を支える基盤としては非常に懸念されるべき状況だとは思います。また、その利用に関しても、種をジーンバンクに入れておいても、そのままずっと生きているわけではないんで、ジーンバンクの中でも更新していかなければいけないんですけれども、そのことに関しても十分な、何というんですか、資源といいますか、人においても予算においてもないということ。それから、集めてきた資源の中身をどのようなキャラクターを持っているかということを調べなければいけないんですけれども、今、野菜等に関しては種苗協会等の協力も得ていろいろと調べておられるということですけれども、これに関しても体制が決定的に弱いというふうに考えています。

そういう意味では、やはりジーンバンク、遺伝資源の保全に関する体制強化というのは非常に重要だと思いますし、ABSというんですけれども、その使った遺伝資源から得られた利益に関してその遺伝資源の元にある国、地域に返して還元していくという制度も十分に整備していく必要があるかと思います。

あと一点、都道府県に関しては、有名な事例としては、広島県の農業ジーンバンクがやはり様々な理由で閉鎖されたということがありまして、これは設立のいきさつが、指定試験地があった頃に、広島県で指定試験を行うと同時に県内向けの野菜を育種していこうということでつくられたんで、ある意味では時代的に一定の使命を終えたという部分もあるんですけれど、ただ、広島県のジーンバンクは農家の方に直接つながっていて、種を貸し出しているというんですか、そういうふうな特殊なシステム、これも世界的に注目されていたシステムなんですけど、そのようなものが継続できないような状況になっているという今の日本のジーンバンクの制度、行政というのはちょっと私自身は憂うべき状態だと思っております。

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