木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授

2026年7月14日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 64 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

ありがとうございます。

確かに、民主主義国でも国旗侮辱罪等を設けている国はございます。ただ、それぞれの憲法秩序というのは大きく異なっておりまして、例えばドイツについては戦う民主主義というものを採用しております。特に、国旗侮辱に対しては民主主義に対する攻撃というふうに捉えられております。また、ドイツについては、表現の自由や政治活動については日本と大きく異なります。共産党や、あるいは極右の政党というのは認められておりませんし、ヘイトスピーチも処罰されております。

ですので、ドイツとかは、まさにドイツのその法秩序の中でそれが国旗損壊罪が位置付けられているということになります。それを日本に持ってきますと、当然、日本とドイツとは大きく法理が違いますので、日本の法制度というふうなものと接合するのかどうなのかということが大きく疑問にあります。

また、確かにドイツなどは法律があるわけですけれども、私の知る限りほとんど適用はないというふうに伺っております。また、憲法裁判所もかなり厳しい利益衡量の下でその判断がなされるということになっておりますし、また、欧州人権裁判所は不快だという理由で処罰をしてはならないというふうな規定にもなっております。

また、私の報告と繰り返しますけれども、日本のこの法律案につきましては、不快という理由で、あるいは国民感情という理由で処罰を規定しております。確かに、広い意味では国旗損壊罪というのはほかの国にもあるわけなんですけれども、現在提出されている法案のような形で国旗損壊罪というものを持っている国はありません。その点は重要な点ではないかなと思います。

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